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モノノ怪 第四話「海坊主 二の幕」

[あらすじ]
薬売りの活躍で船幽霊は追い払ったものの、一難去って、また一難。
次いで、そらりす丸を訪れたのは海座頭というあやかし。
海座頭は「オマエのいちばん恐ろしいものは何か?」と乗客たちに問う。
自分の心の奥底に眠る真の恐怖を見せつけられ、バタバタと倒れていく乗客たち。

海座頭は菖源に問う。
彼の恐ろしいものとは、師匠の源慧だった。

そして、源慧は答える。
彼の恐ろしいものとは、この海をあやかしの海へと変じさせたもの。
それは、50年前、虚ろ舟に入れられ、この海へ流された彼の妹。
その妹に会うために、源慧は羅針盤に細工をし、船を龍の三角へと導いたのだった。

やがて、生け簀が赤く染まり、虚ろ舟が姿を現す・・・
 
 

***

わ、若本さん・・・やり過ぎです。

思わず吹き出してしまいましたよ。
「ぁおまえがぁ、いちばんんんっ、恐ろしいものはぁぁ、ぬぁンどわぁぁぁ」とか言われるとね、笑っちゃうって。
若本節絶好調も悪かぁないですが、ちょっと調子に乗りすぎと違いますか。
 
 
ンでは、本編。

薬売りは退魔の剣に導かれて、この船に乗ったようです。
常日頃、退魔の剣に「あっち行け、こっち行け」言われているんでしょうか。
「剣に聞いてくれ」とか、それっぽいニュアンスのことを薬売りは何度も口にしているし、どうも、主導権は退魔の剣の方が握っていそうです。

とにかく、薬売り(と、羅針盤に細工した犯人)が、このあやかしの海に至ったのは必然である、ということで。
 
 
実は、前回、よく意味が分からなかったところがあって、このまま放置されたら気持ち悪いなーと思ってたんですが、しっかりフォローが入ってました。
モノノ怪と神さまのくだりですよ。
「同じようなものだ」と言った後で、「違う」とか言って、どっちなんだよー?と、混乱しておったとですよ。
だから、その件を加世ちゃんがほじくり返してくれたんで、思わず身を乗り出しました。

そして、私の混乱の原因は「モノノ怪」と「あやかし」の違いを理解していなかった点にあると知りました。
神さまと同じなのは「モノノ怪」ではなくて「あやかし」でした。

「あやかし」とは、人が死んでなるもの(ようするに幽霊?)や、物や道具に想いが宿ってなるもの等、その成り立ちは千差万別、
それこそ八百万。数限りなく居るし、ごく自然なものなんだね。
古来より、日本には「八百万の神さま」がいらして、ありとあらゆる物に神が宿ると言われてきたわけで、その理屈でいうと神さまも「あやかし」の一種ってことになるわな。

ただ、「あやかし」の道理は人には理解できない。

一方、モノノ怪はというと・・・
「怪」とは「病」のこと。
「モノ」とは「荒ぶる神」のこと。
モノノ怪は人を病のように祟る・・・?
なんかよく分かんない日本語だな。
荒ぶる神の病・・・
そっか、とち狂った神さまが人にもたらす災い・・・と、言い換えたら分かりやすいかもしれない。

激しい人の情念(悲しみとか憎しみとか恨みつらみ、主に負の感情であろう)が「あやかし」と結びついて生まれるのが「モノノ怪」
つまり、神(あやかし)を狂わせてるのは、人の心の闇ってことだ。

もともと理解不能な「あやかし」と、そんな厄介なものが一緒になったら、そりゃぁ、人の手に負えないわ。
そして、それはこの世に在ってはならない、とても不自然なもの。

で、それを斬ることが出来るのが「退魔の剣」というハナシになる。
するってぇと、なんだ。
退魔の剣は、「あやかし」と「人の情念」の結びつきを断つための剣・・・ということになりはしませんかね。

「あやかし」は、べつに存在していてもかまわないのだから、その結びつきさえ解いてしまえば、放っておいて良い。
でも、モノノ怪を生むほどの強い人の情念は、放っておくわけにはいかないでしょう。
だって、うまく切り離したところで、そのまんまでは、また、他の「あやかし」に取り憑くかもしれないし。

そこで、必要なのが「真」と「理」

「真」はことの有様。
人がそれほどに強い情念を抱くことになった背景には、どんな事実があったのか。
「理」は心の有様。
その者は何を想い、何を望んでいるのか。

それらを第三者が理解し、きちんと受け止めてあげることで、モノノ怪を生んだ激しい情念を鎮めてやる。
そのうえで切り離せば、モノノ怪は完全に滅せられる。
ただ斬るだけでは意味が無いのだから、「形」と「真」と「理」を全て明らかにしなければ剣は抜けないというのも、合点のいく仕組みといえる。
そして、その想いを受け止める「器」の役割を、薬売りが担ってるのかも・・・

