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少年メリケンサック

無いです!中身!嘘です!!!

かんなはメジャーレコード会社に勤める、契約切れ寸前の契約社員。
担当は新人の発掘。
ネットでパンクバンド「少年メリケンサック」のライブ映像を発見し、「これだ!」と食いつく。
でも、それは25年前の映像で、メジャー契約の交渉に向かったかんなの前に現れたのは薄汚い50歳過ぎのオヤジ。
自分の痛恨のミスに落胆するかんな。
しかし、先走った社長のせいで前評判だけが一人歩きし、少年メリケンサックの全国ツアーが決定してしまう・・・
どうする、かんな?
だいたい、パンクなんて好きじゃない。っつーか、ぜんぜん分かんないのに!
 
 
基本、オヤジたちとかんながギャーギャー喚きあってるのがメイン。
「パンクとは何か?」なんて問いかけてくる訳でもなく、オヤジたちのカッコいい生き様が描き出される訳でもなく、感動的に盛り上がっちゃう訳でもない。
最初から最後までドタバタですよ。
クドカンですからね。
クドカン流のえぐいジョークが苦手な人は目を背けたくなるでしょう。
いつものクドカンに比べたら、かなりヌルい方だとアタシは思いましたが。

アタシは笑いました。
腹筋痛くなるくらい、笑いました。
でも、一度でもいいからバンド組んだことのある人でないと、この面白さは理解できないかもなぁ、と、笑い転げながら思ってました。
 
 
ライブをキャセルしたら違約金取られるし・・・っつーことで、25年ぶりにライブを行うことになった少年メリケンサック。

やる気満々のメンバー(若干1名冷静)だったけれど
ライブ中の事故が原因で呂律が回らなくなってるボーカルのジミーは、元々滑舌が悪くて何歌ってんだか分からなかった(だいたいパンクバンドのボーカルなんてそんなもんだ)から、まあ良いとしても
誰1人としてまともな演奏が出来なくなってる・・・
パンクバンドは「下手」と相場は決まっているが、ものには限度というものが有ります。最低限クリアしなければならないラインは有ります。
現在の少年メリケンサックは文化祭にも出してもらえないレベル。嗚呼。

そんな状態で決行したライブで、バンドのメンバーは若い客たちに笑いものにされます。
今時、そんなライブしたら、すぐにネットで評判が広まって誰も客なんか来なくなりそうなものだけれど、なぜか次の会場にもちゃんと客は入るんだな。
そうやって罵倒されながらも演奏を繰り返すうちに、オヤジたちのパンク魂が再び燃え上がり、かんなのハートに火をつけ、やがて若者たちを熱狂させるまでに・・・

ファンタジーだ。

一応、ベースのアキオとギターのハルオ兄弟の確執とか、かんなとマサルのバカップルの恋の行方とか、伏線は色々有ります。
でも、そのへんは、けっきょくどう決着付いたのかハッキリ分かりません。
なんとなくモヤッとしたままで良いんでしょう。

汚くて、だらしなくて、下品でバカなオヤジたちが、だんだん可愛く見えて来ます。
そんなオヤジたちが、ひとたびステージに上がると・・・
あれれ、なんだか格好よく見える気が・・・???
たぶん、それだけでこの映画はオッケーなんだと思います。
 
 
けっきょくパンクって何なんだか、(リアルタイムではないにしろ)ピストルズもスターリンも聞いていたアタシにもよく分かりません。
ライブを見ている訳ではないですからね。
実際にライブハウスに足を運んで、バンドのパフォーマンスを体感しないと分からないんだと思います。
それも、言葉でどうこう説明できるものじゃなくて、誰かに説明してもらって分かるようなものでもない。
パンクなんてとっくの昔に死んでる今となっては、パンクを理解することなんて不可能でしょう。

25年前の少年メリケンサックの映像に若者たちが飛びついたのは、今の音楽がツマラナイからじゃないのか?
アキオはそう言います。

今の「パンク」はスタイルとしての「パンク」というだけで、本当の意味での「パンク」じゃない。
アタシにも、そのへんは、なんとなく分かります。

昔は大人たちに笑われ、今は若い者に笑われ、それで悔しくないのか?
4人のメンバーの中で誰よりも熱いパンク魂を持ち続けるアキオが言います。
この一言で、自分たちに諦めかけたメンバーが奮起し、少年メリケンサックは本当の意味で再生します。

これが、たぶん、本物のパンクなんだろうな・・・
何かに対する反発心がエネルギーとなって破壊的なパフォーマンスを生み出す。
大事なのはその「エネルギー」で、上っ面だけ真似しても、ダメ。
 
 
宮﨑あおいの弾けっぷりがすごいです。
「篤姫」で見せた威厳なんて微塵も無いです。
最初は、いくら何でもテンション高過ぎでは?と引き気味だったのですが、じきに慣れてしまい、このテンションでなければオヤジ4人衆と真っ向勝負できないわ・・・と、思うようになりました。

「トシくってもパンク」な男の悲哀。
そして、滑稽さ。
でも、ちょっと待て、なんかカッコいいかもしれない?
オッサンたちのそんな微妙な魅力を、4人のオジサンたちが好演しています。
最高です。

脇を固めるキャラも濃いのばっかり・・・
どう考えてもあの人がモデルとしか思えないTELYAなんて、爆笑もの。
 
 
若造どもに、この映画の本当の良さは分かるまい。
中年よ、立ち上がって、拳を振り上げろ。

クドカンテイストは抑えめなので、クドカンフリークには物足りないかもしれませんが、昔、シド&ナンシーだったオヤジ&オバサンは必見でしょう。
 
 
 
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