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地球へ・・・第18話「再会のアルテメシア」

えぇい、こうなったら、とことんグチってやるわ。
アニメ版「地球へ・・・」が好きな人は、読まない方が良いですよ。

私もね、そんなに「地球へ・・・」という作品や、竹宮恵子先生ご本人に、特に思い入れがあるわけじゃないんですよ。
もっと好きで、もっと大事に思ってる作品は山のようにありますよ。
それでも、このアニメを見てると、無性に腹が立つんですわ。
(だったら見なきゃ良さそうなものだけど、最終的にこのアニメ版「地球へ・・・」がどこに辿り付くのかは見届けたいのさ)

100%原作どおりにする必要は無いです。あくまで「原作」ですから。
でも、原作の本質的な部分をねじ曲げておいて、それでも原作と同じタイトルを冠することに何の意味があるんでしょう?
乱暴な言い方をすれば、そんなもの、似たようなストーリーで、似たようなキャラがウロチョロしているだけの、パクリじゃないですか。

たとえ原作から離れてしまっても、1つの作品として立派に成り立っているのなら、まだ良いと思います。(だったら、「原作」じゃなくて「原案」にしてね)
だけど、いじくり回された物語は、どこかでひずみが生じている。
作っている方は物語が破綻しかけているのに気付かないまま、ドンドン突き進んで行って、けっきょく物語をぶち壊してしまう。
アニメ版「地球へ・・・」は、今まさに、その道をたどってます。

原作には無かったエピソードを取り入れたのは良いけど、それがことごとく物語を破綻させているってこと、分かってるのかな、作ってる人?
通して見ると、すごくチグハグなのに気付いているのかな?
 
 
いちいち取り上げたらキリが無いんだけど・・・

「僕らの敵は人間じゃない!」と言った舌の根も乾かないうちに、撤退して行く船まで破壊させ、市民への攻撃も辞さない構えのジョミー。

人格が分裂でもしているんですか?


トオニィたちナスカチルドレンの扱いも酷いもんだ。
彼らが生まれたのは、ジョミーがそう望んだからなのですよ。
ジョミーはナスカで生まれた子供たちに、強く育って欲しいと願っていた。
トオニィたちは、そのジョミーの想いに応えて急成長を遂げたんです。(トオニィたちは子供だから、その「強さ」をちょっと勘違いしてるけど)
ジョミーが居なければ、今の彼らは無い。
だから、ナスカの子供たちにとってジョミーはとても大切な存在なの。
自分の親以上に慕っていると言っても良いくらいに、ジョミー大好き!なの。
あぁ、それなのに、「殺しちゃって、船を乗っ取っちゃう?」って・・・
あり得ないのよ、そんなセリフ。
確かに、彼らは人間とミュウが相容れないことの象徴みたいな存在だけれど、ただの戦いの鬼ってワケじゃないのに。
彼らなりに一生懸命ミュウのために戦ってるだけなのに。
それも、ジョミーに「よくやった」って頭撫でて欲しくて、ね。
 
 
それに、たぶん、原作を読んでいない大部分の人が勘違いしてるんじゃないかと思うんだけど、

キースは洗脳なんてされてませんから。

彼は本当に特別な人で、一般人と比べるとよっぽど自由な意思と感情を持つことを許されてます。
ただ、彼はそれを全て抑えて、マザーの意思に従って動いている。そう訓練されているだけのことです。それは、洗脳とは言いません。
 
 
洗脳されているのは、キース以外の他の人間たちです。
でも、このアニメでは、マザーに抑圧されてる(そして、抑圧されていることに気付いてさえ居ない)人間たちの姿がまったく描かれてない。
先週のメガネ男は命令違反して平気な顔してたし、今週はスウェナがやってくれました。
クジラとミュウについて、アレコレ突っついてるみたいですがね、そう簡単に調べられるわけがないの!
そもそも、そんなことに興味持つはずが無いの!持った時点で、記憶消去です!
ジョミーのことをスウェナが覚えているのだっておかしい。
彼女は成人検査を通過したのだから、子供のころの記憶、特にジョミーなんて危険因子に関わる記憶は念入りに消されているはずですよ。
それなのに「ジョミー、あなただったの・・・」って。
そんなにハッキリとスウェナがジョミーの記憶を保持していたら、「記憶を手放すな」というブルーの言葉も、子供のころの記憶を命がけで守ろうとしたシロエの行為も、みんな意味の無いものになってしまうではないですか。
(ハッ!まさか、この女も隠れミュウにするつもりか?)

おまけに、アタラクシアに降り立ったジョミーを、一般人のスウェナが1人でお出迎え・・・

あり得ないって。
 
どうもね、「地球へ・・・」という物語の世界観をまるで分かってない人がシナリオ書いてるとしか思えないのよね。
 
 
このアニメを作っている人たちは、ブルーをできるだけ長生きさせてカッコ良く描くことしか考えてないんですかね。
ジョミーやキースの心の内の葛藤は、もう、どうでも良いんですかね。
それこそが、この物語の核だと思うんですけどね、私は。

特に終盤は「誰が主人公だよ?」ってくらいに、キースの存在が重要になって来るのに、このままではただの敵役で終わってしまいそう。

次回、キースの秘密が明らかになりそうですけれど、今から軌道修正するのか、したとして間に合うのか、微妙なところです。

さっき、原作本読み返したら、終盤でまた泣きそうになりましたよ。
原作知らない人は、アニメを見終わった後に読んでみると良いと思う。ぜんぜん違うから。
 
 
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