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映画「るろうに剣心 京都大火編」感想(若干ネタバレ気味)

前作「るろうに剣心」はBlu-rayで見て、映画館で見なかったことを激しく後悔したので、今回は必ず映画館に足を運ぼうと心に決めていました。

だって、あのスピード感溢れる剣戟アクションを大スクリーンで見ないなんて勿体ない!

早々に公開されていた各キャラのビジュアルのクオリティの高さからしても期待は大きく膨らみ、何より、佐藤健演じる緋村剣心に早く会いたい!

っつーことで、行って参りました。
 
あ、原作は映画前作の部分までは読んでいるのですが、それ以降は未読です。
 
 
緋村剣心(佐藤健)は、かつては「人斬り抜刀斎」と呼ばれ恐れられていた、維新派の命を受けて幕府側の要人暗殺を担っていた剣客。
故あって『殺さずの誓い』を立てて流浪人となり、刃と峰が逆になった『逆刃刀』を腰に差し、ひょんなことから知り合った神谷薫(武井咲)が師範を務める道場に居候しながら静かに暮らしていた。

が…
新政府の大久保利道に喚び出されたのをきっかけに、一時の穏やかな暮らしは破られることになる。

大久保は、剣心に志々雄真実(藤原竜也)の討伐を依頼する。
志々雄は剣心が役目を退いた後、その後を引き継いだ、剣心と肩を並べる使い手。
野心にあふれ、その目的のためには非道な行為を厭わない。
そんな志々雄を恐れた新政府の手によって、維新期のどさくさに紛れて抹殺されかけ、満身創痍となりながらも生き延びていた。
志々雄は自分を裏切った新政府への復讐とその野心から新政府の転覆を目論み、京都を拠点として暗躍を始めており、討伐に向かった警官隊がことごとく返り討ちにあう中、大久保が最後の頼みの綱としたのが剣心だった。
 
返答に迷う剣心だったけれど、大久保が志々雄の手の者に暗殺されたことを知り、再び戦う決意を固め、京へ向かう…
 
 
今作は二部作の前編に当たるので、物語の導入的色合いが強いです。
そのくせ、登場人物は多く、描くべきポイントも多くて、前後編に分割して間延びするどころか、逆に駆け足ですっ飛ばしているように感じられて、むしろ物足りない…

原作未読で前作も見ていない人が、いきなり今作を見たら置いてきぼりにされること請け合いです。
少なくとも、前作「るろうに剣心」は見てからにすることをお勧めします。
 
そんなワケでストーリーはどうも大雑把感が拭えないのですが、まだ前半ですしね。
十本刀はほとんど残っているし、逆恨みで付け狙ってる蒼紫もいるし。
後半、いかに盛り上げて来るか楽しみです。
 
 
この映画、何がすごいって、マンガやアニメ原作の実写化作品にありがちな『やらかしちゃった』感が無いところがすごい。

まず、キャスティングが絶妙です。

佐藤健さんは剣心を演じるために役者になったんじゃないかと思えるくらいのハマり役ですね。

NHK大河ドラマ「龍馬伝」で岡田以蔵を演じているのを見ながら、「この人、こういう剣士の役が似合うなぁ」と思っていたので、剣心役に決まったと知った時には素直に納得しました。

普段のどこか間の抜けた感じすらある穏やかな物腰の時と、本気モードに入った時に漲る殺気。
その緩急の付け具合がお見事。
剣心という男が背負っているもの、その悲哀も、無言のうちに見事に表現してくれています。
原作の剣心そのもの…とは言わないけれど、実写版『剣心』を原作のイメージを壊すこと無く、しかも魅力的に作り上げていると思います。
殺陣も上手いしねぇ。
映画「ホビット」のレゴラスに匹敵する無双っぷりよw
 
