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FINAL FANTASY XIII レビュー(システム編)

昨日は長々と「FF XIII」のストーリーについて書きましたが、今日はシステム編(主にバトルのこと)です。
ストーリーに関するネタバレはありません。
 
 
このゲームシステムを語る上で外せないのが「ロール」と「オプティマ」

まったく、ロールとかオプティマとか・・・どうして、そういう単語使うんですかね。
そういう耳慣れない名称にするから、取っ付きにくい感や、FFっぽくない感を醸し出してしまっているのに。

ロールとは・・・
バトルにおける役割。よーするにジョブです。
物理攻撃メインの切り込み隊長・アタッカーとか、回復のエキスパート・ヒーラーとか。
全部で6種類あり、バトル中はそのロールの特性に従った行動をとります。
さらに、どのロールのキャラを戦闘に参加させるかにより、パーティー全体の能力に若干の補正も掛かります。

オプティマとは・・・
編成とでも言い換えれば良いでしょうか。
バトルに参加するキャラをそれぞれどのロールで戦わせるのか、あらかじめその組み合わせを決めておくものです。
たとえば、リーダーのライトニングはアタッカー、スノウはディフェンダー、ホープはヒーラー・・・
そういう組み合わせを最大6パターン用意しておくことが出来ます。

プレイヤーはロールとオプティマによって、バトル中のキャラの動きをコントロールします。

バトルに参加できるのは最大3名で、プレイヤーが操作できるのはリーダーとして指定したキャラ1名のみ。
他の2名は勝手に行動しています。
操作キャラについても、コンピュータが選んだ最適なスキルをオートで実行することも出来ますし、任意で指定することも出来ます。

概ねオートで任せておいて大丈夫ですが、あくまで機械が「最適」と判断した行動を取っているので、必ずしもプレイヤーの求めるものと一致するとは限りません。
時々、「なんで、そのスキル使うかな・・・」とイラッと来ることもあります。
あのテンポで3人を同時に操るのは難しいのかもしれません。
でも、これとよく似たバトルシステムを「FF X-2」でやっていて、あれは3人を同時に操作していたから、絶対無理!ということも無いと思うのですけど。
 
 
正直言って、バトルの難易度は高いです。

FFおなじみのATB。
敵味方平等に時間は常に流れているため、モタモタしている間に容赦なく敵の攻撃が飛んで来ます。
その流れの中で、どのタイミングで、どのオプティマに変更するのか、プレイヤー自身が状況を見極めながら戦って行かなければなりません。
ゲームに慣れている人やある程度の年齢以上であれば問題無いですが、ゲームに慣れていない人や若年齢層(小学生以下)の人には、この判断は難しいと思います。

ただ、バトルに関する要素は段階的に解放されて行きます。
ゲーム開始当初は出来ることは限られていて、ほとんど丸ボタン連打でどうにか切り抜けられてしまいます。
そうやって戦って、このゲームのバトルに慣れるに従い、少しずつ出来ることが増えて行くので、自然に戦い方を身につけられる仕組みになっています。

これが、諸刃の剣でね。
ゲーム上級者には序盤の単調なバトルが退屈に感じられ、途中で投げ出してしまう人も居るのではないかと思います。
だからといって、最初から全部盛りでドーンと出せば、ゲーム慣れしていない人には理解しきれず、すぐにイヤになってしまう恐れがあります。
FFのように幅広い層がプレイすることが想定されるゲームでは、出来るだけ多くの人にゲームを楽しんでもらえるように、今回のように徐々に「出来ること」を増やして行かなければならなかったのでしょう。
 
 
もう1つの大きな要素がクリスタリウム。
このゲームにはレベルアップの概念がありません。
その代わりに、クリスタリウムという、すごろく板をオッシャレ〜にしたような物を使ってキャラを成長させて行きます。
あらかじめ用意されたルートをバトルで獲得したCPを消費しながら進んで行き、ルート上に配置されたポイントを通過することで、ステータスが上がったりスキルを覚えたりできる仕組みになっています。

