映画の感想

映画「マッドマックス 怒りのデスロード」感想(大々的にネタバレしてます)

旧シリーズは見ていません。
タイトルは聞き覚えはあるけれど、荒野を車が爆走する映画?そんな認識しかありませんでした。
この「マッドマックス 怒りのデスロード」についてもなんの予備知識も無く、巷の評判が良いようなので気になって見に行ってみた…

そしたら、今後、「好きな映画は?」と尋ねられたら、間髪入れずに「マッドマックス!」と答えられそうなくらい、とんでもない映画だったのでした。

以下、ネタバレしまくっていますので、まだこの映画を見ていない方は回れ右!です。
 
 
 
なんとなく、近未来は近未来でも、もう少し現代に近い近未来でもっと文明の痕跡がある世界でカーチェイスするお話しかと思っていたのですよね。
まさか、あそこまでの荒廃っぷりとは。

なにしろ、見渡す限り砂漠砂漠砂漠!

水が無い。
燃料が無い。
地球規模で放射能汚染が進み、植物は枯れ果て、人間の寿命は半分に。

主人公のマックス(トム・ハーディ)は元警官。
警官なんて職業が機能しているような世界には見えないんだけれども、本人がそう言っているのでそうなんでしょう。
守れなかった人たちの幻覚を抱えながら、『生き延びる』という本能にのみ支えられて砂漠を彷徨っていたところ、絶対的な支配者イモータン・ジョーの手下『ウォー・ボーイズ』に捕らえられて砦に拘束されてしまいます。

イモータン・ジョーは命綱である『水』を掌握することで、人々を支配下に置いてるんですね。

人間は物扱い。
マックスは輸血無しでは生きられない『ウォー・ボーイズ』たちの『血液袋』にされる。
その『ウォー・ボーイズ』たちは一様にスキンヘッドに白塗りの風貌で、ジョーへの忠誠心を叩き込まれほとんど洗脳状態。その様子はカルト教団のようです。
女たちは乳牛扱いされるか、ジョーの血筋を残すための道具。

そんな中、『ウォー・ボーイズ』を率いる大隊長フュリオサ(シャーリーズ・セロン)が反旗を翻します。

フュリオサはジョーが妻として囲っていた5人の女性を連れて、砦から逃走を図る。
怒り狂ったジョーは、自らウォー・ボーイズを率いてこれを追いかける。
ウォー・ボーイズの1人、ニュークス(ニコラス・ホルト)は、血液袋マックスを車に括り付けて参戦。

こうして、砂漠のカーチェイスが始まるのです。
 
 
ストーリーは極めて単純。

女たちが逃げ、ジョー&ウォー・ボーイズがこれを追いかける。
自分も逃げたいマックスは女たちに手を貸し、手柄を立てたい一心でしつこく絡んでくるニュークス。
フュリオサの生まれ故郷である『緑の地』を目指して砂漠を突っ走る一行に、次々と試練が降り掛かって〜

という、ただそれだけ。

容赦なく破壊される車。
吹っ飛ぶ人間。
だけどあんまり悲壮感がない。
洗脳状態のウォー・ボーイズが、死を恐れず突っ込んで来るからなのでしょう。
盛大なBGM付きで、ドンチャン騒ぎしているようにしか見えない。

くどくどした状況説明も無いし、マックスの心情が語られるワケでもない。

じゃぁ、この映画が中味すっからかんの、単にヒャッハーしてるだけの映画なのかって言ったら、絶対に違うのです。

まず、フュリオサの存在感がすごい。
むしろ彼女が主人公なんじゃないかというくらい他を圧倒しています。

子供の頃に盗賊に攫われて来た彼女は、生き延びるためにその手を汚して来たのでしょう。
けれど、彼女の過去については何の描写も無い。
左腕が義手なのだけれど、どうしてそうなったのかも、一切語られることは無い。

それでも、女性の身でありながらジョーお抱えの戦闘部隊ウォー・ボーイズを率いる大隊長の座に納まっているという事実や、短いセリフの端々からも、彼女の半生がいかに過酷であったかが容易に想像できます。

薄っぺらいセリフで説明する必要など無い。
超一級の戦士と思われた彼女が、故郷『緑の地』が既に無いと知って慟哭する。
その姿を見せるだけで十分です。
 
 
それから、ジョーの5人の妻たち。
どこかしら身体に不具合を抱えた者が多い中で、彼女たちは極めて健康で美しい。
見た目も性格も個性がハッキリしていて、自分の意志を持って行動しています。
没個性的な『ウォー・ボーイズ』たちとの対比が面白い。

特に際立っているのが、ジョーの一番のお気に入りのスプレンディドでしょう。
5人の中の長女的な立ち位置で、誰よりも強くジョーの元を離れることを望んでいたのが彼女ではなかったかと思います。
身重でありながら、フュリオサをサポートし、他の女の子たちを守るために積極的に動きます。
とても賢く、機転が利く。
スプレンディドの行動力の伴った強さには、マックスも一目置いていたようです。

最初は何も出来なかった他の子たちも、逃走劇の中で次第に自分の役割を見いだし、しっかりと行動するようになって行きます。
実によろしい。
自分の意志で檻から飛び出し、砂にまみれ、必要とあらば男と取っ組みあいの喧嘩も厭わない。
王子様の助けを待ってるだけのお姫様たちじゃないのですよね。
 
 
そして、忘れてはいけない、鉄馬の女たち!
どう少なめに見積もってもアラフィフ以上と思われる女性ばかりの武装集団が大型バイク乗り回しているって言うね!
しかも、戦闘能力がめったやたらと高くてね!
追っ手の男どもをガンガン返り討ちにしちゃうんだわ。

この映画の女どもは強くて逞しくて美しい!
 
 
じゃぁ、男どもはなにやってたかというと…

マックスはとにかく寡黙。
なに考えてんだか分からない。
重火器や車の扱いは上手いんだけど、正体不明。
名前さえ名乗ろうとしないし、妄想憑きだし。
ただ、なんとなく信用しても良さそうな男ではある。
少なくともジョーの配下の男どもとは違う。
最初のうちは警戒心を抱いていたフュリオサたちも、次第にマックスに信頼を寄せるようになって行きます。

マックスは徹底してフュリオサのサポートに回ります。
俺が!俺が!と前に出て来ない。
たとえば、射撃の腕前は自分よりフュリオサの方が上だと悟り、サッと銃を渡して自分は銃身がブレるのを抑えるために肩を貸すシーンがあります。
そういうことをごく自然にやってしまうマックスは、相手を男性だから女性だからという区別無く人として対等に見ているということでしょう。
そこが、すごく良い。格好いい。
それでいて、やるべきことはキッチリやってるしね。
この男を信頼しないで、いったい誰を信頼するって言うんだ。
 
 
もう1人のキーマンであるニュークス。
単にマックスを砂漠に連れ出すだけの役回りかと思ったら、ぜんぜん違ったw

ウォー・ボーイズの一員である彼は、病に身体を蝕まれていて輸血でやっと生きながらえているような状態で、死期が近いことを自分でも悟っています。
手柄を立てて華々しく散り、そうすればヴァルハラへ行ける。
そう信じている彼は、これが最後のチャンスとばかりに、血液袋マックスを愛車に括り付けてデスロードに飛び出して行きます。

ところが

フュリオサの運転するタンクに突っ込んで自爆しようと試みるも不発に終わり、文字通りマックスに引きずられるような格好でフュリオサ一行に接近したものの女たちの反撃を受けて砂漠に放り出され、再度タンクへ潜入しようとしたらコケて失敗。
自分がヘマしたせいでジョーのお気に入りのスプレンディドを死なせてしまい、その一部始終をジョーに見られたとメソメソ泣いているところを、ジョーの妻の1人ケイパブルに発見されるという、見事なまでの情けなさ (;´▽`A``

でも、このニュークスのキャラが、ストーリーの中ですごく生きているのです。

馬鹿だけど純粋でなんとなく可愛くて憎めない。母性本能くすぐられる。
心優しいケイパブルが、こんな男を放っておけるはずも無い。
ニュークスにしても、(恐らく)今まで見たことも無いような綺麗な女の子に優しく慰めてもらったりなんかしちゃったら惚れないワケが無いでしょう。

ウォー・ボーイズとして生きるのに必要な知識しか与えられて来なかったニュークスは、一般的な知識は相当怪しい(なにしろ tree が何なのか知らない)けれど、車に関してはプロフェッショナルです。

そのプロフェッショナルな技能を生かして、大好きなケイパブルを守るために頑張っちゃう。
その単純さも良いよね!

Witness me!

ウォー・ボーイズの面々は死の覚悟を決めるとそう叫びます。
字幕では「俺を見ろ!」となっていました。
本来なら「俺の死に様を見届けろ!」くらいの強い意味合いだと思うのですが、なにしろ皆さんMAXハイテンション状態で叫んでるので、そこまでの重みが感じられません。

ニュークスも2回ほどこの言葉を口にします。
序盤で自爆しようとした時と、終盤、砦の目前で。

ジョーを妄信し、ただ華々しく散ることだけしか考えていなかった時と
大切な人を守るために自分の命を使おうと覚悟を決めた時

同じ言葉だけれど重みはまるで違う。

最後のあのシーンでは、お馬鹿で無邪気なニュークスが最高に男らしく見えました。

ニコラス・ホルトは、この愛すべきニュークスというキャラクターを実に魅力的に演じていたと思います。
 
 
『いつか故郷に帰る』ということだけを支えに、今まで生き抜いて来たであろうフュリオサ。
その故郷がもう無いと知り打ちのめされますが、それでも彼女は立ち上がる強さを持っていました。

ところが、新天地を求めて更に東へ進もうとする彼女に、マックスが釘を刺します。
希望を持つのは良い。
けれど、根拠の無い希望は、それが叶えられなかった時に狂気を生むだけ。
狂気を抱えているマックスだからこそ分かるのでしょうね。

どうせなら、多少無茶でも少しでも実現可能な希望の方に賭けてみたらどうよ?

ということで、だいぶ無茶ですが砦に戻ることに決めた女たち。

それぞれに覚悟を決めて、自分の意志で、自分の進むべき道を行く女たち。
強い。かっこいい。
そして、その女たちを支えるマックスとニュークスもかっこいい。
 
 
ジョーを打ち倒し自分の過去にケリを付けたフュリオサは、救世主として砦に迎え入れられます。
これまでの行いを償うためにも、彼女はこの砦を新しい自分の故郷として守って行くことでしょう。
鉄馬の女のおばあちゃんが大事に持っていた植物の種も持ち帰ったので、この地が『緑の地』になるのもそう遠くない未来かもしれません。
生きるために誰かのものを奪わなくても良い、そんな楽園に。
 
 
楽園とは無縁のマックスは、ひっそりと砦を去って行きます。
べたべたとしたお別れのシーンは無い。
並の映画だったら、マックスとフュリオサが良い感じになって、2人で砦で暮らすことになってめでたしめでたしなんだけど、そうはならない。そこが良い。
  
  
ごく単純に、ド派手カーアクションの娯楽超大作としてヒャッハー\(;゚∇゚)/するもよし。
とにかく、息をつく暇もないほど、派手にドカドカバカスカ暴れまくりのぶっ壊しまくりですから。

セリフでは語られない、映像の端々から伝わって来るメッセージを汲み取りながらジックリ見るもよし。

老若男女、誰が、どういう見方をしても楽しめる。
見ると、なんか勇気が湧いて来る気がする。
そして、また見たくなる。
そんな中毒性のある映画です。

砂まみれの荒れ放題の世界なのに、何故かまたあの世界にダイヴしたくなる。
きっと、そんな荒廃した世界で、したたかに逞しく前を向いて生きている彼らの姿に、心が揺さぶられるのでしょう。

どんな場所にも希望はある。
そして、その希望は自分自身の手で摑み取るものなのだ。

映画「ベイマックス」感想(ネタバレは無いはず!)

