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ダーククロニクル

ゲーマー心を熱く刺激する、やりこみ要素が満載。
とにかく、やることが多いです。
あまりにもやることが多いせいで誤摩化されているけれど、実は本編はかなり薄かったりします。
ゲームに盛り込まれた要素はどれも質が良いのに、ストーリーだけはどうしようもなくレベルが低いのが難点という・・・ちょっと残念なRPG。

発売は2002年 SCE / 制作はレベル5
 
 
*ストーリー
自分を残して姿を消してしまった母親を捜す少年・ユリス。
重大な使命を帯びて100年先の未来からやって来た少女・モニカ。
この2人が出会い、世界を破滅の危機から救うための冒険に出発する・・・

小学生でも理解できる単純なお話しですが、大人の目で見ると強引で幼稚。まったく物足りません。
でも、それは、まあいいです。
簡単で分かりやすいストーリー。
別に悪くないです。
難解で壮大な物語が必ずしも「面白い」とは限らないし、必ずしもゲームに必要かと言えばそうでも無いし。
でも、展開も少なすぎるんですよ。
クリア後のオマケを除くと全部で7章。
時を駆け、世界を未曾有の危機から救うという壮大な話なのにエピソードが7つしか無い。
各エピソードの内容も薄い。
そのくせ、各章をクリアするのに異様に時間がかかるため、遊んでいるうちに本編の内容を忘れてしまいそうになります。
以前にこのブログでも紹介した「俺の屍を越えてゆけ」はストーリーをばっさりと切り捨てたRPGで、あれはあれで成功しています。必ずしも重厚なストーリーが必要とは限らないと書いたのは、この成功例があるから。
でも、「ダーククロニクル」は薄いストーリーのくせに妙に説教臭かったり、感動させようと躍起になっているのが見え見えだったりして、大人には正直言って鬱陶しいのです。

そういうわけで、私は物語を完全に無視してこのゲームを楽しむことにしました。


*ゲームの流れ
このゲームの目的は、ユリスの時代にあるポイントに町を作り、消されてしまった未来の町を正しい形に戻すこと。
ユリスとモニカは現在と未来を行ったり来たりして、町を作り上げて行きます。

町を復活させるためには、まずダンジョンに行ってバトルをこなします。
ダンジョンは自動生成される(よって、入るたびに形が変わる)複数のフロアで構成されており、フロアを進むにつれ、町を作る際の条件が判明したり、作れるパーツ(建物など)の種類も増えて行きます。

徐々に町が出来上がって行くと未来の様子も変わり、イベントが起こって新たな目的が与えられます。
こうして、元凶である「敵」に次第に近づいて行きます。
 
 
*バトル
バトルはアクション系ですが、それほど難しい操作は必要ありません。
攻撃とガードが出来れば、問題ないです。
戦えるのはどちらか一人。
状況に応じて、ユリスとモニカを切り替えて戦って行きます。

特徴的なのは、右手と左手に別々の武器を装備できる点。
右手には打撃系武器(ユリスは工具!、モニカは剣)、左手には飛び道具系(ユリスは銃、モニカは魔法)が装備できます。
こちらも、敵によって左右を切り替えて戦います。

また、ユリスはロボットに乗り込むことが出来たり、モニカはモンスターに変身できたりするので、このあたりも上手に使いこなしていけば、バトルを優位に進めることが出来ます。

ユリスとモニカのどちらか一方しか使えない局面もあるため、偏った戦い方をしていると先に進めなくなる可能性もあり。
くれぐれも、ひいきしないで均等に育ててあげましょう。
 
 
*鍛えよ、武器!
「育ててあげましょう」とか書いたけれど、このゲームにはキャラのレベルアップの概念はありません。
育てるのは「武器」です。(防御力の方は特定のアイテムを入手することにより強化できますが)
敵にトドメを刺した時にもらえるポイントを集め、武器のパワーアップ用アイテムを合成することで、武器をどんどん強くして行きます。
単に強化されるだけでなく、特定の条件を満たすと新たな武器に生まれ変わります。
ストーリーを進めると、ダンジョンの宝箱に入っていたり、簡単にお店で買えたりする武器もありますが、自分で鍛え上げて来た武器の方が同じ名前でも断然強力です。

ユリスもモニカも、かなりの種類の武器が用意されています。
このゲームのメインは武器のビルドアップなんじゃないかっていうくらい、ボリュームたっぷりで、しかも面白い。
鍛えた武器はちゃんと実戦で役立ちますから、苦労のしがいもあります。
装備した時の見た目も変わるので、さらに楽しいです。

