ゼルダの伝説 夢幻の砂時計 (クリア後感想)
[おはなし]
テトラやその子分たちと一緒に、大海原の冒険を呑気に続けていたリンク。
ところが、リンクたちの乗った船の前に最近ウワサになっている幽霊船が現れ、威勢良く先頭切って乗り込んで行ったテトラの身に何かが起こり、テトラを乗せたまま幽霊船は姿を消してしまいます。
そして、テトラを追って幽霊船に飛び移ろうとしたリンクは海に落下。
気付いたところは、見知らぬ島でした。
そこで出会った精霊や、不思議なじいちゃんのアドバイスを受け、テトラを救うことを心に誓うリンク。
勇者リンクの新たな冒険が始まる。
・・・というわけで、ゲームキューブで発売された「風のタクト」の続編ということになっています、一応。
でも、共通して出て来るメインキャラといったらリンクとテトラぐらいですし、直接的な話しの繋がりはありません。
「風のタクト」をやっていた方が多少キャラへの愛着がわきやすいかな?という程度で、やっていなくても何の問題もないでしょう。
ただ、絵柄がね。
「風のタクト」に連なる物語ということで、当時さんざん物議をかもした「猫目リンク」です。
猫目リンクの方が好きな変わり者の自分は、このリンクがカワイクってどうしようもないんですが、苦手な人もいるかもしれませんね。
「風のタクト」同様、今回も海を船で移動し、いくつもの島々を渡りながらの冒険となります。
リンクの行く先々で出会う人々は、実に個性豊か。
特に、今回、いい味を出していたのが、リンクがお世話になる海賊船の船長、ラインバック。
(どうも、今や世界一の知名度を誇る、カリブ海を中心に出没する稀代の大海賊に似ているような気がするんですがね)
リンクを押し退けそうな勢いで、個性を発揮しまくってました。
物語に大きく絡む主要キャラのみならず、色んな島の住人たちも、航海中に出会う不思議な人たちも、ことごとく一癖、二癖ある濃いキャラばかり。
リンクを取り巻く人たちの、あの、すっとぼけた感じが良いのです。
[システム]
操作は、ほぼタッチペンのみ。
リンクを動かすのも、ブーメランを投げるのも、なにもかも。
タッチペンの操作に慣れていないと戸惑うかもしれませんが、すぐに慣れます。
むしろ、DSでこのゲームをやらせるのは、タッチペンが無いと不可能だったと思います。
DSの機能をフルに使った仕掛けは、さすがNintendoといったところ。
ペンで画面をこすったり、図形を描き込んだり、マイクを使ったりと、実に様々。
2画面の使い分けも秀逸です。
通常は上がマップ、下が実際にリンクが居るフィールドになっていますが、ボス戦などでは2画面ぶち抜きになったり、上画面がボス視点になっていたり。
それほど多くのDSソフトをプレイしたわけではありませんが、ここまで機能を(しかも上手く)生かし切った物に出会ったのは初めてかも知れません。
ゼルダといえば謎解きの手強さも特徴のひとつ。
今回も、迷宮に潜って、アイテムを駆使して仕掛けを動かしたり、謎を解いたりするのは変わりませんが、難易度は低めです。
ストーリーを進めるごとに、どんどん増えて行く「アイテム」も健在。
このアイテムも、タッチペンの操作により、簡単に扱えるようになりました。
ブーメランを投げるのにも苦労していた、これまでのゼルダとは大違い。
なんといっても、タッチペンで画面に描いた通りの軌道で、ブーメランが飛んで行くのですから。
私の一番のお気に入りは、ボムチュウですね。
指示通りにシュシュシュと走って行って、ドカンと爆発してスイッチを入れてくれる、可愛いヤツです。
「謎解き」そのものも比較的難易度を落としてあると感じたのですが、タッチペンによってアイテムの操作が簡単になったのが、その難易度低下の最大の要因だと思います。
これまでのシリーズをプレイして来た人には、手ぬるいと感じるかもしれません。
どの仕掛けにはどのアイテムを使えば良いのか、既に知っているだけでも随分有利ですからね。
でも、初めてゼルダをプレイする人は、それなりの手応えを感じると思います。
バトルに関しても、それほど凶悪な敵は出て来ません。
ボス戦は、そのダンジョン内で新たに入手したアイテムを駆使して戦うものがほとんど。
倒し方を見つけるまでは苦労するかもしれませんが、分かってしまえば、どいつもこいつも(ラスボスさえも)どうってこと無いです。
システム的に少し気になったのは、何処でもセーブできるのは良いんですが、いったん電源を落としたり、リンクが倒れたりすると、ダンジョンの入口に戻されてしまう点。
ボス戦で力尽きて倒れたりすると、また入口から最深部まで潜らなければならないのが面倒でした。
せめてボス戦で倒れた時くらいは、ボス戦の直前からやり直せるようにしてほしかったです。
[夢幻の砂時計が「砂時計」たる所以である、海王の神殿]
今回のゼルダの最大の特徴が、「海王の神殿」です。
このダンジョンは普通に歩き回っているとダメージを受けてしまうという凶悪なもの。
「時の砂」を入れた「砂時計」を持つことで、ダメージは受けなくなりますが、砂が全て下に落ちてしまうと、その効果は失われます。
要するに、時間制限付きダンジョンなんですね。
このダンジョンは、ゲーム序盤から終盤に至るまで、何度も何度も潜る羽目になります。
そして、回を追うごとに深く潜る必要が出て来ます。
でも、御心配なく。
時の砂はゲームを進めるに従い増えて行き、無傷で海王の神殿に潜っていられる時間も増えて行きますし、新たなアイテムを入手することで近道が出来たりするようにもなっていきます。
ただ、倒すことの出来ない敵や、時の砂を削って行くイヤラシイ敵なども出て来ますので、気は抜けませんが。
時間制限があったり、倒せない敵がウロついていたりするせいで、気になってゆっくり探索できない。
と、不満に感じる人も居るかもしれませんが、そういうスリルを味わうことも、今回のゼルダの「面白さ」のひとつと考えれば、さほど気にはなりません。
[まとめ]
ストーリーは一本道で、ワールドマップも狭く、島の数も少ない。
そのため、若干物足りなく感じました。
やり込み要素的なものが無いのも、不満です。
唯一のやり込み要素(?)といえるのが、海王の神殿のタイムアタックとは。
本編でさんざん潜った神殿に、まだ潜ってろと言うのか・・・
「風のタクト」のフィギュア集めとか、好きだったんだけどなぁ。面倒くさかったけど。
そういうわけで、いささかの物足りなさはありますが、本編は十分に楽しいです。
単純で分かりやすいストーリーは誰にでも受け入れられるでしょうし、テトラのために頑張るリンクが、とにかく可愛い。
とぼけた住人達とのやり取りを楽しみながら、謎解きに頭を使い、ボス戦でちょっと手こずったり、時には大海原で魚影を追いかけ釣りを楽しんでみたり。
ほんのりとした癒しと、ドキドキのスリル、程よい手応えの謎解きがバランス良くブレンドされた出来のいい1本です。
これまでのゼルダを遊び尽くしている人にはあえてオススメはしませんが、
ゼルダ未経験の人、
あるいは、これまでのゼルダで挫折してしまった人、
DSを買ってみたけど何か面白いソフトは無いかな?と迷っている人には、
ぜひ遊んでみてほしいです。
*自分は通信機能を使わなかったので、これに関してはノーコメントとさせていただきます。
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