これも年末ギリギリに見に行ったので、なんだかんだで感想が今頃になってしまいました。

なんかプロモーションと違う?
涙と感動のハートフル癒し系ストーリーかと思ったのに戦隊ヒーローものかよ?!

…なんて情報はネットで確認済み。
いやむしろ、ハートフル癒し系だったら見に行かなかった。
癒し系に見せかけて戦隊ヒーローもの?!
というギャップをこの目で確かめるために映画館まで出かけて行ったようなものです。

で、実際、フタを開けてみたら

面白い。面白いっていうより、楽しい!

ちゃんと感動できる部分もあるし。

たくさん笑って、ちょっぴり泣いて、映画を見終わった後にはスッキリと心が軽くなっていました。

癒し系に見せかけて戦隊ヒーローもの?!
と思ったら、やっぱり癒し系だったぁ!

子供が見ても面白い(隣の席の子供もケラケラ笑ってた)が、大人が見たらもっと楽しめる
きっと、そんな映画。
 
 
ストーリーはとてもシンプル。

13歳で高校を卒業しちゃうほど頭は良いけれど、対人関係および素行に若干の問題がありそうな少年ヒロ。
大学で科学を学んでいる兄のタダシがそんな弟を見かねて自分の研究室に連れて行くと、そこには変人科学オタクがわんさかと集っている。
指導教官はヒロの尊敬するキャラハン教授。
俄然やる気を出したヒロは大学に入学することを決意。
タダシ兄、してやったりである。

大学で開かれるロボットの展示会に出品し、それが教授に認められれば入学できる!
ってんで、ヒロは渾身の新作『マイクロボット』を作り上げ、それが教授の目にとまり見事に入学資格を勝ち取る。

兄弟が喜んだのも束の間、展示会場で火災が発生し、教授を助けようと火の中に飛び込んだタダシは命を落としてしまう。

そんなタダシが遺したのが、人の心と身体を癒すケアロボット、ベイマックス。

突然の兄の死にショックを受け、やる気も失ってしまったヒロとベイマックスとの距離が少しずつ縮まるそんな中、ヒロは兄の死が単なる事故ではなかったことに気付く…
 
 
このベイマックスが、サイコーなんですよ o(*^▽^*)o

生みの親のタダシも言っていたように、思わずムギュッとしたくなるぷにぷにボディ。
安心感をもたらす程よいサイズ。
そのぽってりとした絶妙なフォルム。
ぽてぽてとした動作も可愛い。

タダシ兄、天才。

その見てくれだけで心を癒す効果がある。
もちろんクライアントの心身の状態を把握して適切な処置を施すという高度な処理も出来る。

なんというハイスペック癒し系ロボ。
一家に一台ベイマックス!ですよ。
マジで欲しい。家に居て欲しい。

初めてベイマックスの背に乗ってヒロが空を飛び回っているシーンは、何故だかとても感動しました。
2人(?)で夕日を眺めているその後ろ姿にもジーンと来ました。

無機質で感情の無いロボットで、ただプログラムに従ってケアしてくれているだけなのに、とても離れがたいのです。
   
 
ベイマックスの造形もそれは素晴らしいんだけれども、物語の舞台になっている『サンフランソウキョウ』の町並みもとても魅力的です。

サンフランシスコと東京をミックスしたというこの架空の街は、良い意味で無国籍風。
近未来なはずなのに、どことなくレトロな感じがして、私はノスタルジックな気分でこの町並みを眺めていました。
 
こういう、なんちゃってジャパンな味付けは普段の私ならムッとするところだけれど、この映画ではその『なんちゃって』ぶりが良い方向に作用しています。

(欧米人が)日本っぽい(と思う)要素を適当に放り込んだのではなく、日本のことをきちんと調べた上で1つの要素としてブレンドしている。
その違いなんだと思います。
 
 
ヒロを取り巻く仲間たちも個性豊か(豊かすぎる?)でよろしい。
特にワサビ!
見かけに寄らず無駄に几帳面なワサビに幾度となく笑わせられたわ。

適役として登場するマスクの怪人はいい感じに不気味です。
(マスクが歌舞伎の隈取りってのが、またセンス良いのよ ♪)

たまたまテレビでこの映画の制作現場を紹介している番組を見て、表情1つ1つ、目の動きに至るまで細かく気を配って作られているのだということを知りました。
ヒロのくしゃくしゃの髪の毛の感じとかも、とても細かくてリアル。
CGの表現もここまで来たのか〜と感動しました。
 
 
愉快な仲間たちとドタバタ走り回り、ベイマックスのロボットならではの無感情な声で発せられる空気読まない言葉にクスクス笑い…

変人の科学オタクたちがそれぞれの特技を生かし、力を合わせて悪いヤツをぶっ飛ばす!

いや、本当に楽しい ヽ(´▽`)/
 
水面下で蠢く大人の醜い思惑。

タダシがヒロに伝えたかったこと。

単純明快なヒーロー物語でもあるけれど、メッセージも仕込まれています。

一度は兄のメッセージを見失ってしまったヒロだけれど、最後にはきちんと理解しましたよね。

タダシがどれほどの熱意と愛情を持ってベイマックスを作り上げたのか。

タダシの言っていた『人の役に立つ』ってどういうことなのか。
そのために自分は何をすべきなのか。

タダシはベイマックスを通して、ヒロに生きる道筋を示してくれたのよね。
ありがとう、兄ちゃん。

私は吹き替えで観たのですが、タダシの声が小泉孝太郎さんだって全く気がつきませんでしたw
優しげで穏やかな語り口調が、タダシのキャラにとても良く合っていたと思います。
 
 
諸手を挙げて大絶賛したいところだけれど…
若干、分かりにくいなぁと感じた部分もあり。

大学で火事が起きたのと、復讐の発端になった研究所の事故が起こったのは時系列的にどっちが先なのか?

これが分かりにくい。

そのせいで、
火事を起こしたのは誰なのか?

ってのが、分からなかった。

一応、ヒロが推理を語っているんだけれど、それが事実なのかどうかは明確にされていません。

2つの事故の時系列がハッキリすれば、犯人は自ずと明らかになるんだけれども。

マスクの怪人の正体を明かすのを出来るだけ後ろに引っ張るため、敢えて曖昧にしたのかしら?

映画をサラッと見た感じでは

火事は偶然起こった、あるいは他の人間が火事を起こして、マスクの怪人はどさくさに紛れてマイクロボットを盗んだだけ、とも受け取れちゃうんだよな。

タダシの死にいちばん責任を負うべき人物は誰なのか、そこんところがちょっと曖昧。

まぁ、たぶん、マスクの怪人の中の人なんだろうけど。
それだと少し後味悪い気も…
 
 
とにかく、
これほど見ていて『楽しい!』と感じた映画は初めてかもしれないってくらいの楽しい映画だったので、細かいところは気にせずに楽しんじゃうのがオススメ。

ひたすらひたすらベイマックスが愛おしいしね。

今回は2Dで見たので、3Dでもう1回見に行く予定です。

ベイマックス、もう大丈夫だよ

なんて言わないんだからねっ!w
 
 
追記:エンドロール後のフレッド親子のくだりについて

あるレビュー記事を読んでいたら、現地アメリカの劇場ではこのエンドロール後のシーンで大爆笑が起こったと書いてあり、何故だろう???そんなに面白いシーンだったっけ?と首を傾げておったのですが、その謎が判明しました。

フレッドの父として登場したのは、マーベルコミックス(ベイマックスの原作を掲載している漫画雑誌)の会長さん、その人だったのですね!

この会長さん、色々な作品にカメオ出演するのがご趣味の名物お爺ちゃんだそうで。

そんな人物がヒーローオタクなキャラとして登場したら
なるほど、そりゃ、ウケるはずだわ ( ̄▽ ̄)

映画「インターステラー」感想(けっこうなネタバレ)

見たのは先月なんですが、感想を書けないまま年越してしまいました。
実に感想書くのが難しい。
何を書いてもネタバレになりそうで。
決定的なことは書いていませんが…だいぶネタバレしてますw

最初にお断りしておきますが、私は完全文系の人間です。

数式を見ただけで思考停止するし、ワームホールだのブラックホールだの聞いたことはあるけど何だかよく分かってないし、相対性理論だってなんとなくしか分からないし。

そういう諸々をちゃんと理解している人ならば、この映画の見方はぜんぜん違うだろうし、きっと何倍も面白いんだろうと思います、たぶん。

その辺のところをふまえた上で、この感想を読んでいただければ幸いです。
 
 
現在からそれほど遠くはないと思われる未来。
地球は砂嵐と植物に蔓延する疫病から来る食糧難に悩まされ、呼吸器系をやられて病死かはたまた餓死か…という人類滅亡の危機に瀕していた。

家の中にまで砂埃が積もり、外は見渡す限りのトウモロコシ畑。
人類の叡智は食糧難を克服するために農業に注がれ、科学だの殊に宇宙に目を向け国家の予算を注ぎ込むなんて世論が黙っちゃいない。
NASAは解体、アポロの月面着陸は捏造だったとされていて、科学好きな娘は問題児扱い…
主人公のクーパー親子は部品欲しさに古いドローン(無人飛行機)を追いかけていて、むしろ科学技術は逆行しているようにさえ見える。
クーパーは凄腕の宇宙飛行士らしいけれど、墜落のトラウマと先に書いた事情から宇宙開発が打ち切られている所為で職を失い(気が進まないまま)トウモロコシ農家をやってるみたい…

物語の冒頭部分では、どうも世界観がよく分からないのです。
なにしろ説明が殆ど無いので。

そのうちになんとなく状況が掴めて来るのですが、最初の方は何がなんだか分からない不安な心持ちで見ていました。

SFだって聞いてたのに、埃っぽいアメリカの田舎町に一面のトウモロコシ畑だしね!

おまけに、娘の部屋にはポルターガイストが出るしね!

ホラー映画じゃなくてSF映画だったよね、これ?
って思ってましたw

もちろん、僅かの辛抱で主人公は宇宙に飛び出して行くんですが。


娘マーフィーの部屋のポルターガイストが何らかのメッセージを伝えようとしていることに気付いた父娘は、それを解読して突き止めた座標の場所に行ってみると、そこは極秘に再結成されたNASAの研究施設だった。

そこでは人類が移住可能な惑星を探すミッションが人知れず実行されていた。

明かされる、高度な文明を持ち、時間さえも超越するほどの進化を遂げた謎の生命体の存在。
彼らはメッセージを送り続け、ご丁寧にワームホールまで作って人類を救おうとしてくれているらしい。

そして、次のミッションの参加者にクーパーが抜擢される。

と、ここまで来てようやくSFっぽくなって来ました。
 
 
クーパーは苦渋の選択を強いられます。

愛する娘を悲しませてまでも、ミッションに参加する意味があるのか?