なぁんてね、今これを書きながら考えたんですが。
これはアタシが勝手に先走って考えたことですんで、お気になさいませぬよう。
 
 
話しが大幅にズレたので軌道修正。本編に戻します。

幻殃斉も交えて薬売りと加世ちゃんがそんなモノノ怪談義をしていたところで、新たな怪異がそらりす丸を襲う。
鬼火とともに現れたのは海座頭。
海座頭は「オマエの恐ろしいものは何か?」と問い、誤った答えをすると酷い目に遭うとか。

金のことしか考えてない商人と、実は辻斬りだった侍が相次いでダウン。
こいつらは自業自得。
 
 
お次は加世ちゃん。
ここで薬売りさんは、幻覚を見せられて気を失いかける加世ちゃんを、しっかり抱きとめて落ち着かせてあげたりして

「女性に優しい薬売り」を猛烈アピール。

他の男どもは、のたうち回ってても放ったらかしなのにさ。
もっとも、加世ちゃんには他の連中と違って黒いところが無いですからね。
女性というよりは、「罪の無い者には優しい」と言うべきなのかも。
 
 
黒いところが無いと言えば・・・「饅頭が怖い」と、のたまった幻殃斉。
落語じゃあるまいし、というツッコミはさておき、饅頭だと思って喰ったら何か別の物だった・・・という幻覚は、どう理解したら良いんでしょうねぇ?
いったい、幻殃斉は何が怖いんでしょうか?
まさか、饅頭が本当に怖いわけでもあるまい。
落語同様、実は饅頭が好物で、これを境に饅頭が喰えなくなったりしたら、ちょっと気の毒だな。
とにかく、
やたらと薬売りにライバル心を燃やして、知ったかぶったり、なんだかんだと首突っ込んで来たりするけど、この人からも腹黒さは感じられません。
 
 
そして、自ら問答に臨んだ薬売りの答えは
「この世の果てには、形も真も理も無い世界が、ただ存在していることを知るのが怖い」
ンまぁ、なんて深遠な。
他の連中とは次元が違いますわよ。

というか、そんなことを口にしてる時点で、この世の果ては「無」であることを知ってんじゃないの?って気もしますがね。

海座頭が薬売りに見せた幻覚は、自分の存在が次第に消えて行くというものでしたが、薬売りは落ち着き払ってこれを眺めてる。

「形」と「真」と「理」は、なにもモノノ怪だけのものじゃありませんからね。
この世に在る全てのものが「形」と「真」と「理」で成り立ってる。
だから、それらの無い世界では、何者も存在できないわけ。
すなわち、無。
「行き着く先が無である」なんてことをチラッとでも疑っただけで、既に恐怖ですよ。

真の恐怖を突きつけられて恐ろしいのは、普段そこから目をそらしたり、誤摩化したりしているから。
常にその恐怖と向き合っているのであれば、今さらあやかしごときに幻覚を見せられたところで、多少恐怖は感じこそすれ、取り乱すほどのことはありますまい。
 
 
そして、菖源。
菖源の恐ろしいものとは師匠の源慧で、羅針盤に細工をしたのは源慧だと証言する。
この人は幻覚を見ていないようです。
怖い本人が目の前に居るのだから、わざわざ幻覚を見せるまでもないということですか?
海座頭、ちょっと手抜きした?
 
 
で、いよいよ本命。
源慧の恐れているものとは、この海をあやかしの海に変えてしまったもの。
それに会うために、彼はそらりす丸をこの海域へと進ませたらしい。
「皆を巻き込むつもりは無かった」とか言ってるけどさ、船ごと運んだんだもの、他の人も巻き込むの分かりきってるじゃん。
ったく、よく言うよな。

50年前、自分の身代わりとなって、妹が虚ろ舟に入り海に流された、と、涙ながらに語る源慧
・・・ですが、まだ全てを語ってはいませんね。
本人も言ってるとおり、自ら進んで流されたのなら、モノノ怪となるほどの怨念を抱くのは不自然でありましょう?
なにか裏があるのは間違いなし。
 
 
退魔の剣がカチーンと鳴って、モノノ怪の「形」は見えた。
さぁさぁ、あなた様の真と理、語っていただきましょうか。
・・・と、いうわけで、次週に続く。
 
 
 
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