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「九龍妖魔學園紀 re:charge」の感想

遊び終えたゲームは、一応、レビュー的なものを書いておかないとね。
だいぶ時間が経ってしまったし、早いとこ書かないと忘れてしまう〜〜〜!
 
・・・ということで、どうぞ。
ちなみに、ネタバレはありません。
 
 
オリジナル版が発売されたのは2004年・・・ということで、システム的に若干の古くささは感じるものの、濃いキャラ&濃すぎるストーリーと盛りだくさんな内容で、たっぷりと楽しむことが出来ました。

主人公(名前変更可・性別固定)は秘宝を求めて世界の遺跡を巡るトレジャーハンター。
高校生の彼が協会からの指令を帯びてやって来たのは、東京は新宿のど真ん中にある全寮制の学園。
絶大な権力をもって学園を支配する生徒会。
学園の敷地には何故か墓場があって、その地下には化け物の徘徊する巨大な遺跡が眠っている・・・
いきなり怪しさ炸裂な雰囲気のうえ、のっけから奇人変人が出るわ、出るわ。
ストーリーは日本の神話を絡めたトンデモSF。
よくあるっちゃぁ、よくある話だけれど、好き嫌いは大きく分かれるでしょうね。
 
 
このゲームの最大の特徴は、アドベンチャーパートとRPGパートの二部構成だということ。

各章に分けられたストーリーは、まずアドベンチャーパートからスタート。
表向きは平凡な学園生活を送る主人公の前に、様々な人物が現れ、物語が展開して行きます。

アドベンチャーパート中に、主人公は(無視するを含めて)9通りの反応(概ね喜怒哀楽)を返すことが出来ます。
これにより、相手の主人公に対する印象が変わり、新たなイベントが発生するフラグになったり、貴重なアイテムをもらえたり、「遺跡探索」に同行してもらえるバディ(仲間)になってくれたりします。

主人公の姿形は見えず、喋ることも無い。
にもかかわらず、存在感はバッチリある。

この「感情入力」というシステムのおかげで、プレイヤーなりの主人公像を描きやすく、親近感も抱きやすくなっているのですね。
よく出来たシステムです。
主人公の性別を変更できたらなぁ・・・と、思わずにはいられません。
主人公の性別によって相手の反応が違ったりしたら、もっと楽しかったかも。
 
 
アドベンチャーパートで起きた事件を解決するため、夜になると主人公は遺跡へと向かいます。
ここからは、完全にRPGです。
敵と戦いつつ、ちょっとしたパズルを解いたり、アイテムを使ったりして仕掛けを解きながら、遺跡の奥へ奥へと進んで行って、ボス戦
・・・という流れ。

バトルはターン制で、移動と行動(攻撃・アイテム使用等)で共通のポイントを使用しながら進めて行きます。
移動にポイントを使い過ぎると、
敵の目の前まで行って何も出来なかったあげく、集中攻撃喰らって死んだ!
・・・なんてこともあるので、限られたポイントをどう割り振るべきか頭を使わなければなりません。
グイグイ前に出りゃ良いってもんじゃないんだな、ウン。

コツを掴めばどうということは無いけれど、力押しで切り抜けられるほど甘くもなく。
そのへんのバランスは絶妙と言えるでしょう。
ただ、まぁ、敵の配置がマップごとに全部固定ってのはいただけないかな。
何度も潜っているうちに、いい加減飽きます。(しかも、必然的に何度も潜らざるを得ない)
 
 
バトルをこなすことにより、放っておいても主人公はレベルアップして基礎能力は上がって行きます。
他に2種類のポイントも獲得していて、このポイントを割り振ることで、特定の能力を成長させて行くことが出来ます。
「近接戦はイマイチだけど銃撃戦には強いぜ!」とか「攻撃は最大の防御なり!とばかりにやたらと攻撃力だけ上げちゃう」とか、自分のプレイスタイルに合ったキャラに育てて行くことが可能です。

ステータス画面が「成績表」ってのも楽しくて。
化学の成績が上がると爆発物の取り扱いが上手くなるとか、英語の成績が上がると何故か通販で買える商品が増えるとか
・・・笑っちゃいます。
そのへんのスキルアップも、無計画にやっていると遺跡攻略に支障を来す場合もあり・・・そこが面白い点でもあり困った点でもあります。

バディは、一緒に連れて行くだけで主人公の能力値に変化があったり、バトル中に使えるスキルがあったり。
能力値の変動も、いかにもそのキャラっぽい項目が増減するところが芸が細かいですね。
(たとえば大食漢のキャラを連れて行くと、HPは増えるけどジャンプ力が落ちる、とか)
 
 
本編とは別に「クエスト」というサブ要素があって、これがまた面白い。
怪しげな依頼人が怪しげな品物を欲しがっていて、該当の品物を渡すことで報酬を得られます。
無視しても構いませんが、特定のキャラをバディにするのに必要なアイテムが手に入ったり、だいたいお金はこのクエストでしか稼げなかったりするので、これをスルーして本編を進めるのは至難の業かと。
私は本編そっちのけでクエスト三昧でしたが。

アイテムの合成も楽しいです。
拾って来たアイテムを組み合わせて「カツ丼」から「バクダン」まで作っちゃうんだもの、この主人公クン。
 
 
元々アドベンチャーゲームをあまり得意としない自分にとって、アドベンチャーパートの存在はかなりのネックであったのですが・・・
やっぱり、ちょっと鬱陶しかったです。
(だいたい、アドベンチャーパートの途中でセーブできないってのは、どうなの?)
バディにしたり特定のイベントを見たりするための条件が厳しすぎるキャラも居て、攻略本の助け無しにはとてもじゃないがやって行けません。
テキストを早送りすることも出来るので、幾分ストレスは軽減できたけれど、やっぱり複雑すぎるフラグ立てには閉口しました。
RPGパートの面白さがそれを補って余りあるものだったから、全体の評価としては高くなるのですが。
 
 
物語の舞台は全寮制の学園という閉じた世界。
授業があって、昼休みがあって、クラスメートが居て、職員室だの保健室だの・・・
遠い昔に高校生だったプレイヤーはノスタルジーをかき立てられること間違い無し。
逆に同世代のプレイヤーは、「等身大の主人公」として親近感を抱くことと思われます。
PS2の名作と言っても過言ではないでしょう。
PS2が無事に動いているうちに是非手に取っていただきたい1本です。
オリジナル版に追加要素と若干の改良を加えた「re:charge」の方がオススメ。

   
 
 
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