娘は大好きなパパがいつ帰るとも知れない危険な旅に出るのを当然嫌がる。
父親としても、可愛い娘の側でその成長を見守りたいのが心情でしょう。
でも、娘と一緒に地球に留まっていても、いずれ人類は滅んでしまう。
人類滅亡すなわち娘の死。
人類を救うという壮大な目的のミッションだけれど、クーパーにとっては娘の未来を守るための旅だったのではないかな。
旅のさなか、クーパーは幾度となく『娘を救えなければ意味が無い』的なことを口走っていたような気がするのです。
人口培養によって産まれた人類のコロニーを作るBプランではなく、全人類の移住を目指すAプランにこだわったのも、僅かな時間のロスが地球時間では何年にも値してしまうことに対して焦りを滲ませていたのも、娘を守りたいからこそ、なのかな、と。
いくら崇高な目的であっても、『人類』なんて漠然としたものよりも具体的な対象があった方がモチベーションは維持しやすいと思うのです。
クーパーの場合は、娘を救うことの延長線上に人類の未来があるワケだし。
愛する娘が待っていると思えば、何が何なんでも生きて帰ろうと足掻くだろうしね。
 
クーパーはそんな自分の想いを娘がいつか理解してくれると信じて、反抗的な態度を取り続けるマーフィーを残して旅立ったのだと思います。
 
 
この物語にはもう一組の父娘が登場します。
クーパーと同じミッションに参加するアメリアと、その父にしてミッションの責任者を務めるブランド教授。
こちらは娘の方が宇宙に飛び立ち、父親の方が地球に残っていますが、大切な人と遠く隔てられてしまっているという点は同じ。
アメリアの方は恋人も何処と知れぬ宇宙で生死不明という二重苦です。

彼らのおかげで『時間』というものの残酷さを感じることになります。

ある星に調査のために降りて1時間足らず滞在して戻ったら、地球では数十年経過していたり、とか。

娘は自分が地球を旅立った時と同じ年齢に達してしまっている。
父親は何年も前に亡くなっていたと知らせが届く。
自分たちの方はさほど時間が経過していないのに。

たとえ恋人と再会することができたとしても、アメリアは恋人を見送った時よりも10歳老けてしまっているワケよね。
彼の方は、ほとんど齢とっていないのに。

人間の力ではどうすることも出来ない『時間』というものに、苛立ちと共に怒りや恐怖すら覚えます。
 
 
クーパーたちは先のミッションの参加者で、地球に移住可能な星を発見したと信号を送り続けていたマン博士という人物を救出します。
これが、えらく人間くさい人で。

あくまで地球に帰還することを目指すクーパーと、自分が助かりたい一心のマン博士との間で醜い争いまで勃発する始末。

英雄も、ただの人ってことですか。
 
功績だけが語り継がれる英雄も、実際のところは普通の人なんでしょう。
クーパーだって娘の待つ地球に帰ることを優先させて、もっと遠い星まで探索を進めることを拒否しているし、アメリアは自分の恋人が眠っている星に行きたがっているんだもの。
人類を救うという崇高な目的は何処へ行った?ですよ。
でも、誰もそれを責められません。
だって、それが人間だから。

 
行く先々で困難な状況に遭遇し、かろうじてそれを乗り越えながらミッションを遂行していたクーパーたちですが、ついに最悪の状況に。

クーパーは一縷の望みをかけて、アメリアの恋人エドマンズが信号を発している星に降りることを提案。
でも、クーパーはアメリア1人をエドマンズの星に送り込み、自身はブラックホールへと飲み込まれて行く…

水で覆われた惑星のとても不思議な風景や、氷に閉ざされた惑星の荒涼とした景色にも目を見張るものがあったけれど、このブラックホールの比では無かった。

きれい。きれいだけど、なんか怖い!


ブラックホールの中で、クーパーは自分に託された本当の使命を知ることになります。

全ては未来によって約束されていた
ってことなんですよね。
私は完全文系の人間なので、こういう表現になっちゃうんですけど。

クーパーが送ったブラックホールのデータを元に、マーフィはブランド博士と共同で行っていた重力の研究を完成させます。
 
クーパーが帰り着いたのがコロニーってことは、人類が移住可能な惑星は見つかっていないんですよね。
クーパーとマーフィーの連携で、コロニーへの移住は可能になって人類滅亡は免れたけれど。
エドマンズの星は居住可能っぽく見えたけど?
クーパーがアメリア救出に向かったようだし、あの星が人類にとって第二の故郷になるのかしら?


(文系の私にはよく分からないけれど)たぶん恐らくきっと科学的にもしっかりとした裏付けが為されていると思われる本格的なSF映画。
SF好きにはたまらないのではないでしょうか。
そうでない人にも、人間ドラマとして楽しめる内容になっていると思います。

同じく宇宙を舞台にした映画で記憶にも新しい「ゼロ・グラビティ」があり、何かと比較されるのではないでしょうか。
同じ宇宙ものでもタイプはまるで違うと思うし、どちらも面白かったのですが
どっちが好きかっていわれたら…
ごめんなさい、私は「ゼロ・グラビティ」の方です。
なにがどうして「ゼロ・グラビティ」の方を選ぶのか自分でも分かりませんが、見ている時の衝撃や見終わった時の感動などは「ゼロ・グラビティ」の方が勝っていました。
たぶん、単に好みの問題でこの映画自体がどうのこうのって話しではないと思います。
「2001年宇宙の旅」が好きな人からは、きっと大絶賛されるのではないかな、この映画。


映画「ホビット 決戦のゆくえ」 感想

「竜に奪われた王国」でとんでもない所で放置されてから約9ヶ月。
ついに、物語が完結する時がやってまいりました。
楽しみにしていた反面、これで終わってしまうのかと思うと寂しさもあり、複雑な気持ちで映画館に足を運びました。

いざ、始まってみると全編クライマックスと言っても過言ではないくらい見どころ連発で、全く長さを感じないくらい面白かったです

が、正直なところ、悪く言えばとっ散らかったような印象…なのです。はい。

では、決定的なネタバレはしない方針で感想(というか思いついたことダラダラと書いてるだけ)行ってみます。
 
 
物語はスマウグによって焼き尽くされる湖の街からスタート。
バルドお父ちゃんがひたすらカッコいい。
あと、長男も!頑張った!
スマウグを討ち取った英雄であり、その後の避難を先導したりもして、バルドはすっかり街のリーダーに。
なんとなく自然とそういうポジションに収まってしまう人物というのは、現実にも居るものですよね。
本人にその気は無いようですが、ふと気付けば人間チーム代表バルド!みたいな立ち位置になっていました。

開始早々にスマウグが退場してしまって、この後何やるのかと思ったら、ここから先が長かった。
 
 
鼻血見てぶち切れてオークを追いかけて行ったはずのレゴラスは、当たり前のようにして湖の街に戻って来てバルドと普通に話ししていましたが、この2人、お知り合いだったんでしょうか?

バルドは闇の森のエルフ相手に商売していたみたいだから、面識があっても不思議は無いですが…
「竜に奪われた王国」でちょろっとでもバルドとレゴラスの繋がりが分かるシーンがあったら、もっと自然だったのになぁと思いました。

ただでさえ目立つレゴラスに八面六臂の活躍をされたのでは他の人たちの立つ瀬が無いなぁと危惧(私はレゴラスが大好きなんですけどね!)しておりましたが、割と控えめだったのは好印象。
(最初の方でちらっと顔を見せてから、しばらく出て来なくて、レゴラスはぁ?と思いながら見ていたのはナイショ)

それでも見せ場はちゃんとありました。
「竜に奪われた王国」からのボルグとの因縁もちゃんと決着付けたし、八艘飛びどころではない空中瓦礫渡りやってくれてましたし、あの矢筒が決して無尽蔵に矢が沸き出す魔法の矢筒ではないってことも分かったし(^-^;

剣を失ったトーリンに自分が使っている剣(元はと言えばトーリンから取り上げたオルクリストよね、それ)を投げて寄越したところなんかは、レゴラス、なんだ、良いヤツじゃん!と思えるシーンだったし、レゴラス万歳ヽ(´▽`)/ちょっと何を言っているのか分かりません。
 
 
スランドゥイル眉毛王も息子に負けじと無双っぷりを披露してくれました。
うん。あんなに立派に戦えるなんて夢にも思ってなかったですよ。
反抗期の息子(アンタ齢いくつだ?)を抱える父親の苦悩とかは必要だったのかどうかは分かりませんが。

立派に戦えると言えば

捕われのガンダルフを助けに向かったのは、中つ国最強の御三方。
エルロンド卿、サルマン、ガラドリエル様。
特にガラドリエル様(1人だけホラー)のお強いことお強いこと。

あっ、中つ国の魔法使いは魔法使わないんですね!
普通、RPGなんかだと杖は魔力を高めるために持つもので、物理攻撃力は期待してはいけないものですが、あの魔法使いたちは杖でガンガン殴り倒してましたからね!

憔悴しきっているガンダルフと、サウロンを抑えるために力を使い果たしてしまったガラドリエル様をエルロンド卿に預け、サウロンの始末はサルマンが引き受けていました。
なるほど、ここから指輪物語のサルマンへと繋がるわけですか。

そこかしこに指輪物語に繋がる伏線が散らばっていて、指輪物語を既に見ている(読んでいる)人にとってはそれを見つけるのも楽しみの1つでしょう。
 
 
さて、肝心のトーリンとその仲間たちですよ。

「竜に奪われた王国」では影が薄くてウッカリ見落としそうになっていたトーリンに、ようやくスポットライトが当たって良かったです。
黄金に取り憑かれた様子とか、そこから立ち直っていく過程などは、もう少し突っ込んで欲しかった気もしますが。

登場人物が多いから仕方ないとはいえ、全般的に13人のドワーフたちの扱いが軽い気がします。

トーリンとフィーリ&キーリのイケメン血族は別格として、後はバーリンとドワーリンくらいしか目立った活躍が見られない…(u_u)
見た目の個性は強烈なんで、なんとなく存在は認識できているけれど、どうも有象無象感が拭えない。

常軌を逸してしまっているトーリンに忠実なドワーフさん一行にも、ちょっとイラッと来ました。
トーリンの異変を、ただオロオロと遠巻きに見ているだけのように見えてしまって。
バーリン(私この人大好きなんですが)あたりが、もうちょっとビシッと諌めてくれたら…
一応、それっぽいこと言ってるシーンはあるんだけど。

ビルボが仲間にいて良かったですよ、マジで。

旅の仲間としての信頼関係は確立しているけれど、やっぱり1人だけホビット族なので少し距離感があり、そのおかげで事態を冷静に客観視できるし、同族ならではのしがらみも無いので思った通りに行動できる。

ビルボはアーケン石を拾っていたんですね。
「竜に奪われた王国」を見た限りでは、拾ったのかどうか確認できなかったから。

様子のおかしいトーリンにアーケン石を渡すことを躊躇し、それを持ってバルド&スランドゥイルの元へ走るビルボ。
(闇の森の館に忍び込んだこと、スランドゥイルにバレてた!やっぱり!)

こういう機転の利くところって、ホビットの特性なのか、ビルボ個人の気質なのか…
たぶん前者なのでしょう。
身体は小さくて戦闘には不向きだけれど、いちばん大事な所でいちばん良い働きをするのはいつもホビットですよね。

ビルボはアーケン石をバルドたちに託したら、すぐにエレボールに引き返します。
アーケン石を隠し持っていたこと、それを他の人に渡してしまったことがバレたら、正気とは思えないトーリンに何されるか分からないのに。
この行動からも、ビルボがトーリンたちを本当に大事に思っていることが明らか。

案の定、エレボールから放り出されるんですがね。

トーリンの身に起きている異変やら、トーリンたちとビルボの友情やら、本来メインであるはずのこっちの要素に時間を割いて欲しかったなぁ。
そしたら、トーリンや旅の仲間たちとの別れのシーンでもっと感動できたはず。

絵面的には地味ですがね(;´▽`A``

戦闘シーンはもう素晴らしい出来で、こっちをメインにしたくなる気持ちも分かりますが!