全部の武器を手に入れようとすると、時間はメチャメチャかかりますが、根性のある人は頑張ってコンプリートしてみてください。
 
 
*ジオラマ
物語を進めるうえで重要な鍵となっているのが、ジオラマ。
ダンジョンに行って、町を作るための材料と満たすべき条件を入手して来ます。
建物を配置し、必要があればそこに人を住まわせます。
ジオラマを作って行くのは楽しいのだけれど、目指すべき最終形は決まっているので、あまり自由度はありません。
それに、ジオラマは各章に1つ。
だだっ広い荒野に、ポツンポツンと建物が点在するだけの、実に殺風景な「町」が出来上がるだけ。
狭くても良いから、凝った町づくりが楽しめたら、もっと面白かったのに。
 
 
*釣りとスフィーダ
ゲームを進めると出来るようになる、いわゆるミニゲーム。
これが、ミニゲームと呼ぶにはもったいないほど出来が良いです。

釣った魚はその場で焼いて食っちゃっても良し、水槽に入れて大事に飼うのも良し。
魚を育ててレースに出し、貴重な賞品をゲットすることも出来ます。
世界の崩壊など気にせず、の〜んびりと釣り糸を垂れ、魚の育成にうつつを抜かすのも一興かと。

スフィーダは、ゴルフみたいなものです。
各フロアに1ホール用意されていますが、そのフロアの敵を全滅させないと出来ないため、スフィーダをやりたい一心で必死で敵を倒している自分が居たりします。
 
 
*まだまだあるよ、やりこみ要素
ダンジョン内の各フロアには、それぞれ課題が設定されています。
例えば「モニカの魔法だけでクリアしなさい」とか、「回復しないでクリアしなさい」とか。

無視してもストーリー進行上は何の問題もありませんが、課題をクリアすることにより、それなりのご褒美がもらえます。
それよりなにより、その空欄がゲーマー魂を揺さぶるのです。
意地でも、全部埋めたくなるのです。
私は根性無しなので、全部埋められませんでしたが。

他にも、まだまだ・・・
ユリスはカメラを所持しており、世界中の至る所で写真を撮りまくります。
ボスと戦っている最中も、二度と無いシャッターチャンスを逃すことの無いよう、カメラは手放しません。
貴重な写真は「スクープ」として讃えられ、それなりのご褒美をもらえます。

さらに、撮った写真を元に、天才ユリス少年は「発明」も行います。
自分が乗り込むロボットの強化パーツや、回復アイテムなどまで作ってしまいます。
「発明」でしか手に入らない物もあるので、写真を撮りまくって、発明のネタを集めるのを怠るわけにはいきません。

それに仲間集めもしなきゃならないし・・・
物語の重要な鍵を握る人物から、そうでもない人まで、仲間になってくれる人はたくさん居ます。
戦えるのはユリスとモニカの2人だけですが、一緒に連れて行くとちょっとお得な人も居ますし、便利な施設が出来たりする場合もあるので、少々面倒でも願いを聞いてあげて仲間に引き入れたいところです。
 
 
そんな調子で、とにかく、やらなければならないことがたくさんあります。

特に、武器を鍛えないことには、オハナシになりません。
新しい章に突入すると、たいてい入り口付近のフロアでズタボロにされ、1つ前のダンジョンに引きこもって武器を鍛えてからでないと先に進めないという状況に陥ります。

鍛えなければならない武器は、ユリスとモニカにそれぞれ2つずつ。
おまけに、1ランク上の武器に鍛え上げるには、かなりの回数のバトルをこなす必要があります。
そのため、ストーリーを進めるのに異様に時間がかかってしまうのです。
ンで、必死に武器を鍛えている間に、本来自分がすべきだった事を忘れてしまうという・・・

また、各章のダンジョンも無駄にフロア数が多いです。(特に、後半がしんどい)
章を細かくして、ダンジョンを浅めにしてくれた方が良かったのに。

エンディングまで、長期戦は必至。
忙しい大人には、とっても辛いゲームです。
 
 
重厚なストーリーにどっぷりと浸りたい。
キャラに感情移入できないと攻略意欲も湧かない。
そんな人には、このゲームは向いていないと思います。

ただ、ストーリー以外の部分の要素が非常に良く出来ているので、ストーリーはオマケ程度とみなせば、実に良作といえるでしょう。
ゲーマーが無視して素通りできないやりこみ要素がたんまりと仕込まれていて、それだけで充分に楽しめますから。


   
 
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