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「カラフル」 森 絵都 著

アニメの紹介記事を見て、ストーリーが良さそうだと思ったので、まず原作を読んでみました。
 
 
「おめでとうございます。抽選に当たりました!」
そう言って「ぼく」の前に現れたのは、プラプラと名乗る天使。
「ぼく」は大きな罪を犯して死に、輪廻のサイクルから外されてしまった魂だった。
その「ぼく」に再挑戦のチャンスが与えられた。
自殺を図った少年「真」の身体にホームステイし、期限までに自分の犯した罪を思い出すことが出来れば、輪廻のサイクルに復帰することが出来るというのだ。
「真」の身体を借りてこの世界に舞い戻って来た「ぼく」の再挑戦の結末は・・・

 
 
オチなんてほとんど最初から見え見えなんだけれども、そんなことはどうでもいい。
「真」として続きの人生を少しだけ生きることが許された「ぼく」の心の動きが、シッカリと伝わって来るから。

おそらくきっと、「真」に共感できるか否かで、この作品の評価は全然違って来る。
「真」にイラッと来るだけの人も、中には居ると思う。
私は、15歳当時の自分にずいぶんと重なる部分があって、随所で胸が痛くなった。

「真」の抱えているものは、それほど珍しいものではないと思う。
それを楽に受け流してしまえる子も居れば、過剰に反応してしまう子も居る。
どっちが良いとか悪いとか、強いとか弱いとか、鈍感とか繊細とか、そういうことじゃない。
個性の問題だ。

だげど、それは今の私だからそう言えるのであって、15歳ではまだそんなことは分からなかった。

自分だけがおかしいのではないか、自分だけが特別なのではないかと思ってしまい、深い孤独に沈んで行く。

そして、(ハタから見れば)些細なきっかけで、(大部分は手前で踏みとどまるけれど)「真」のような行動に走る子も居る。
何も気付けないままに。

そう、気付いていないだけなんだ。
ひょいと視点を変えれば、見え方は違って来る。
ほんの少し時間が経てば、見えなかったものが見えるようになる。

でも、そう考えることすら15歳には難しい。
今の自分を保つので精一杯。見方を変える余裕なんて無い。
今のこの時が永遠であるかのように感じてしまう。

気持ちは分かる。みんなそうだよ。
・・・なんてことを軽々しく口にするつもりは無い。
同じ状況に置かれても、感じ方は人それぞれみんな違うんだから。
どんなに同意してくれる人が居ても、苦しみ自体は少しも軽くならないんだから。

それでも、これだけは言っておきたいんだ。

世界に絶望するきっかけが些細であるのと同様に、世界に光を見いだすきっかけもホンの些細なことだったりするんだってこと。

このお話が伝えたいのも、たぶんそこ。

「真」には見えなかったものが、「ぼく」には見えた。
それによって、「ぼく」は「真」の過ちに気付く。

おまえ、早まりすぎたんだ・・・

何も気付かないまま死んじゃうことが、どんなにもったいないことか、「ぼく」には分かった。

この世界はいろんな色で溢れてる。
たまに自分とは相性の悪い色もあるけれど。
だけどどんな色も、この世界を彩るのに必要な色なんだ。

私は家族にも恵まれているし友達もちゃんと居た。
にもかかわらず、孤独に沈んだままで10代を過ごしてしまった。
だけど、どうにか自力で浮上して、今もしぶとく生きてる。
もしもタイムマシンがあったら、あの頃の私にこの本を届けてあげたい。
そうしたら、もう少し楽に、今の自分に辿り着くことが出来るような気がする。
 
 
 
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