襲いかかるオーク軍をドワーフ軍とエルフ軍の連携技で迎え撃つシーンなんて鳥肌ものでしたわ。
(オマエら、いつそんな打ち合わせしたんだよ!w)
 
 
そんな中、どうしても気になったのがタウリエルの存在であります。

原作に無いキャラを投入するのは別にいいんです。
登場させることに何らかの意味があるのなら。
「竜に奪われた王国」ではそれなりに存在意義がありそうに見えたタウリエルだったのですが、今作ではどうも持て余し気味のように感じました。

タウリエルはレゴラスを闇の森から引っぱり出すために必要なキャラだったのでしょう。
だとしたら「竜に奪われた王国」で、その役目を終えているはず。
ホントに女っ気の無いお話しなので、ちょっとくらいラブロマンス的なものがあっても悪くないです。
ドワーフ一行の中でひときわイケメンのキーリと絡ませるのも、納得がいきます。
だから、もう少しなんとかならなかったのかなぁって。
異種族だからってことで戸惑っているタウリエルの苦悩とかさ、そんなことおかまい無しに押せ押せのキーリとかさ、もっと見たかったわけ。
そしたら、北の砦でお互いを探して名前を呼び合ってるシーンとかで、もっと盛り上がったと思うんですよ。
残念。
 
 
冒頭で『とっ散らかったような印象』と書いたのは、どのエピソードもなんとなく物足りない…と感じたからなのであります。
全般的には、とても満足しているんですけどね。
 
 
「思いがけない冒険」から2年。
無事にホビット庄に帰り着いたビルボの姿を見ていたら、本当に長い旅を終えて故郷に戻って来たような気持ちになりました。

そして、がらーんとしたビルボの家に入ると、否応なく思い出されるワケですよ。
ドワーフたちが次々とこの家に押し掛けて来た夜のことを。
もう居ない人たちのことを。
無事に帰り着いた安堵感と同時に、どっと押し寄せて来る寂しさ。

長い旅の終わりと、中つ国で繰り広げられる物語はスクリーンでは見納めだってこと。

「ロード オブ ザ リング」「ホビット」という壮大な物語を素晴らしいクオリティで映像化してくれて、本当にありがとう。

最後の最後で、スランドゥイルがレゴラスにアラルソンの息子を捜すように言ってたけど

なにそれスピンオフへの布石?! ∑(゚∇゚|||)

60年前だと、アラゴルンは何歳なのかしら?
レゴラスが会いに行くの?
それ見たい。無理だろうけど見たい!

指輪を葬る旅に同行する以前からアラゴルンとレゴラスが仲良しだった前提で、「ロード オブ ザ リング」を見直すわ。
 
 
この物語は、ビルボの111歳の誕生日にガンダルフが訪ねて来るシーンで幕を下ろします。
そう、「ロード オブ ザ リング」の冒頭のあのシーンですね。
ビルボが持ち帰り、ずっと隠し持っていた指輪(ガンダルフ、ぜったい気付いてるよね?ビルボと別れる時、目が笑ってなかったもんね?)を巡る物語へと繋がっている…

やっぱり、「ロード オブ ザ リング」を見直さないと!
 
 
 関連記事
  「ホビット 思いがけない冒険」の感想
  「ホビット 竜に奪われた王国」の感想
 
 

映画「るろうに剣心 伝説の最期編」感想 その2(容赦なくネタバレ)

「京都大火編」のおさらいは、こちらの記事をどうぞ。
 映画「るろうに剣心 京都大火編」感想
 
よろしかったら、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」感想 その1もどうぞ。
 
 
警官隊を引き連れ煉獄に乗り込んだ剣心(佐藤健)は、手下どもを派手に蹴散らしながら突き進み、志々雄(藤原竜也)との圧巻の直接対決へとなだれ込みます。

全身の皮膚を焼かれている志々雄は発汗による体温調節が出来ず、激しい運動は15分が限度。
実際に15分間立ち回っていたのかどうかは分かりませんが、相当長いこと戦っていました。

志々雄ちゃんが剣心と戦うのを楽しみにしていたのに、次から次へと余計なのが出て来て…

誰だ、オマエ???

思わず、ぶふっと吹き出してしまいましたの。
苦戦している剣心と志々雄の間に華麗に回転切り決めて飛び込んで来た蒼紫さま(伊勢谷友介)に向かって、志々雄がポロッと口走った…

ええ。確かに志々雄にしてみたら、そう言いたくもなるでしょう。
(また、藤原くんの言い方が…思い出しただけでも笑える)

左之助にも「おめぇ、誰だよ?!」って言ってるんですけど、それ以上に笑えました。
左之助はあのキャラだし、それが血まみれでとんでもない所から転がり出て来てるから別にそういう扱いでも良いけど。
でも、蒼紫さまは…せっかくのイケメンが台無しw
その後「オマエを斬るのはこの俺だ」的なこと言って格好つけてるのに、誰も聞いてねーしな (^-^;

っていうか4対1は卑怯でしょー (`ε´)

だんだん志々雄が気の毒に思えて来ました。
だってさー、15分のタイムリミット付きで、その間にも体温は上昇し続けてるワケでしょ?
それだけでもハンデ背負ってるのに、数のうえでも不利。
刀から炎が吹き出すありえねー技使ってもいいよ、許す。

まぁ、それでもぜんぜん負けてないどころか、次々に余計なヤツらをぶっ倒して行く志々雄ちゃんなのですが。
 
 
いわゆる時代劇における『殺陣』というと、正義の味方がバッサッサと悪人を斬り捨てて行く痛快なイメージなのですが、この「るろうに剣心」における『殺陣』はちょっと違います。

ぶん殴ったり、蹴り入れたり、体当たりかましたり、スマートじゃない。泥臭い。

この良い意味での泥臭さが、リアリティを生んでいるのではないかと思います。

超人的なスピードで走り回ったり、派手なアクションや必殺技をさりげなく挟み込んだり、刀から炎が吹き出したりしても、ギリギリのリアリティを保っている。
しかも格好いい。

この「るろうに剣心」における『殺陣』は、これまでの剣戟アクションとは一線を画し、今後のこの手の映像作りに影響を及ぼしかねない、素晴らしい出来でしょう。
アクション監督さんと、それを実現させた俳優さんたちに、ひたすら敬服するばかりです。
 
 
余計なのをぶっ飛ばし、やっぱり最後は剣心と志々雄の一騎打ちに。

「俺が無限刃を手にしている限りは終わらない」
「俺が逆刃刀を手にした時に終わっているんだ」

人斬りの時代が剣心が逆刃刀に持ち替えた時に終わっていたのなら、その後を引き継いだ志々雄の立場はどうなるのよっ!

そりゃねぇだろ、センパイ…( ゚д゚) ですよ。
 
 
このあたり、剣心の気迫がハンパなくて圧倒されつつも、一方でどんどん志々雄の方に感情移入してしまって、最後には泣けて来てしまいました。

戦える時間が15分と聞かされた時「充分だな」と笑っていた志々雄ちゃん。
(包帯で表情見えてないけど笑ってるの分かった)
どこかで死を覚悟していたのかな。
どうせ死ぬなら、剣心と戦って死にたかったのかな。
剣心たちと思う存分暴れ回って、文字通り燃え尽きて、満足だったのかな。
いや、満足してねぇだろ。
 
 
志々雄の最期を見届け、剣心たちは煉獄から脱出します。
砂浜では警官たちが敬礼をもって迎えます。

志々雄に言われるままに剣心を処刑しようとしたり、剣心たちが乗り込んでいるのに平然と煉獄に大砲ぶっ放したりして終始下司っぷりを晒していた伊藤博文さんですが…
まぁ、政府を仕切るからには、これくらい狡猾でないと務まらないのかもしれん。

サムライの時代は終わっても、サムライの心は無くしていない。
そう思いたいですよ。
 
 
そういや、剣心は「おろ?」って1回も言いませんでしたね。
そんなこと言ってる余裕はどこにも無かったけど。
自分のことを「拙者」ではなく「俺」って言ってたし、「ござるよ」も封印。
志々雄に向かって「人斬りの時代は終わった」って言い切っているのに、本人がいつまでもサムライ言葉使っていたら矛盾してしまいますよねぇ。
「京都大火編」では普通に使っていたので、おそらく奥義を会得したあたりで、剣心の中で何かが変わったのでしょう。
その心の変化が、言葉遣いのちょっとした違いに現れていたのかな、と思います。
 
 
戦いを終えた剣心は、また神谷道場の居候に戻り、この国の行く末を見守っていくことにしたようです。
剣心の望む『皆が等しく笑って暮らせる世』に至るまで、この国はまだしばらく迷走することになるのですけど。
それはともかくとしても、剣心は新しい時代に自分の居場所を見つけられたようなので、ワタクシとしてはほっと一安心ですわ。
っつーか、最後のあのセリフ、あれ要る?要る?
 
 
原作の志々雄がどういうキャラなのかは分からないけれど、この志々雄は狂気の殺戮マシーンなどではなく、実に人間味のあるキャラに感じられました。

ビジュアル面の強烈さだけでなく、その存在そのものが放つオーラ。周りを圧倒する存在感。
この志々雄にはそれがありました。
藤原くんの力量のなせる技でしょうねぇ。
本人曰く「地獄の底から響き渡るような声」と言っていたけど、そのとおりだったし。
血走った目に狂気を滲ませているにも関わらず、人間くさくてどうも憎みきれない。
前作の観柳みたいな振り切った悪役も悪くないですが、今作の志々雄のような思わずそっちに感情移入してしまうような悪役は見ていて面白い。
演じているのが藤原竜也でなかったら、これほど魅力的な志々雄にはならなかったのではないか、と。
 
 
もちろん、剣心を演じた佐藤健も素晴らしかったです。
比類無き剣客としての強さと、心優しくナイーブな一面を併せ持つ剣心を見事に演じ切っておられた。
この先、また「るろうに剣心」が映像化されることになっても、もはや剣心=佐藤健以外に考えられません。

大友監督は「龍馬伝」の以蔵が処刑されることなく生き残っていたら、こうなっていたかもしれない…というコンセプトで「るろうに剣心」の緋村剣心を作ったと、どこかで読んだ気がするので両者が繋がっているのは間違いなさそうだけれど、やっぱり以蔵と剣心はぜんぜん違います。

尊敬する武市先生に褒めてもらいたい一心で人斬りを続ける以蔵。
根が優しい子なので自分のしていることに疑問を抱きながらも、彼は最期まで武市への忠誠を貫き通しました。
難しいことを考えるのが苦手で、純粋であるが故に妄信してしまっている以蔵は、ふわふわと子供っぽい印象でした。

一方の剣心は、自分の意志で暗殺を請け負い、自分の意志でそれをやめ、世の中を広く見据えながら自分の進むべき道を模索しています。
自分という軸をしっかりと持った一人前の男です。

似ているようでまったく違う2人の『人斬り』を、健くんはきっちり演じ分けていたと思います。
いやぁ、佐藤健、すげぇよ!