 
志々雄真実は全身を包帯でグルグル巻きという異様な風貌で、包帯の隙間から覗く焼けただれた皮膚とギラついた目が印象に残ります。
どうも近ごろ、「アクの強い悪役は(若手だったら)藤原竜也に演らせておけば間違いない!」みたいな立ち位置になってますが、実際、志々雄役もバッチリでした。
目の動きや声だけで感情を表さなければならず、大変な役柄だと思いますが、さすがですね。
今回はあまり大立ち回りを演じていないので、後半で見られるであろう剣心との対決シーンに否応無く期待は高まります。
 
 
斉藤一(江口洋介)は大河ドラマ「八重の桜」で降谷建志さんが演じていたイメージが強すぎて、少々違和感あるんだけど、まぁそれは仕方ない。
今回、京都で剣心と共に戦うことになる斉藤さんは新撰組の生き残りだから、維新前は敵同士だったワケよね。
なんだか複雑。

っつーか、なんだ、この大河臭は ( ̄▽ ̄;)

御庭番衆のお頭、四乃森蒼紫伊勢谷友介さんだし。
おなじく、御庭番衆の生き残りを束ねる翁こと柏崎念至田中泯さんだし。

「龍馬伝」の同窓会みたいになっとる。
(トドメに龍馬さんが出て来るし。エンドロールでは役名が謎になっていたけれど、剣心のお師匠様らしいですね)

それはともかく

蒼紫さまは、口封じのために仲間を幕府に殺された恨みを抱き、当時最強と謳われていた剣心を倒すことで「御庭番衆最強」を証明しようと剣心を付け狙う、剣心にしてみれば「拙者は関係ないでござるよ…(;´д`)」な、はた迷惑な人なんですが、伊勢谷さんが演じると妙に魅力的。
原作でもえっらいイケメンに描かれていますがね。
(原作だともっと早い段階で登場するので、蒼紫さまのことは知ってる)
仲間を思いやる良きリーダーだったからこそ、闇に堕ちてしまったのでしょう。
気の毒と言えば気の毒なお方。
今回は剣心とは会えずじまいでしたが、後編で2人が相見えることはあるのでしょうか?

そして、京の町を守るため、剣心に協力する翁を演じる田中泯さんの圧倒的な存在感。
なんだろう、この人の放つ、ただ者じゃない感。
御齢70近いとは思えない鍛え抜かれたボディ&身のこなしは、さすがは舞踏家といったところ。
ダークサイドに堕ちた蒼紫を止めるために戦うシーンは、剣心の無双っぷりに負けず劣らずの見応えがありました。
 
 
瀬田宗次郎(神木隆之介)は、ほとんど「SPEC」のニノマエで、そのうち指パッチンして時を止めるんじゃないかとヒヤヒヤしてしまいましたが、原作の宗次郎のイメージにぴったりだそうで。
自分は宗次郎が登場するところまで原作を読んでいないので分かりません。
剣心との一騎打ちのシーンでは見事な殺陣を披露してくれて、とても格好良かったです。
後半も引っ掻き回してくれることに期待。
 
 
意外と印象に残ったのが、巻町操を演じた土屋太鳳さん。
憧れの蒼紫さまを追って放浪していて路銀が尽き、剣心の刀を盗もうとしたのが縁で、翁と剣心を引き会わせることになる重要な役回り。
可愛いし、動きにキレがあってGOODでした。
 
 
それに対して薫殿はパッとしませんでしたねぇ。
あまり存在感がないし、京都での立ち回りシーンももっさりとした感じで。
どうも、お嬢様が護身術として習った長刀をおっかなびっくり振り回している…ようにしか見えなかったでござるよ。
 
 
相楽左之助(青木崇高)高荷恵(蒼井優)明神弥彦(大八木凱斗)など、前作から引き続きご登場の方々は出番少なめ。
剣心が1人で京都に行っちゃったんで仕方ないですね。
一応、恵さん以外は追いかけて行っているのですけど。
左之助、後半はもっと暴れてくれるのかしら、
けっこう好きなのですよ、左之助。バカだけど。
 
 
この映画の見所は、やっぱりアクションなんだけれども、私が一番強く印象に残ったのは、十本刀の1人、沢下条張(三浦涼介)絡みのシーンでした。

宗次郎との戦いで刀を折られてしまった剣心が逆刃刀を打った刀鍛冶・赤空の元を訪ねると、その人は既に亡くなっていて、跡を継いだ息子の青空には新たな刀を打つことを断られてしまう。
(チラッとしか出なかったけれど、赤空は中村達也さんでしたね)

