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ワイルドアームズ2ndイグニッション

忘れた頃に飛び出すゲームレビュー。
取り上げるタイトルも気分次第。
たまたま今日、ここを訪れたアナタは運がいい・・かも。
 
 
ワイルドアームズといえば、「荒野」「銃声」「口笛」
剣と魔法とドラゴンの西洋ファンタジー的RPGとは一線を画す、独特の雰囲気を持ったRPGです。

「ワイルドアームズ 2ndイグニッション」(以下WA2)は、そのワイルドアームズのシリーズ第2弾として、1999年に発売されました。

西部劇とファンタジーとSFと特撮怪獣もの(?!)が渾然一体となった妙な世界観なのですが、なぜだか違和感なく馴染んでしまうのが不思議。
好き嫌いは、大きく分かれるかも知れませんがね。
 
 
[物語]

英雄に憧れる兵士・アシュレー君が、偶然、正体不明の強大な力を取り込んでしまったことから物語は動き出します。
果てしなく平凡なアシュレーと行動を共にすることになったのは、落ちこぼれ不思議魔女っ子のリルカと、革命の英雄にして死刑囚のブラッドという極めて非凡な2人。
ご近所トラブルの解決から対テロリスト戦へと発展し、最終的には世界を破滅の危機から救ってしまう
・・・というRPGの王道的な流れを見せますが、さっきも書いたように世界観が妙チクリンなため、新鮮に映ります。

よくありがちな、
街を転々としながら適当なエピソードを積み重ね、各所に配置した適当なボスを倒しながら、どうにかラスボスまで繋げました!
みたいな、薄っぺらいのとはワケが違う。

1つ1つのエピソードが丁寧に練られています。
主要キャラそれぞれの背景や心情がしっかり描かれているし、それらが上手くストーリの中に組み込まれてもいて、実に良く出来たシナリオだと思います。
主要メンバー以外のキャラも個性的(中には世界観を破壊する勢いの強烈なのもいるトカ)で、それぞれにドラマを抱えていたりして、奥が深いです。

メインテーマは「英雄」

英雄にあこがれを抱く青年が、戦いの中で悩みながら「英雄とは何か?」を考え、「戦う意味」を見いだして行きます。
実は、アシュレーだけでなく、ほとんどの主要人物が何らかのカタチで「英雄」に絡んでいるんですよね、「英雄」を否定している話しのくせに。

鬱陶しいくらいにウジウジしたり、無駄に暑っ苦しいのを不快に感じる人も居るかもしれません。
でも、その鬱陶しさや暑っ苦しさこそが「ワイルドアームズ」だと、私は思うのですよ、ウン。

話しが深刻な割には、演出がおかしかったり妙なキャラが出て来たりして、下手すればウザくなりそうなところを、かろうじて踏みとどまっている。
そんなギリギリの危うさが、なんか、好き。
 
 
[システムいろいろ]

*迷子迷子ッ!
このゲームって、次の目的地がマップに表示されないんですよ。
大まかな場所は教えてくれるので、近くまで行って「サーチ」して、初めてポイントが出現します。
情報を入手しておかないと、いくらサーチしても出て来ない場所もあるので、町中の人に片っ端から話しかけて情報を仕入れたり。
その情報が会話の中で1回しか出て来ない場合もあって、うっかり読み飛ばすと、さぁ大変。
どこに行けば良いんだか分からなくなっちゃいます。
会話中も気を抜けませんよ。

実際、私はとある街にちっとも辿り着けなくて、砂漠を延々3時間歩き回りました。
荒野をさまよい歩く気分は、たっぷり味わえましたけどね・・・
 
 
*謎解き謎解きッ!
このゲームでは、仕込まれた仕掛けを解きながらダンジョンを進んで行きます。
謎解きは、パズルや、ちょっと素早い操作を要求されるものや、操作キャラが所有している「グッズ」という道具を使って解くものなど、いろいろあります。
この謎解きが、異様に手強い。
一応、ヒントはあるのですが、ほとんど意味不明だったり。

仕掛けを解かないと先に進めないため、1つのフロアで30分立ち往生・・・なんてのは、ザラです。
少し悩まされる程度の「謎解き」なら、バトルばかりで単調になりがちなゲーム進行のちょうど良いスパイスになるんですけど、ゲーム進行を危うくするほどの「謎解き」は、ちょっとね・・・

ワイルドアームズ初心者は、攻略本や攻略サイトの助け無しには、ちと厳しいかも知れません。
 
 
*バトルバトルッ!

オーソドックスなターン制バトルです。

最終的に仲間になるのは6名。
前衛に置いた3名がバトルに参加し、後衛の3名とはバトル中に交代できます。
キャラごとの特性がハッキリしているし、使えるアビリティも違うので、何時どこで誰を前に出すか・・・長期戦になりがちなボス戦では、いろいろな戦略を立てられて楽しいです。

ターン制バトルの難点は、一度行動を決定してしまうと変更が利かないこと。
魔法攻撃が無効なのを知らずに全員に魔法攻撃の指示を出してしまって、1ターンまるっと無駄にする・・・くらいならまだ良いけど、とんでもないピンチを招いてしまう・・・なんてこと、ありますよね。
このゲームでは、一応、行動をキャンセルして指示し直すことが出来ます。
ただ、ノーリスクというわけではないので、よほどヤバい時でないと出来ませんがね。

「WA」シリーズ共通の特徴の1つに、バトル突入前にバトルをキャンセルできることがあげられます。
エンカウントした瞬間にサインが出るので、そこでポチッとボタンを押すとバトルには突入しません。
あまりバトルに気を取られすに、安心して探索が行えます。
ただ、こちらもノーリスクというわけではなくて、むやみにキャンセルし続けるとどんどんエンカウント率が上がって行きます。
それでも、まぁ、3回に1回くらい戦っていれば、問題ないのではないかと思います。
 
 
*その他モロモロッ!
音楽が良いのはね、もう、誰もが認めるところでしょう。
世界観にマッチした名曲ぞろいです。
さすがに最近は聞かなくなったけど、当時はよくテレビ番組の中でこのゲームの曲が使われているのを耳にしましたっけ。

世界観と言えば・・・
このゲーム、回復アイテムが店で売っていないのですよ。
回復アイテムがフルーツっぽい物で、この世界は荒廃が進んでいて植物があまり育たない・・・という設定なので。
このへんの徹底ぶりは、とても良いと思います。
プレイヤーにとっては(特に序盤は)、キビシイものがありますが。

さらに世界観と言えば・・・
どことなく、戦隊ものや特撮もののニオイがします。
ボスが登場する時の演出なんてモロにあれだし、ゲームをロードするたびにオープニングムービー(主題歌付き)が流れてしまうのも、なんだかアニメみたいだしね。
オーバーサーティの諸兄諸姉は、そこかしこで懐かしさを覚えるやも知れません。
  
 
例によって、「WA2」にも極悪隠しボスが大量に仕込まれております。
中でも最強との呼び声高いラギュ・オ・ラギュラさんには、ワタクシ、キャラ全員を限界まで育て上げてもホンの数ターンで粉砕されましたわ。
ショックのあまり、それ以来、このゲームに触っていませんの。
久々に、再プレイしようかしらッ。

PSのソフトですが、ゲームアーカイブスでも購入できます。
グラフィック的には、さすがにちょっと難ありですのでPSPででもプレイするとよろしいのではないでしょうか。

「WA4」や「WA5」で初めてワイルドアームズの世界に触れた人には、ぜひ一度は遊んでみて欲しいですね。
 
 
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