健くんも「剣心が終わってしまって寂しい」って言っていたみたいですが、私もこの剣心がもう見れないのかと思うと寂しいです。
完結とか言わずに、もっと作って下さいよ。
原作、まだ映像化されてない部分が残ってるんじゃないの?
健くんがこのアクションをこなせているうちに、早うw
 
 
とにかくひたすら男どもが格好いいです。
こんなに贅沢なキャスティング、滅多に拝めるものではないでしょう。
また俳優陣もその期待に立派に応えていますしね。

ストーリー的には(原作を好きであればあるほど)物足りなく感じる部分もあるかもしれませんが、実写版・緋村剣心の物語としては上手くまとまっていたと思います。

動体視力の貧弱なワタクシはあまりのスピードで展開される立ち回りに付いて行けてなかったので、見落としている所も絶対あるはず。
とっておきの奥義、天翔龍閃も一瞬だったからよく分からなかったし。
(そこ見てなきゃダメじゃん)

というわけで、もう1回見に行きたいですわ。

映画「るろうに剣心 伝説の最期編」感想 その1(かなりネタバレ)

「京都大火編」のおさらいは、こちらの記事をどうぞ。
 映画「るろうに剣心 京都大火編」感想
 
 
原作未読で良かった。うん。
下手に原作を読んでいると「原作と違って〜」という邪念に取り憑かれて、心底この作品を楽しめない。
そう。『邪念』でしかない。
余計なことは気にせず、どっぷりこの作品に浸ることが出来て良かった。
心の底からそう思います。
 
 
「京都大火編」のラストで海にドボンした剣心(佐藤健)をピックアップした謎の男は、剣心の師匠である比古清十郎(福山雅治)その人でございましたのね。

ちょっと偶然にも程がある感じ。
翁(田中泯)が清十郎の居場所を知っているっぽい描写が入っていたので、放っておいても剣心は清十郎の元を訪れることが出来たはずだから、わざわざ海にダイヴさせる必要無かったような。
でも、そこ端折ると薫(武井咲)の存在意義がますます薄れるのか。それは困るか。致し方ない。

まぁ、とにかく、目を覚ますなり「奥義を教えてくれ」と言いだす剣心なのですわ(^-^;
15年ぶりに帰って来て、いきなりかいw
もちろん、すんなり教えてくれるような甘い師匠ではなく、「オマエに足りないものが何か、分かるまで教えてやんないよ〜」と(そんなふうには言ってない)

しかし、なかなか『足りないもの』が分からない剣心。

このままでは剣心がただの人斬りに戻るのは必定。
そうなる前に手打ちにしてくれるわ!と、剣心を斬り捨てる覚悟を決める師匠。

剣心のことをバカ弟子呼ばわりしていますが、そこには剣心への愛情がほんのり滲む。
それ故に、師匠の覚悟も悲痛であることが窺い知れるというものです。

全体のボリュームからすると師匠とのやりとりにはかなりの時間を割いています。
志々雄(藤原竜也)を自分が討伐しなければならないという剣心の覚悟のほどを見せ、剣心が逆刃刀に込める想いを描くためには、それなりの長さ(だけでなく重さも)は必要だったし、剣心の過去を知るうえでもここは外せなかったでしょう。

師匠vs剣心の派手な立ち回りを挟んでいるから、見ていてダレることは無かったし。

原作を熟読している人なら周知の事実でしょうが、実写版しか見ていない人にとっては初めて明かされた内容です。
心太(ところてんではない)が『剣心』になった経緯とか、剣心が殺さずの誓いを立てるきっかけになった出来事とかに触れてくれたことは、『剣心』という男を理解する助けになりました。

と、ここでデジャブが…

祝言を間近に控えた若侍を斬ることになった剣心。
いつものように斬り捨てようとするのだけれど、相手は生きることに執着し、妙に手こずってしまう。
なんとか仕留めて、翌日現場に足を運ぶと、そこで若侍の遺体にすがりついて泣く娘の姿を目の当たりにする。
それをきっかけに、人斬りとしての自分に疑問を抱くようになる…

って、この一連のシーン、「龍馬伝」に無かった?ねぇ、無かった?
なんか見覚えがあるんだけど?
剣心をそのまんま以蔵に置き換えたエピソードがあった気がするんだけど?
他のドラマ?
いや、他に当てはまりそうな時代劇見てないしなぁ。

誰かこの件に関して触れている人居ないかと思ってググったけど、引っ掛からない…
いや、絶対にどこかで見たはずだ。

どうもモヤッとしているけれど、それはともかく

初っぱな「命を捨ててでも奥義をー!」とか言っちゃってる剣心に、「いや、命は捨てちゃダメだろ。っつか、命捨てちゃったら奥義もクソもねぇだろ」と心の中でツッコミを入れていたワタクシ。

剣心に足りないものが正にそれだったので、お口あんぐりでしたわ。
(後で恵さんに師匠と同じことサラッと言われて剣心も苦笑していたので、自分の間抜けっぷりは身に染みているであろうよ)

殺さずの誓いを立てて人を殺さない。それは良い。ただ、その『人』には自分も含まれる。

自分の命も粗末に扱っちゃいかんよね。
本当に世のため人のためを思うのならば、捨てるのではなくその命を生かせ、ということですな。
 
師匠にズタボロにされて、ようやく自分に欠けているものに気付いた剣心は奥義を会得。
(悟ったと思ったら、即、会得していてビックリでしたが。すんごい奥義をクライマックスでばーんとお披露目したくて出し惜しみしたのね、そうなのね)
不肖の弟子を見送る師匠の眼差しに、やっぱり深い愛情を感じたでござるよ。
 
 
あ、翁は死んでいませんでしたね。
なんだ、蒼紫さま(伊勢谷友介)ったら、修羅に堕ちたとか言いつつ、ちゃんと手加減してたんじゃん。

もっとも、翁が重傷を負っているのは確かで、その身体で蒼紫を止めようと無茶するから、今度こそ本当に命を落とすことになりましたけど。

志々雄一味を追って東京へと向かう剣心を邪魔しに出て来た蒼紫さまですが、善戦虚しく敗退。
剣心、ものっすごい上から目線だし (;´▽`A``
元御庭番衆のお頭、面目丸潰れですよ。
蒼紫さま、しっかりしてくださいですっ!
剣心と蒼紫さまのバトルは、とっても格好良かったですけどねっ!
剣心が蒼紫さま相手に新しい奥義の試し撃ちしなかったのは、とっておきの奥義を…以下省略。
 
 
さて、蒼紫を叩きのめした剣心は東京へ。

志々雄の策略で人斬り時代の所行を罪状に指名手配されているってのに、神谷道場にノコノコ帰って来ちゃうんだなぁ。
こんな状況で道場なんかに立ち寄ったら、待ち構えていた警官にお縄になるのは目に見えてるのに。

剣心を捕らえに来た警官たちを怒鳴りつける恵さん(蒼井優)が迫力満点。
全般的に女性陣の影が薄い傾向にありますが、ここの恵さんは良かった。
 
 
大人しくお縄になった剣心は煉獄の停泊する浦賀まで連行されていきます。
剣心が何かやらかす気満々なのはワタクシには分かっているが、すごい勢いで追いかけて来た薫(武井咲)左之助(青木崇高)弥彦(大八木凱斗)たちは知る由もないので大いに取り乱す。
この人たち、京都に居たんだよね?
どんだけすっ飛ばして来のよ?
この辺の時間経過がよく分からない。

まぁ、そういう細かいことは良いか!

この処刑シーンは映画オリジナルだそうですね。

要らないんじゃね?と言っているレビューをどこかで見かけましたが、ここは剣心の覚悟を示すのに必要だったと私は思うんですよ。

方治(滝藤賢一)が剣心に斬り捨てられた人たちの名前を読み上げている時、剣心の表情は髪に隠れていて見えなかったけれど、きっと悲痛な想いで聞いていたはず。
一人一人の名前を噛み締め、その重みを感じていたことでしょう。

微動だにしない剣心の姿を見ながら、私はその心中を推し量って泣きそうになってた。

『皆が等しく笑って暮らせる世』を実現するために剣心が奪ってしまった命。
その命に報いるためにも、剣心は何が何でも『皆が等しく笑って暮らせる世』を守らなければならない。
だから、それを乱そうとする志々雄の謀略を必ず阻止する。

それが、剣心が自分の命を使って成し遂げなければならないこと。

師匠の元で剣心が自分の命を『生かす』ということに気付いたことと、しっかり繋がっているんです。
 
 
何はともあれ、斉藤さん(江口洋介)の刀を、「俺が直々にやってやる!」とか言って方治が取り上げなくて本当に良かった。

志々雄は本気で剣心が処刑されるとは思ってなかったと思うんだけど、案の定、茶番に終わり、砂浜の大乱闘へと突入。

剣心は早々に切り上げて煉獄へと乗り込んで行く…

っていうか、十本刀、3〜4本しか機能してないよね?

うち1本は京都大火編でログアウト。
ただ、出番がいっぱいあっただけ張は優遇されていたといえます。

ボリューム的に全員を相手して回るのは無理だろうとは予測してたけど、もう少し何かあるかと思ってましたよ。
せめて…せめて…名乗りくらいさせてあげてよ。
誰が誰やら名前も分からんままだよ。

マトモに剣心と斬り合ってたのって宗次郎(神木隆之介)だけよね。
さすがに剣心vs宗次郎の立ち回りは見応えがあったけど、宗次郎の過去とか、もうちょい突っ込んだ描写が欲しかったなぁ。
左之助の相手していた坊主(名前分からん)がサラッと語っただけだったもんね。
良いキャラだけに勿体ない。あんな使い方じゃ。

宗次郎は剣心と一騎打ちできたし、由美さんも見せ場で良いところ持って行ったけど、方治なんて(砂浜に居たのに、あの乱戦状態をくぐり抜けて煉獄に戻って来て、剣心より先に最深部まで辿り着いたの?それ、すごくね?)ご自慢のマシンガンぶっ放してたら志々雄に邪魔だって言われるし、左之助にぶん殴られてそのまま放置だし。なんという雑な扱いw

「志々雄一派は単なる寄せ集めだ〜」みたいなことを言っていましたが、宗次郎や方治、由美さんあたりは志々雄をそれなりに信奉している様子だったので、そのへんのメンバーについてはもう少し何かあって欲しかったです。

志々雄サイドの描写が物足りないのは、もう圧倒的に時間が足りないってことで納得するしかない。
ぶっちゃけ、剣心サイドの方もみんな軽い扱いですし。
全体のボリュームからして焦点を緋村剣心1人に絞るしか無かったのでしょうね。
 
 
 
えっらい長くなったので、2つに分けました(分けても長いけどなっ!)
 
 
続きはこちら
映画「るろうに剣心 伝説の最期編」感想 その2
 
 

映画「るろうに剣心 京都大火編」感想(若干ネタバレ気味)

前作「るろうに剣心」はBlu-rayで見て、映画館で見なかったことを激しく後悔したので、今回は必ず映画館に足を運ぼうと心に決めていました。

だって、あのスピード感溢れる剣戟アクションを大スクリーンで見ないなんて勿体ない!

早々に公開されていた各キャラのビジュアルのクオリティの高さからしても期待は大きく膨らみ、何より、佐藤健演じる緋村剣心に早く会いたい!

