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クライシスコア FINAL FANTASY VII クリア後感想

ネタバレは・・・気を付けて書いているので、たぶん大丈夫だと思います。
 
 
この「クライシスコア」は、ちょうど10年前に発売されたPSソフト「FINAL FANTASY VII」の、いわゆるスピンオフもの。
「FF VII」では、物語の重要な鍵を握る存在でありながら、ごくわずかしか登場しなかった謎の人物・ザックスを主人公に据え、「FF VII」のエピソードの数年前に起こった事件を発端にして、「FF VII」へと繋がって行くストーリーになっています。

オープニングで、「FF VII」そっくりのシチュエーションが出て来たのには、驚きとともに感動を覚えました。
(ずっと後になって、この場面を最初に持って来た意味を知って、また感動するのですが)
「FF VII」で見た景色が美しいグラフィックでよみがえり、あの時聞いたBGMがさりげなくアレンジを変えて流れて来ます。
「FF VII」が好きな人には、まさに感涙ものでしょう。
 
 
では、個別に語っていきます。
 
 
◆ゲームシステム(全般)
アクションRPGと銘打ってはいるけれど、それほど高度なアクションを要求される場面はありません。
むしろ、全般的に動きがもっさりしていて、アクションものに求めたいスピード感、爽快感は無し。

本編をクリアするだけなら10数時間もあれば十分。
ストーリーを楽しむことだけを望んでいる人には少し物足りないかも。
でも、やり込み要素はイヤというほど用意されているため、本気で遊び尽くそうとするとかなり長い時間楽しめます。

特筆すべきは、やはりD.M.Wという名のスロット。
バトル中に常にスロットが回転しています。
そして、絵柄が揃うと大技を繰り出したり、様々な効果が発生したり、ザックスやマテリアのレベルが上がったり・・・
なんでもかんでも運任せの、恐ろしいギャンブルシステムです。
でも、まぁ、それなりに目は揃いやすく出来ているようで、普通に戦っていればレベルアップはしていきいます。
逆にレベルの低い相手とばかり戦っていると、スロットが回る前にバトルが終了してしまうため、不必要にレベルが上がってしまうようなことも無く、良く出来たシステムといえるかもしれません。
マテリアの成長だけは、D.M.W頼みでは無い方が良かった気もしますが。

フィールド移動中にステータスとマップが表示されないのが、ゲームに慣れるまでは辛かったです。
瀕死状態なのに気付かず歩き回っていて、エンカウントして大いに焦ったり、バトルが終わるごとにマップを広げて方向を確認しないと、方向音痴の自分は逆走してしまったり。
美しいグラフィックを損なわないように、あえてそうしたのかもしれませんが、プレイする立場にしてみると、あまり快適とは言いがたく・・・
 
 
◆ゲームシステム(バトル時)
本編だけなら敵はさほど手強くないので、丸ボタン連打で最後まで押し通すことも可能です。
アクションものが苦手な人も挫折せず最後までプレイできる、敷居の低いゲームに仕上がっています。

自分が一番不満だったのがロックオン機能に関して。
このゲームは、ザックスの正面にいる敵に自動的にロックオンする仕組みになっています。
そのため、すぐ横に敵が居ても、ずーっと遠くの敵に向かってザックスがスタスタと走って行ってしまうという事態が頻繁に起こります。
対象を切り替えるには、ザックスを動かして向きを変える必要があり、これが結構面倒。
また、ロックオンした相手に対してコマンドを入力してしまうと行動のキャンセルが効かないのか、いくらザックスを振り向かせようとしても言うことを聞いてくれません。
ザックスを操作しているというより、こちらが振り回されてしまっている感じがしました。

また、コマンド選択をLRボタンで行わなければならないのも難点。
ケアルを掛けようとして盗みを働き、自分が使いたいアイテムを取り出すのにも四苦八苦する始末。
左手でザックスを動かしつつ、敵との位置関係を把握し、さらに右下の小さなコマンドアイコンを確認して技を選ぶなんて、無理。
どうしても動きが止まる。止まると削られる。そして焦って、意図したのと違うアクションを起こしてピンチを招く・・・
イラっと来ます。

細かいこと書いていますが、アクションRPGはバトルを繰り返して進んで行くゲームなので、こういう些細なことの積み重ねが全体の快適さにつながっていくと思い、あえて突ついてみました。
 