諦めていったんは引き上げた剣心が子供に手土産を渡そうと戻ってみると、剣心がここに現れると見越した張が青空の子を連れ去ってしまっていた。

子供を守るために張に戦いを挑む剣心。
奮戦するけれど、折れてしまった逆刃刀では埒が明かない。
それでも立ち向かっていく剣心の姿を見た青空は、剣心に刀を投げ渡す。
新たな刀を手にした剣心は躊躇無くその刀を抜き、張を倒してしまう。
でも、張は斬られていない。
青空が渡したのは、剣心の持っていた逆刃刀と対になる真逆刃刀だった…

剣心は、それが逆刃刀と知らずに抜いたのだから、あの瞬間、『人斬り』に戻ってしまっていたのですよね。

ちょうど、剣心を追って京に来ていた薫の目の前で。

薫たちに一瞥もくれずに肩を落として去って行く剣心…
その後ろ姿が哀れなほどに打ちひしがれて見えるのは、戦いの疲労のせいばかりではないでしょう。

薫は命がけで剣心の『殺さずの誓い』を守らせようとした人で、剣心もその願いに応えて、前作では誓いを守り通しました。

『人斬り』に戻ってしまった自分の姿を、一番見せたくない人に見られてしまった…

そのショックと、斬っていなかったという安堵がごちゃ混ぜになった複雑な心境だったはず。

セリフの無いシーンなんだけど、その後ろ姿だけで剣心の気持ちが伝わって来ました。
今も、あの背中を思い出すと切なくなります。
 
 
剣心はあまり喋らないし、普段は「おろ?」とか言っちゃって極めて呑気に見えるし、何考えてんだか分かりづらいけど、とても重いものを引きずって生きているのよね。

志々雄の討伐を引き受けたのも、その重荷ゆえ。

大義のためとはいえ人を殺めることに疑問を抱いた剣心は、皆が穏やかに笑って暮らせる世の中になることを願い、『殺さずの誓い』を立てて逆刃刀に持ち替えた。
その剣心に代わって、後を継いだ志々雄。
彼の姿はもしかしたら自分がそうなっていたかもしれない、もう1人の自分の姿。
剣心にとって志々雄は、過去の自分の亡霊のようなものなのでしょうね。
その亡霊が自分の求める世とは真逆に突き進もうとしている。
ならば、自分が止めるしかない。

そんなところでしょうか。
 
 
原作がマンガの名作という点を取り払って、優れた剣戟アクション&人間ドラマとしても評価できる作品になっていると思います。

アクションシーンでは確かに超人的な動きを見せていますが、原作に出て来るありえねー必殺技などはあえて封印して、リアルに近づけようという努力が為されているそうです。

リアルと非リアルの丁度いい案配が、あの超人的スピードの殺陣なのでしょうね。

下手にマンガと同じこと(映像面の演出だけでなく台詞回しなども)を実写でやったら、痛々しくて目も当てられないことになるのは他の悲惨な実写化作品で実証済み。

でも、この作品はそういった痛々しさを回避しつつ、なおかつ原作のイメージを破壊しないという離れ業をやってのけていて、実に好感が持てます。

剣心も志々雄も蒼紫も、激動する時代の流れの中で大きな傷を負わされてしまった男たち。
三者三様、過去に縛られ、己の進むべき道を探し求めています。
彼らは過去とどう決着を付け、新しい世に自分の居場所を見つけることが出来るのか。

志々雄という強大な敵を前にして、剣心は『殺さずの誓い』を貫き通すことが出来るのか。

単なる剣戟アクションにとどまらず、その辺のところも描いてくれていると良いなぁ。

あぁ、後編が待ち遠しいですっ!
原作も読みたいけれど、この先の楽しみを取っておきたいので読まないことにします。
 
 
 前作「るろうに剣心」の感想はこちら
 
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