っつーことで、行って参りました。
 
あ、原作は映画前作の部分までは読んでいるのですが、それ以降は未読です。
 
 
緋村剣心(佐藤健)は、かつては「人斬り抜刀斎」と呼ばれ恐れられていた、維新派の命を受けて幕府側の要人暗殺を担っていた剣客。
故あって『殺さずの誓い』を立てて流浪人となり、刃と峰が逆になった『逆刃刀』を腰に差し、ひょんなことから知り合った神谷薫(武井咲)が師範を務める道場に居候しながら静かに暮らしていた。

が…
新政府の大久保利道に喚び出されたのをきっかけに、一時の穏やかな暮らしは破られることになる。

大久保は、剣心に志々雄真実(藤原竜也)の討伐を依頼する。
志々雄は剣心が役目を退いた後、その後を引き継いだ、剣心と肩を並べる使い手。
野心にあふれ、その目的のためには非道な行為を厭わない。
そんな志々雄を恐れた新政府の手によって、維新期のどさくさに紛れて抹殺されかけ、満身創痍となりながらも生き延びていた。
志々雄は自分を裏切った新政府への復讐とその野心から新政府の転覆を目論み、京都を拠点として暗躍を始めており、討伐に向かった警官隊がことごとく返り討ちにあう中、大久保が最後の頼みの綱としたのが剣心だった。
 
返答に迷う剣心だったけれど、大久保が志々雄の手の者に暗殺されたことを知り、再び戦う決意を固め、京へ向かう…
 
 
今作は二部作の前編に当たるので、物語の導入的色合いが強いです。
そのくせ、登場人物は多く、描くべきポイントも多くて、前後編に分割して間延びするどころか、逆に駆け足ですっ飛ばしているように感じられて、むしろ物足りない…

原作未読で前作も見ていない人が、いきなり今作を見たら置いてきぼりにされること請け合いです。
少なくとも、前作「るろうに剣心」は見てからにすることをお勧めします。
 
そんなワケでストーリーはどうも大雑把感が拭えないのですが、まだ前半ですしね。
十本刀はほとんど残っているし、逆恨みで付け狙ってる蒼紫もいるし。
後半、いかに盛り上げて来るか楽しみです。
 
 
この映画、何がすごいって、マンガやアニメ原作の実写化作品にありがちな『やらかしちゃった』感が無いところがすごい。

まず、キャスティングが絶妙です。

佐藤健さんは剣心を演じるために役者になったんじゃないかと思えるくらいのハマり役ですね。

NHK大河ドラマ「龍馬伝」で岡田以蔵を演じているのを見ながら、「この人、こういう剣士の役が似合うなぁ」と思っていたので、剣心役に決まったと知った時には素直に納得しました。

普段のどこか間の抜けた感じすらある穏やかな物腰の時と、本気モードに入った時に漲る殺気。
その緩急の付け具合がお見事。
剣心という男が背負っているもの、その悲哀も、無言のうちに見事に表現してくれています。
原作の剣心そのもの…とは言わないけれど、実写版『剣心』を原作のイメージを壊すこと無く、しかも魅力的に作り上げていると思います。
殺陣も上手いしねぇ。
映画「ホビット」のレゴラスに匹敵する無双っぷりよw
 
 
志々雄真実は全身を包帯でグルグル巻きという異様な風貌で、包帯の隙間から覗く焼けただれた皮膚とギラついた目が印象に残ります。
どうも近ごろ、「アクの強い悪役は(若手だったら)藤原竜也に演らせておけば間違いない!」みたいな立ち位置になってますが、実際、志々雄役もバッチリでした。
目の動きや声だけで感情を表さなければならず、大変な役柄だと思いますが、さすがですね。
今回はあまり大立ち回りを演じていないので、後半で見られるであろう剣心との対決シーンに否応無く期待は高まります。
 
 
斉藤一(江口洋介)は大河ドラマ「八重の桜」で降谷建志さんが演じていたイメージが強すぎて、少々違和感あるんだけど、まぁそれは仕方ない。
今回、京都で剣心と共に戦うことになる斉藤さんは新撰組の生き残りだから、維新前は敵同士だったワケよね。
なんだか複雑。

っつーか、なんだ、この大河臭は ( ̄▽ ̄;)

御庭番衆のお頭、四乃森蒼紫伊勢谷友介さんだし。
おなじく、御庭番衆の生き残りを束ねる翁こと柏崎念至田中泯さんだし。

「龍馬伝」の同窓会みたいになっとる。
(トドメに龍馬さんが出て来るし。エンドロールでは役名が謎になっていたけれど、剣心のお師匠様らしいですね)

それはともかく

蒼紫さまは、口封じのために仲間を幕府に殺された恨みを抱き、当時最強と謳われていた剣心を倒すことで「御庭番衆最強」を証明しようと剣心を付け狙う、剣心にしてみれば「拙者は関係ないでござるよ…(;´д`)」な、はた迷惑な人なんですが、伊勢谷さんが演じると妙に魅力的。
原作でもえっらいイケメンに描かれていますがね。
(原作だともっと早い段階で登場するので、蒼紫さまのことは知ってる)
仲間を思いやる良きリーダーだったからこそ、闇に堕ちてしまったのでしょう。
気の毒と言えば気の毒なお方。
今回は剣心とは会えずじまいでしたが、後編で2人が相見えることはあるのでしょうか?

そして、京の町を守るため、剣心に協力する翁を演じる田中泯さんの圧倒的な存在感。
なんだろう、この人の放つ、ただ者じゃない感。
御齢70近いとは思えない鍛え抜かれたボディ&身のこなしは、さすがは舞踏家といったところ。
ダークサイドに堕ちた蒼紫を止めるために戦うシーンは、剣心の無双っぷりに負けず劣らずの見応えがありました。
 
 
瀬田宗次郎(神木隆之介)は、ほとんど「SPEC」のニノマエで、そのうち指パッチンして時を止めるんじゃないかとヒヤヒヤしてしまいましたが、原作の宗次郎のイメージにぴったりだそうで。
自分は宗次郎が登場するところまで原作を読んでいないので分かりません。
剣心との一騎打ちのシーンでは見事な殺陣を披露してくれて、とても格好良かったです。
後半も引っ掻き回してくれることに期待。
 
 
意外と印象に残ったのが、巻町操を演じた土屋太鳳さん。
憧れの蒼紫さまを追って放浪していて路銀が尽き、剣心の刀を盗もうとしたのが縁で、翁と剣心を引き会わせることになる重要な役回り。
可愛いし、動きにキレがあってGOODでした。
 
 
それに対して薫殿はパッとしませんでしたねぇ。
あまり存在感がないし、京都での立ち回りシーンももっさりとした感じで。
どうも、お嬢様が護身術として習った長刀をおっかなびっくり振り回している…ようにしか見えなかったでござるよ。
 
 
相楽左之助(青木崇高)高荷恵(蒼井優)明神弥彦(大八木凱斗)など、前作から引き続きご登場の方々は出番少なめ。
剣心が1人で京都に行っちゃったんで仕方ないですね。
一応、恵さん以外は追いかけて行っているのですけど。
左之助、後半はもっと暴れてくれるのかしら、
けっこう好きなのですよ、左之助。バカだけど。
 
 
この映画の見所は、やっぱりアクションなんだけれども、私が一番強く印象に残ったのは、十本刀の1人、沢下条張(三浦涼介)絡みのシーンでした。

宗次郎との戦いで刀を折られてしまった剣心が逆刃刀を打った刀鍛冶・赤空の元を訪ねると、その人は既に亡くなっていて、跡を継いだ息子の青空には新たな刀を打つことを断られてしまう。
(チラッとしか出なかったけれど、赤空は中村達也さんでしたね)

諦めていったんは引き上げた剣心が子供に手土産を渡そうと戻ってみると、剣心がここに現れると見越した張が青空の子を連れ去ってしまっていた。

子供を守るために張に戦いを挑む剣心。
奮戦するけれど、折れてしまった逆刃刀では埒が明かない。
それでも立ち向かっていく剣心の姿を見た青空は、剣心に刀を投げ渡す。
新たな刀を手にした剣心は躊躇無くその刀を抜き、張を倒してしまう。
でも、張は斬られていない。
青空が渡したのは、剣心の持っていた逆刃刀と対になる真逆刃刀だった…

剣心は、それが逆刃刀と知らずに抜いたのだから、あの瞬間、『人斬り』に戻ってしまっていたのですよね。

ちょうど、剣心を追って京に来ていた薫の目の前で。

薫たちに一瞥もくれずに肩を落として去って行く剣心…
その後ろ姿が哀れなほどに打ちひしがれて見えるのは、戦いの疲労のせいばかりではないでしょう。

薫は命がけで剣心の『殺さずの誓い』を守らせようとした人で、剣心もその願いに応えて、前作では誓いを守り通しました。

『人斬り』に戻ってしまった自分の姿を、一番見せたくない人に見られてしまった…

そのショックと、斬っていなかったという安堵がごちゃ混ぜになった複雑な心境だったはず。

セリフの無いシーンなんだけど、その後ろ姿だけで剣心の気持ちが伝わって来ました。
今も、あの背中を思い出すと切なくなります。
 
 
剣心はあまり喋らないし、普段は「おろ?」とか言っちゃって極めて呑気に見えるし、何考えてんだか分かりづらいけど、とても重いものを引きずって生きているのよね。

志々雄の討伐を引き受けたのも、その重荷ゆえ。

大義のためとはいえ人を殺めることに疑問を抱いた剣心は、皆が穏やかに笑って暮らせる世の中になることを願い、『殺さずの誓い』を立てて逆刃刀に持ち替えた。
その剣心に代わって、後を継いだ志々雄。
彼の姿はもしかしたら自分がそうなっていたかもしれない、もう1人の自分の姿。
剣心にとって志々雄は、過去の自分の亡霊のようなものなのでしょうね。
その亡霊が自分の求める世とは真逆に突き進もうとしている。
ならば、自分が止めるしかない。

そんなところでしょうか。
 
 
原作がマンガの名作という点を取り払って、優れた剣戟アクション&人間ドラマとしても評価できる作品になっていると思います。

アクションシーンでは確かに超人的な動きを見せていますが、原作に出て来るありえねー必殺技などはあえて封印して、リアルに近づけようという努力が為されているそうです。

リアルと非リアルの丁度いい案配が、あの超人的スピードの殺陣なのでしょうね。

下手にマンガと同じこと(映像面の演出だけでなく台詞回しなども)を実写でやったら、痛々しくて目も当てられないことになるのは他の悲惨な実写化作品で実証済み。

でも、この作品はそういった痛々しさを回避しつつ、なおかつ原作のイメージを破壊しないという離れ業をやってのけていて、実に好感が持てます。

剣心も志々雄も蒼紫も、激動する時代の流れの中で大きな傷を負わされてしまった男たち。
三者三様、過去に縛られ、己の進むべき道を探し求めています。
彼らは過去とどう決着を付け、新しい世に自分の居場所を見つけることが出来るのか。

志々雄という強大な敵を前にして、剣心は『殺さずの誓い』を貫き通すことが出来るのか。

単なる剣戟アクションにとどまらず、その辺のところも描いてくれていると良いなぁ。

あぁ、後編が待ち遠しいですっ!
原作も読みたいけれど、この先の楽しみを取っておきたいので読まないことにします。
 
 
 前作「るろうに剣心」の感想はこちら
 
 その他の映画の感想はこちらからどうぞ
 

映画「GODZILLA ゴジラ」感想(ネタバレ注意)

何を隠そう、ゴジラをちゃんと見るのは初めてでした。
もちろん、ゴジラという怪獣のことや、あのテーマ曲や、モスラやキングギドラの存在も知っていますが、きちんと映画で(しかも映画館で)見るのは初体験なのです。