 
◆ミッションとマテリア合成
サブ的な要素として外せないのが、ミッションとマテリア合成。

ミッションでは、ちょっとした仕事を引き受けて、それなりの報酬をいただくことができます。
これが、本編をしのぐ大ボリューム。
全てをやり尽くすには膨大な時間と根気を要します。
ひとつひとつのミッションは数分で片付くものがほとんどで、外出先で遊ぶことも想定した携帯ゲーム機に最適のサブ要素といえるでしょう。
ですが、どれもこれも似たようなマップで、似たような敵ばかり。
楽しいイベントが用意されているものがあったり、ミッションでしか入手できないレアアイテムがあったり、強敵が潜んでいたりはするものの、飽きないといえばウソになります。
 
 
マテリア合成については、バトル自体が丸ボタン連打で押し通せてしまうため、あまりマテリアの重要性を実感できず、マテリア合成にも今ひとつ興味が湧きません。
実際、自分は1周めではまったく手をつけませんでした。
ところが2周めに入ってチョコチョコといじり始めたら、ハマる、ハマる。
ミッションをやり込もうとすると、だんだんマテリア合成で強化して行かないと対処できなくなって来ますし。
ただ、ヒントが何も無い状態で合成していくのは、楽しみでもありますが、面倒に思うプレイヤーも少なからず居ると思います。
目安になるリストくらいは、あっても良かったのでは。
 
 
◆ストーリー
とにかく、ザックスのキャラクターが良いです。(鈴村さんのボイスも良かった)
重く沈みがちなストーリーを、ザックスの明るさと精神的な強さでぐいぐい引っ張っていってくれます。

単に「FF VII」の関連作品という枠に収まらない、ザックスという1人の青年と彼を取り巻く男たちの熱くて切ない物語はなんと言っても感動的で大満足の出来・・・と言いたいところですが、あまりにも本編が短い。
そのくせ、年月ばかりは無闇に経過しています。
そのためか、エピソードがぶつ切り状態で繋がりが分かりにくく、終盤の時間経過など、少々不自然な部分もあります。
せっかく、ジェネシスとアンジールという、ザックスにもセフィロスにも深く関わることになるキャラを登場させているのに、彼らの描き方が物足りません。

前半部分の比重をもっと重くしても良かったのではないかと、私は思います。
大部分の人がこのゲームの後半部分に期待を持って購入したのではないかと思うのですが、肝心のその部分もFFVII本編の回想シーンと大差ない内容。
だったら、「クライシスコア」は、あくまでザックスの物語と割り切り、ザックスと3人のソルジャー・クラス1stの姿をじっくりと描くことに徹した方が、良いものが出来たような気がするのです。

「FF VII」と繋がっている。
それは良い点であると同時に、欠点でもあります。
ジェノバ、古代種、魔晄、ソルジャーとはなんなのか、神羅がどういう会社なのか。
「FF VII」経験者にとってはもはや常識ですが、オリジナル発売から10年が経過した今、未経験のプレイヤーも少なからず存在するはず。
やはり、説明不足の感は否めず、「FF VII」をまったく知らない人には、何故あのような結末を迎えたのかも、あのラストシーンの意味も、理解できないのではないでしょうか。

「FF VIIプレイ済み推奨」と言い切ってしまうには、あまりにももったいない。
「クライシスコア」は、それだけの力のあるキャラクターとエピソードを備えた魅力ある物語であったと思います。
でも、あと一歩及ばなかった。それが残念でなりません。
 
 
◆まとめ
長々といろんなことを書いて来ましたが、楽しんでいることは事実です。
(そこかしこで、PSP握りしめて大泣きしたし)
ザックスは可愛いし、アンジールは渋いし、ジェネシスは意味不明だったけど(笑)、セフィロスは普通に好青年だし。
エアリスに対して抱いていたイメージも、良い方に大きく変わりました。
クラウドは・・・まぁ、あんなもんだろ。

PSPソフトの中でも屈指の秀作だと思いますので、「FFVII」を知らない人でも、PSPを持っているのならプレイしてみて欲しいです。
そして、「クライシスコア」で初めて「FFVII」の世界に触れた人たちには、ぜひとも「FFVII」をプレイしてもらいたいですね。

「FFVII」が好きなら、買って間違い無しです。
っていうか、プレイすべき。
そして、「FFVII」を再プレイしたくなること請け合いです。  
 
 
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