一見、自由にキャラメイクできるような気もしますが、気がするだけ。

大部分が必ず通過しなければならないポイントで、「このキャラは、魔力はどうでも良いから物理攻撃力を優先して成長させたい」と思っても、無視できるポイントはあまりにも少なく、制作者側の想定したのと大きく隔たったキャラに育てることは出来ません。

さらに、このクリスタリウムもストーリーの進行に合わせて段階的に解放されて行きます。
章ごとにクリスタリウムを進められる範囲に限界があるのです。

これも、このゲームの評価を左右している要因の1つ。
手っ取り早くキャラのステータスを上げて力押しでスパッと勝ちたいと考える人も居るでしょうが、その道は完全に閉ざされています。
限られた条件の元で戦略を練って戦うのが苦にならなければ別段何の不都合も無い仕様なのですが、そうでない人にとっては窮屈と感じるでしょう。

あと、クリスタリウム自体、ちょっとバランスが変です。
クリスタリウムはキャラごとに構造が微妙に異なっています。
(キャラAは「レイズ」を早くから覚えるけど、キャラBはなかなか覚えられない、みたいな)
でも、普通に成長させて行くと、最終的にどのキャラも皆同じスキルを使えるようになってしまうんですよね。
それなのに、HPや攻撃力などには、妙なバラツキがある・・・
どうせ同じスキルを使えるんなら、ステータスの優れたキャラの方を使いたいに決まってるじゃないですか。
ステータスにバラツキがあり、使えるスキルにも差があってこそ、6人の個性を生かせるのだと思うのですが。

1人のキャラがたくさんスキルを覚えても、このバトルシステムではあまり良いことは無いです。(特にサポート系スキル)
オートで選び出されるスキルの優先順位の判定が甘いのか、どーでも良いスキルを先に使って、本当に使って欲しいスキルをなかなか使ってくれなかったりするので。

個々のキャラの使えるスキルは少なくても、バトル中に6人のキャラを自由に入れ替えながら戦えるようにしてくれた方が、個人的には嬉しかったです。
それか、習得したスキルのうち、使うスキルと使わないスキルのオンオフが切り替えられるとか、優先順位を大まかで良いからプレイヤーが指定できるとか・・・
あともう一工夫あれば、バトルはさらに面白くなっていたと思います。
 
 
「難易度は高い」と書いたけど・・・なんていうか・・・う〜ん、なんか変なんですよね。

ボサーッとしていると雑魚相手に全滅したりするくせに、バトル後に全回復してるとか、さらに慣れて来るとプレイヤーが細かな操作を挟む余地が無いことに気付くとか、難易度高いのか低いのかよく分かりません。

今作のバトルは、アクション性は無いのに躍動感を感じることができます。
この点は、評価できます。
FFのバトルにアクション性を取り入れると大ブーイングが起きそうですが、これならアクションものが苦手なプレイヤーでも大丈夫なはず。

あらゆる層のプレイヤーに無理なくプレイしてもらうために落としどころを探って行ったら、こういうカタチのバトルになった、ということでしょうかね。

私は、まぁ、嫌いじゃないです。
もう少し、プレイヤーが関与する余地があった方が良かったなとは思うけど。
 
 
他に何があるかと言うと・・・あまり無いんだけど・・・強いて言えば、「ミッション」と「改造」?

「ミッション」は、このゲームの唯一の寄り道要素。
何処かに行ってターゲットを倒すというパターンのものばかりだし、似たような敵ばかりだし。
でも、楽しいです。
なんで、本編にこういう方式を取り入れなかったんだろうかと、首を傾げてしまいます。
(そうしたらそうしたで、「おつかい」ばっかりと叩かれるんだろうな)

「改造」は・・・
改造用アイテムを注ぎ込んでワンランク上の物にして行くだけなので、あんまり面白みは無いです。
まったくガイドラインが無いのもの不親切。
 
 
次回は、総合編をお送りします。
もういいって?
まぁ、そう言わずに、おつきあいください。
 
 

 
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