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「葛葉ライドウ対超力兵団」 レビューみたいなもの

(注)「超力兵団」ですよ。「アバドン王」ではないですよ。

このゲームは、デビルサマナーシリーズをどれだけ愛しているかによって、大きく評価が分かれるんだろうなぁ・・・と思います。
確かに、タイトルにシリーズ名が入っていると、ついつい前の作品群と比べてアレコレ言いたくなってしまうものですが、それって初めてそのシリーズの作品に触れる人にとってはぜんぜん関係のないこと。
で、私の場合、デビルサマナーは初体験。
この「超力兵団」はあまりにも酷い言われような感想が多かったので、一体、どんな代物なんだろうと不安いっぱいで始めたのですが、いざフタを開けてみれば、いたって普通。
アクションRPGでこの程度だったら、むしろ出来は良い方なんじゃない?と、思いました。
細かいところを突けば、色々不平不満は出て来ますが。

ンでは、細かいところを突いて行きましょうか。
 
 
「対超力兵団」というタイトルやパッケージのデザインは、大昔の少年誌や映画のチラシを彷彿とさせる雰囲気。
作り手の一貫したポリシーと茶目っ気を感じさせます。
これを「レトロでお洒落」と受け入れるか、「古くさくてダサイ」と却下するかは、手に取った人の年齢、センス、価値観によって違って来るでしょう。
私は好きです。
 
 
物語の舞台は大正時代の日本。
西洋の文化がドッと押し寄せ、日本の文化と混在している街並&風俗。
史実にある通りの混沌とした世界情勢。
それと、洋の東西を問わず神様も妖怪も天使も妖精も全部ひっくるめて「悪魔」にしてしまっているゴッタ煮感漂うこのシリーズの世界観とは、とても相性が良いと思います。

そんな舞台に颯爽と登場するのが、詰め襟に黒マントを羽織った色白の美少年・葛葉ライドウ。
本編中一切口をきかず、表情さえも変わらない、そのストイックさが、このゲームの雰囲気にピッタリです。
たぶん、ボイス入りでベラベラ喋っていたら、ぶち壊し。

ストーリーは、う〜ん・・・全体的な雰囲気は良い感じ出てるんだけど
特にこれと言って深みもなく、ダーーーッと事態が進行していくだけ。
神話をモチーフにしたオカルティックな話しかと思っていたら、途中からSF方向にぶっ飛んで行ってしまって、かなり強引な展開に思えました。
でも、この「真面目な顔して平然とハチャメチャなことをやってのけるストーリー展開」も、パッケージのデザイン同様、作り手の「茶目っ気」なのかも。
そう考えると、このオハナシも、これはこれで有りなのかな、と。
 
 
次は、システム的なこと。

このゲームの最大の特徴はライドウをサポートする悪魔たち。
エンカウントした悪魔をある程度弱らせ、ライドウの持っている管に封じ込めることで、「仲魔」として使役できるようになります。

悪魔は、可愛いのからゴッツイの、妖艶なお姉様やおばちゃんに爺さん、いくらなんでもグロ過ぎなの等、個性豊か。
本編のボリュームを考えると、数もこの程度でちょうど良いかと。
一度に連れ歩ける仲魔の数にも限りがあって、あまり多くても使いこなせないですから。

また、育てた仲魔どうしを「悪魔合体」すると、新たな悪魔を作ることが出来ます。
この時、合体させた仲魔の持っているスキルの一部を新たに生まれる悪魔に継承させることが出来るので、見た目が同じでも性能の異なる悪魔を手に入れられます。

この「悪魔合体」が、ハマると楽しいです。
というか、この「悪魔合体」がこのゲームのメイン要素であると言っても過言ではないので、これを煩わしいと感じる人はそもそもこのゲームに向いていないのでしょう。

仲魔はバトルで使用するスキルと、移動中に使用するスキルを所持しています。
仲魔のスキルを駆使しなければ先に進めない箇所もあり、仲魔をバランス良く揃えて行く必要があります。
このへんの面倒臭さも、程々のストレスで好感が持てます。
(だって、ほら、ゲームやってて何の手応えも無くスルスル先に進めちゃうのって、それはそれでつまらなくないですか?)
ただ、スキルが必要な場所に立って、該当のスキルを持っている仲魔を召喚するまで、どのスキルが必要なのか分からないのは、いくらなんでも不親切だと思いますが。

バトルはコマンド入力形式ではなく、アクション形式。
プレイヤーは主人公ライドウを操り、バトルフィールドを縦横無尽に動き回り、刀で斬りつけ、時に銃撃したりします。
それなのに動きが遅い。
(バトルフィールドだけでなく移動中も、全般にライドウの走る速度が遅いのです)
そのせいで敵の攻撃を避けきれなかったことが多々あります。
(私の操作がヘボいせいだけではないと思う)

おまけに、ガードは出来るが、回避アクションは無いと来た。
どうしろって言うんですか、それでなくてもトロいのに。

攻撃面では、多彩な刀攻撃や、仲魔と力を合わせて繰り出す強力な合体技、敵の弱点を突き有利な状況を作るなど、様々な工夫が為されていて楽しいのに、防御面については片手落ちな気がします。
まぁ、バトルの難易度はかなり低いんで、それでも何とかなってしまうのですがね。

バトル中に呼び出せる仲魔は1体。
基本、仲魔は勝手に行動しています。

ライドウは仲魔に指示を出すことも出来ますが、これがかなり大雑把。
魔法攻撃をするよう指示してそのまま放置しておくと、必要も無いのに技を使いまくって、肝心な時にMP切れを起こし、ただの木偶の坊になっていたりします。

かといって、敵と大立ち回りを演じながら、いちいち動きを止めて仲魔に指示を出すのも・・・
バトルの流れがそこでブチッと途切れ、爽快感を損なう要因になってしまいます。

なんだかコマンド入力式とアクション式の中間のような、中途半端なバトルになっています。
まぁ、それも、慣れて来ると気にならなくなりますが、もう少し仲魔が頭良かったらなぁ・・・と感じることが何度もありました。
 
 
デビルサマナーシリーズ愛好家の方々には色々ありましょうが、私個人としては概ね満足。
「概ね」というのは、若干ボリューム不足な気がしたから。
本編はそれほど長くはないし、やり込み要素的なものもあまり無くって。

1回クリアすると鬼難易度の上級モードにチャレンジできるようになりますが、これがまた、とんでもなくハードです。
私は活動拠点からホンの数歩進んだだけで撃沈しました。
このモードでクリアできた人は挙手をお願いしたいですよ、ホントに。

まだまだ改良の余地はありますが、アクションものが苦手なプレイヤーにも十分に対応できる難易度に抑えつつ、アクションものとしてもそれなりの水準には達していると思います。
大正時代という舞台設定とオカルティックな雰囲気が嫌いでなければ、手に取ってみる価値はあるかと。
 
 
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