さて、感想を書こうと思ったものの、さぁ、困った。
どう頑張ってもネタバレしてしまう。
ネタバレを避けようとすると何もかけない。

というわけで、ネタバレしまくりです。
というより、ネタバレしかありません。
ネタバレは嫌だ困るというお方は、スクロールしませんように。
 
では、まいります。
 
 
日本の原子力発電所で働くジョーとサンドラの夫婦は、ある朝、不可解な振動を感知する。
ジョーは原子炉の停止を提案するが、なかなか距離が下りず、その間にも振動は繰り返され、ついに大きな揺れが起こる。
原子炉の調査に向かっていたサンドラは死亡。
原子力発電所自体も崩壊し、付近一帯は封鎖区域となる。

それから15年…

2人の息子のフォードはアメリカに帰国し、軍に入隊して爆発物取り扱いのスペシャリストになっていた。

そして、日本に残っていた父は変人になっていた \(;゚∇゚)/

あの原発を崩壊させた振動が地震だったという公式発表を嘘だ隠蔽だと言い張り、封鎖区域に無断で立ち入ろうとして逮捕されたという… ( ̄_ ̄;)

久しぶりに家族の元に帰れたというのに、身元引き受け人としてアメリカから飛んで来ざるを得なくなった息子フォードにとってはいい迷惑である。

でも、そこは親子。
父親につき合って(懲りずに無断で)封鎖区域に行ってみると…
放射線は検知されず、汚染などされていないことが分かる。

それなのに封鎖が解かれないままなのは何故だ?何を隠している?
と、親子がゴチャゴチャやっていると、謎の集団が現れて身柄確保されてしまう。

2人が連れて行かれたのは原子力発電所のあった場所で、そこには新たな研究所らしきものが作られていた。
この研究所「モナーク」の研究員を務めるのが芹沢博士(渡辺謙)で、巨大生物に実に詳しい。

「モナーク」では謎の巨大生物のさなぎを管理しており、こいつが放射性物質を吸収してくれるってんで、そのまま様子見していたらしい。
異様な振動は、どうやらコイツが原因のようだ。
原発を崩壊させたのも、そして、今、研究所付近で発生しているものも。

まるで、ジョー&フォード親子が戻って来るのを待ち構えていたかのように孵化する巨大生物ムートー。
ちょっとカマキリっぽい。

ムートーは大暴れしたあげく、移動を開始。
海を越え、行く先々で大惨事を巻き起こす。
どさくさに巻き込まれて父ジョーは命を落とす。

いったい、何処へ行くんだよ?と追いかける人間たち。

そして、ムートーを追う巨大な影。
それがゴジラ!
まだ背中しか見えませんが!

えーと、ぶっちゃけると、アメリカ本土に居るパートナーに会いに行こうとするムートーを、「なに勝手なことやってんだ、オマエら」と、ゴジラが追いかけて行って邪魔する話しですね。

図体の大きい連中の活動に巻き込まれて、人間は右往左往するばかり。

一応、人間ドラマ的な味付けはありますが、いったんは散り散りになった主人公の家族は奇跡的な再会を果たしてめでたしめでたし…っていう、パニックものによくある展開でそんなに深いものではないです。

たぶん、良いんでしょう。

あくまで、メインはゴジラだから!

怪獣が暴れてなんぼの映画だから!

別にストーリーとして破綻してないし、芹沢博士のお父さんが被爆者であることをにおわせる小道具を出して来たり、そこかしこに読み取ろうとすれば読み取れる『それらしい』メッセージをさりげなく散りばめてくれています。

あくまで怪獣映画『ゴジラ』でありながら、押し付けがましくない程度にメッセージを投げかけてくれていて好感度は高かったです。

日本で生まれた「ゴジラ」なので、ゴジラが日本から海を渡ってアメリカまで行くという形に無理なく収まっているという点も良い。

要所要所でゴジラについてのウンチクをたれるのが日本人博士なのも良い。

アメリカ人主人公がスーパーヒーロー的な大活躍しないとこも良い。
 
 
人間そっちのけのゴジラvsムートー夫妻の大乱闘は見応えがありました。

(でも、一番印象に残ったシーンが、輸送機から足に赤い発煙筒付けた落下傘部隊が降下して行くシーンだったって言うねw)

ムートーの圧倒的なタフさを見せつけられ、大量の卵を見せられる。
あんなのが何匹も現れたら、そりゃもう、人類終わったも同然だと誰でも思う。

一応、人間たちもやることはやっているんだけれど、桁違いの巨大生物に為す術も無く、なんだかよく分からないがゴジラとかいう怪獣に頑張ってもらうしかない。

しかし、よく分からないんで、ムートーを狩るために追いかけて行くゴジラを攻撃してみたりなんかもしている。
あんまりダメージ与えてなかったみたいだけど。

芹沢博士は難しい顔でブツクサ言ってるだけで、米軍は「とにかく核兵器ぶっ込みゃいいんだろ?」と単細胞ぶりを発揮。
フォードはそれなりの奮闘はするけれども、どちらかと言うと米軍は無駄なことをして余計に事態を悪化させている。

たった3匹の怪獣を前にして、あまりにも無力な人間。

最後に「怪獣王は、この街の救世主なのか?」なんて一文がありましたが、ゴジラは別に人間のために頑張ったワケではなく…

えーと、なんでムートーをやっつけに来たんだ?(;´▽`A``

まぁ、いいか。
怪獣の道理は人間には知る由もないってことで。
(いいのか?w)
 
 
読み取ろうとすれば色々考えさせられるストーリーになっているし、怪獣(娯楽)映画だと気楽に受け止めてもいいし、どちらにしても楽しめる映画だと思います。

隣の席に座っていた小学生の女の子は、怖くて途中から見ていられなかったと両親に語っていましたが、それくらいの迫力はあったということでしょう。

続編が決定しているらしいので、そのおりにはまた映画館に足を運びたいと思います。
 
 
あ、それから…
原発の崩壊や津波や、高層ビルに飛行機が突っ込むシーンとかあったりするので、トラウマが刺激されるかもしれません。
思い当たるフシのある方は、ご観覧の際はご注意ください。
 
 

映画「ホビット 竜に奪われた王国」 感想(&あらすじ)

前作「ホビット 思いがけない冒険」でバッチリ予習を済ませ、映画館に馳せ参じました。

今作は三部作のうちの真ん中。
下手すれば一番ダレる部分だと思うのですが…
結論から言ってしまうと、めっちゃ楽しかった♪
あっという間の160分でした。
 
 
(以下、今回も激しくネタバレしていますのでご注意ください)
(ついでにバカ長いですゴメンナサイ)
 
 
馬を失ったドワーフ一行を、しつこく追いかけてくるオークの一群。
やっとのことで逃げ込んだ隠れ屋で、一行は熊人のビヨルンと出会います。
ビヨルンの助けにより闇の森の入り口まで辿り着いた一行ですが…

ここでガンダルフが別行動に (lll゚Д゚)

ビヨルンからナントカ砦にネクロマンサーがどうのこうの(すっげー、あやふやでゴメンナサイ)って情報を入手したり、ガラドリエル様から念波が飛んで来てしまったりしたものだから、やむを得ずそちらを優先した模様。

ガンダルフが「絶対に道を外れるな」って釘刺したのに

闇の森に足を踏み入れた13人のドワーフ&ホビットは、あっという間に迷子!

そして、巨大な蜘蛛の群れに捕まり喰われそうになる!

なんとか逃れようとジタバタしているところに、颯爽と登場したエルフの戦闘集団。

レゴラス来たーーー!*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(*゚▽゚*)・*:.。..。.:*・゜゚・*

これで助かったのかと思いきや…捕まってしまったw
不審者扱いってことですか?

というか、このドワーフたち、あっちでもこっちでも捕まり過ぎです。
もう、世界中を敵に回しているんじゃないかと疑いたくなるくらい、追いかけられるわ捕まるわ。

『中つ国』は危険がいっぱい、ということにしておきますか。
 
エルフの皆さんたちに武器を取り上げられ、持ち物を改められるドワーフさんたち。
グローイン(ギムリのパパ)の持っていた肖像画を見て、ギムリを化け物呼ばわりするレゴラス( ´艸`)
後に大の仲良しになるとは知る由もない。
 
 
エレボールを目指すと言うトーリンに不信感を抱き、闇の森を統べるエルフの王スランドゥイル(レゴラスのパパ)はトーリンまでも牢にぶち込む。

ドワーフとエルフの間には、エレボールがスマウグに教われた時にエルフが助けてくれなかったという確執があるとはいえ、ガンダルフが一緒に居ればここまで面倒くさいことにはならなかったんじゃないですかね?

しかしそんなこととは無関係に、囚われの姫君と看守との間にほんのり芽生える恋心…

違う。逆だ逆。

いや、キーリが仔犬みたいに可愛いもので(;´▽`A``
映画オリジナルキャラのタウリエルが予想以上にカッコいいもので(;´▽`A``

タウリエルは美しくてカッコいいし、キーリは種族違うんじゃね?ってくらいイケメンだし、まさかのラブロマンス投入だったけど素直に納得しましたです、はい。

そんな2人を険しい表情で見つめるレゴラス王子。

スランドゥイルはレゴラスがタウリエルに気があるって言ってたけど、オーリーはどっかのインタビューでレゴラスがタウエリルに抱いているのは恋愛感情ではないっぽいこと言ってたし、どうなんでしょう?
 
 
それはともかく
 
指輪の力で姿を消していたおかげで捕われずに済んだビルボの活躍で、無事に牢から抜け出せたトーリン一行。
取る物も取りあえず逃げ出したけれど、しつこくストーキングしていたオークたちに見つかってしまい、後を追いかけて来たエルフ軍も加わって三つ巴の大乱闘に突入。

エルフの戦闘アクションは美しいわー。
無駄にくるくるひらひら華麗に舞い踊るかのようで。

急流を下る樽に乗って弓矢連射という、もはや曲芸と言っても差し支えない荒技を涼しい顔でやってのけるレゴラス王子!
おまけにドワーフの頭を平然と踏んづけるという鬼畜っぷり。

もう何も言いません( ̄▽ ̄)
 
 
オークからもエルフからも無事に逃げおおせたトーリンと愉快な仲間たちは、偶然居合わせたバルドを有り金はたいて買収し、近くの街まで連れて行ってもらいます。

映画を見ただけでは何故バルドが領主から目を付けられていたのか分からなかったのですが、調べてみたら彼はスマウグによって破壊された街の領主の末裔だそうで。
立場的にはトーリンと一緒ね。
それなりに人望もあるかもしれない人物で、領主としては煙たい存在なのでしょう。

この街で、ドワーフ一行は分断されてしまいます。

ドゥリンの日までに何としてでもエレボールに辿り着きたいトーリンと、大事なお役目を任されているビルボ以下省略ごめん。

エルフの館から逃げる時にオークの毒矢で怪我をしてしまったキーリと、彼に付き添うため残ることにした兄のフィーリ以下省略ごめん。
 
 
湖の街はビルボ・トーリン組と入れ違いにキーリが心配で追いかけて来たタウリエルと、そのタウリエルについて来たレゴラス、おまけにドワーフを目の敵にするオークという招かれざる客まで押し掛けて来て千客万来。

っていうか、いい迷惑だオマエらっ!

好き勝手に暴れ回るレゴラス王子。
キーリの治療を優先して戦闘に参加しないタウリエルに腹を立てて、八つ当たりしているようにしか見えんよ。

オヤジにだって、ぶたれたことないのにっ!

とは言ってないが、鼻血見てぶち切れて1人でオークを追いかけて行っちゃったし。
 
 
レゴラスのキャラの豹変ぶりには正直戸惑いました。

「ロード オブ ザ リング」のレゴラスは、育ちのよろしい好青年というイメージ。
きらっきらの王子様然としたルックスなのに戦闘能力高し!で、浮世離れしていて隙あらば歌を歌おうとする原作のレゴラスとは別人の映画オリジナルキャラみたいになっていましたが、それはそれで良かった。うん。

で、今作のレゴラスは…う〜ん…( ̄ー ̄?)

そもそもエルフという種族が他種族に対して上から目線な物言いをなさる印象があるので、それに倣ったのか高慢ちきで自信満々な若造って感じで、このレゴラスだけ見たら(カッコいいけど)あんまり好感度高くない。

このドワーフたちとの一件でレゴラスの他種族に対する見方が変わり、闇の森の外への興味も抱くようになって、あの「ロード オブ ザ リング」のレゴラスに繋がる、というのなら良いのだけど。

そんな流れの片鱗でも、次の第三部で垣間見られることをちょっと期待します。
 
 
一方、ビルボ・トーリン組はエレボールに到着したものの、なかなか鍵穴が見つからない。

トーリン、諦め早すぎ。

ビルボが粘って鍵穴を見つけてくれたから良かったものの…
これまでの言動のあれやこれやも含めて、いささかトーリンの人柄に疑問を抱いてしまいました。

ビルボはドワーフの王の象徴である「アーケン石」を探し出すという大事なお役目を果たすため、1人でエレボールの中に入って行きます。

で・・・
起こすなって言われてたのに、スマウグ起こしちゃうし!

トーリンたちも頑張ったけれど、スマウグを倒すどころか怒らせてしまって

僕らのせいだ!

じゃねーよっ!!!\(*`∧´)/
 
 
……ちょっと待って。

今回、ガンダルフってばほとんど別行動だったじゃん!
いつ合流すんだよ?
捕まっちゃってるよ。
どうすんだよ。

ビルボ&ドワーフ組が散々な目に遭っている間、灰色の魔法使いは単身でナントカ砦に向かって、そこに巣食う闇の勢力と対決。
珍しく魔法使って頑張りましたが、善戦虚しく力負け。
世界を覆い始めていた怪しげな気配は、復活しかけのサウロンのものだったんですねぇ。
ネクロマンサー=サウロンってことでいいのかな?
ガンダルフはサウロンと手を組んだオークどもに捕らえられてしまいました。

みんな忘れてるみたいだけど、誰か助けに行ってやって。
 
 
はい。
そんなこんなで、フラッとパーティから外れた魔法使いはてんで役立たず。

ドワーフ組は分断され一方にはオークの軍団が迫り、もう一方の留まる街には火を噴くドラゴンが飛来しようとしている。

こんなところでブチッとぶった切られて1年放置ですかっ!

ビルボはアーケン石を拾えたの?どうなの?
スマウグとゴタゴタやってて、よく分からなかったよ。
ちょいちょい指輪の力使っているけど、だいじょうぶなの?
最初は剣に触れるだけで怖じ気づいていた彼が、自ら剣を振り回して敵に立ち向かうようになったのは成長の表れなのか、それとも指輪の魔力に毒されつつあるってことなのか?
どっち???

オーク軍団はトーリン組とレゴラスが共闘して片付けるのかな?
ってことは、再びレゴラス無双が拝めるわよね?
(もう、レゴラスはアクション担当ってことで良いよね)
パパも駆けつけるのかしら?

スマウグの方はバルドが大弓でなんとかするの?
バルドも弓の達人らしいんだけど、本編中にそういう描写あったっけ?
バルドさん、なかなか良いキャラなんだからもっと活躍させて欲しいな。

脅威の回復力でキーリが戦線復帰して活躍したりする?
っていうか、して。
一応、彼もアーチャーなんだから(一応って…)

ガンダルフも忘れないであげてねっ!

ああああああ、第三部が待ち遠しい。
 
 
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 「ホビット 思いがけない冒険」の感想
 「ホビット 決戦のゆくえ」の感想
 

映画「ホビット 思いがけない冒険」 感想

「ホビット 竜に奪われた王国」を見に行きたい!

お目当ては、ほとんどレゴラスだったりレゴラスだったりレゴラスだったりするんだけどもっ!(≧∇≦)

「ロード オブ ザリング」でエルフのイメージそのものの美しいオーリー=レゴラス王子に一撃でノックアウトされた者としては、あのレゴラスがスクリーンに戻って来るのだもの放っておくワケにはまいりませんわ。

でも、前作「ホビット 思いがけない冒険」を見ていないと、さすがに話し分からないでしょう…
主役はホビットだったりドワーフだったりして、彼らが大変な目に遭うお話しですから。

ということで、Blu-rayを借りて来て予習しました。
 
 
まずは、ざっくりとストーリーをご紹介。
(以下、盛大にネタバレしてますのでご注意ください)

「ロード オブ ザリング」の物語から遡ること、ざっと60年。

ホビット庄で呑気に暮らしている青年ビルボ・バギンズの元に、灰色の魔法使いガンダルフが冒険のお誘いにやって来るところから物語は始まります。

ビルボは「冒険なんてとんでもない!」とガンダルフを追い返したけれど、その夜、見ず知らずのドワーフが続々と彼の家に押し掛けて来て勝手に飲み食いして大騒ぎを始めてしまう。

13人のドワーフのリーダー、トーリン・オーケンシールドは、かつてエレボール(はなれ山)に王国を築いていたドワーフの王に連なる者だった。
エレボールはドワーフ族が蓄えた財宝目当てに襲って来たスマウグという名の竜に占拠され、王国を追われた彼らは流浪の民となって、既に何十年も経過している。

トーリンたちの旅の目的は、竜に奪われた故郷を取り戻すこと。

ガンダルフはその旅の仲間に『忍びの者』が必要だとして、ホビット族のビルボに白羽の矢を立てたのだった。
(どうも、ちょっと面識がある程度の仲だったらしい)

「そんな危険な旅なら、なおさらお断り!」のビルボだったけれど、翌朝、何事も無かったかのように片付けられた家にポツンと取り残された彼の中で、眠っていた冒険心が目を覚まし、慌てて一行を追いかける。

かくして、旅の仲間に加わったビルボ。

エレボールを目指し東へ東へと進む一行に、次から次へと苦難が襲いかかる。

眠る竜を揺り起こすことになるのではないか、と、彼らの旅を快く思わない者も居る。

ことにトーリンの宿敵ともいうべきオークの首領アゾグが執拗に彼らを追う。
(アゾグは、かつての戦いでトーリンによって片腕を切り落とされたという因縁がある)

ビルボの機転と勇気で幾度と無くピンチを切り抜けるうち、なんの戦闘能力も持たないホビット族を仲間として認めていなかったドワーフたちも次第に彼を受け入れ、強い絆が育まれて行く。

そして、その旅のさなかにビルボは出会ってしまうのだ。
あの指輪に。
60年後、フロドに託されることになるあの指輪に。
 
 
軽く予習…のつもりで見たんだけど、いやぁ、面白かったです。

「ロード オブ ザリング」で描き出された『中つ国』の風景は、今回も美しかった〜。
(やっぱりこれは、映画館の大スクリーンで見るべきだったね)

ドワーフ一行がなかなか愉快なキャラ揃い(でもちょっと見分けがつかない)で「ホントにコイツらで竜退治出来るの?」って感じなのに、意外と強かったり。

何気ない会話に思わずクスッと笑ってしまったり。

ドワーフの中でひときわ異彩を放つイケメンに目が釘付けになったり。

一行の中で一番若いキーリとフィーリの兄弟がめっちゃ可愛くて(っていうか、この2人とトーリンしか名前と顔が一致していないんです、ごめんなさい)、ハチャメチャ大混乱のアクションシーンでも「キーリはどこだ?」と一生懸命目で追っていましたw

キーリも齢をとったら、ずんぐりむっくり髭もじゃになるんだろーか。でも、トーリンもそれなりの年齢のはずだけど体型は維持してるよな…とか余計なことも考えつつ。
(ドワーフも人間より長命なんだったっけ?)
 
 
一行の中に混じっているとガンダルフがばかデカく見えるけど、彼は普通サイズでホビットとドワーフが小柄なのよね。
ホビットが平均身長130㎝くらいでしたっけ?
ドワーフもそれと同じか少し高いくらいでしたよね、確か。
 
 
ビルボにしてもトーリンにしても、まんまとガンダルフに乗せられているような気がするのは、たぶん気のせいではないでしょう。

このお茶目な魔法使いは、エレボールに居座るスマウグを追い払いたいのよね。
でも、自分一人でやるのもナンだし…と、トーリンをけしかけ、ビルボを巻き込み…

そのくせ、自分は途中でどっか行っちゃうし。

ほんとに、困った爺さんだ。
大好きだけど。

ガンダルフ1人でドラゴンを何十匹も倒したとかいう噂があるみたいですが、それって、デマに違いない。
言われた本人、目が泳いでたもの。

この強いんだか弱いんだかよく分からない魔法使いは、本当に魔法が使えるんだろうか?って疑いたくなるくらいあんまり魔法を使いませんね。

左手に杖を持っているのに、右手に持った剣で戦っていた…(しかも強い)

魔法使いなんだから魔法でなんとかしてくれ、と、仲間の誰も突っ込まないんだろうか?

いいけど。
それがガンダルフだからw
 
 
トーリンは、頑固で融通が利かなくて気が短くて…おまけに王族のプライドも手伝って、若干扱いにくいキャラですが根は悪いヤツじゃぁない。
でなければ、仲間がついて来るワケが無い。
ビルボを仲間と認め、これまでの非礼を詫びるシーンは感動的でしたし、彼の潔さを感じさせるシーンでもありました。
 
 
映画「ホビット」は三部作であり、一作目の今作はその導入部分のようなもの。

でも、単に『三部作のうちの導入部』に留まってはおらず、彼らの旅の目的、そこに至る経緯、背景などを明確にして、それぞれのキャラの立ち位置を紹介しつつ、トーリンたちとビルボの信頼関係がいかにして築かれたか、その過程を描いています。

もちろん、ストーリーはものの見事に途中でスパッと終わっていますが、波瀾万丈な道中はハラハラさせられどうし。(本編がかなり長いので、途中で少し飽きてきますが)

残忍なオーク、陰気な洞窟、得体の知れない邪悪な者の気配、不気味なゴブリンの住処など、どちらかというとダークな世界観ですが、愉快なドワーフたちのおかげで良い感じに緩和されています。
 
 
ビルボの変化も見ものです。
最初は単なる好奇心でついて来てしまった(のであろう)彼が、次第に自分の役割を自覚して仲間に溶け込んで行く…

その転機となったのは、彼がホビット庄から遠く離れ、故郷を懐かしく思い出した時だったのでしょう。
この時初めて、ビルボは故郷に帰りたいと願うドワーフたちの心情が理解できた。
彼らのために自分も何か役に立ちたいと考えるようになり、この旅を無事に終えて自分も故郷に帰りたい、とも願うようになったのではないかと思います。
 
 
なんか、つらつらと思いつくままに書いてしまって全然まとまりがない文章になっていますが…

まぁ、とにかく見ていて楽しい映画だったということですよ!
「ロード オブ ザリング」を見ていなくても楽しめると思いますが、両者のつながりを確認しながら見ると、より楽しいと思われます。
ガンダルフの他にも共通して登場する方々がいらっしゃいますしね。

今作は、エレボールへの最短距離を進むために、トーリン率いる一行が『闇の森』に足を踏み入れる…というところで終わっています。
『闇の森』と言えば、そうです、レゴラスの住んでいる森ですよ!(わくわく)

っつーことで、「ホビット 竜に奪われた王国」へと続くのです。
 
 
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