モノノ怪 第三話「海坊主 序の幕」 感想
(ネタばれ御免)
[あらすじ]
江戸を目指し、波を蹴立てて海を進む大型商船「そらりす丸」
その船には実にクセのある乗客が乗り合わせていた。
その中には、あの薬売りと、化猫騒ぎで奉公先を失った加世の姿もあった。
船は順調に航海を続けていると思われていたが、ふと気付けば、そこに入り込んだ船は決して陸に戻って来られないと言われている「龍の三角」と呼ばれる危険な海域に迷い込んでいた。
何者かが、磁石を使って羅針盤を狂わせ、故意にこの海域に船を進ませたのだった。
誰が、なんのために?
犯人は、この船に乗っている者。それは間違いない。
モノノ怪を捕まえて見せ物にしようと企む商人。
モノノ怪を退治して名声を得ようとする修験者。
モノノ怪を祓う刀を密かに狙っている侍。
それとも、黙して語らない僧侶なのか?
誰も彼もが怪しく見える。
やがて、そらりす丸とその乗客たちにモノノ怪の怪異が迫る。
頭上に現れたのは、そらりす丸など木の葉のごとくに見えてしまうほどの巨大な迷い船。
不気味なその船は、そらりす丸を取り込もうとする。
その場は薬売りの機転で切り抜けることは出来た、が・・・

座敷童子では雨粒が花で表現されていたけど、今回は「風」が素敵。
すぅっと風が通ると、ひらっと花が舞う・・・
普通だったら髪や服などがなびく様子を描くことで「風」を表現するところだけれど、この作品では、あえてそれをやらない。
でも、ちゃんと「風」を感じることは出来る。
しかも、美しい。
薬売りさんの振り向き様のアップのカットで(しかも、しゃらら〜〜〜んと音付きで)コレをやられた時には、往年の少女マンガみたいで思わず笑っちまいましたがね。
「化猫」で大変な目に遭った加世ちゃんが再登場です。
例のお屋敷が化猫騒ぎで居られなくなってしまったので、新しい奉公先を求めて江戸を目指しているところだそうです。
場違いなほどに明るくて、意外とシッカリ者の良い子ですよね。
っていうか、「化猫」を見ていない人には
薬売りと加世ちゃんがどういう経緯で顔見知りになったのか
まるで薬売りのアシスタントみたいに、モノノ怪祓いグッズに詳しいのは何故なのか
そのへん、サッパリ分からないと思いますが。
加世ちゃんは、以前、薬売りが化猫退治したお屋敷で働いていたのですが、彼女は化け猫の恨みとは無関係だったので命拾いしたのですね。
1人で奮闘する薬売りのお手伝いを積極的に買って出たりして、それは大活躍だったのです。
本当に偶然乗り合わせたのか・・・なんか、そこンところも怪しいんですが、とにかく、乗客は怪しげな人たちばかり。
うさん臭げな修験者。
どこか(アタマと身体の両方)を病んでいそうな不気味な侍。
徳は高そうなんだけど、まったく口をきかず得体の知れない僧侶。
そのお付きの坊主はオネエ言葉で、何故か常に片肌脱いでるし。
船の持ち主の商人は、なぁんか企んでいそうな気もするし。
そこに、ひときわ軽いノリの加世ちゃんと、ひときわ怪しい薬売りが加わって・・・
これで事件が起きないワケないだろ?と言いたくなるような、そうそうたる顔ぶれであります。
それにしても、けったいな船。
(だいたい、名前が「そらりす丸」だよ?)
船の中に生け簀があって金魚が泳いでいたり・・・
デカデカと飾ってある絵は、なんだ?クリムトのパロディか?
それとも、何かの伏線なのか?
あっちもこっちもゴチャゴチャとカラフルな装飾が施されていて、視覚が刺激されまくり。
落ち着かない。
こんな船に放り込まれたら、アタシは目眩を起こし、そのうち気が狂うかもしれない。
うさん臭げな乗客の中で、ひときわうさん臭いオーラを放っているが、何故か憎めない不思議な人、柳幻殃斉。
幻殃斉もまったくインチキってわけでもないようで、いちおう、スキルはあるらしい。
襲って来たモノノ怪に対抗する結界を張るのに、幻殃斉は塩ではなくて、かまどの灰を使う。
海には塩がいっぱいあるから、海に棲む妖怪である船幽霊に塩をまいても無意味なんだそうな。
今回失敗したのは、灰に不純物が混じっていたから。
そこンところをさりげなくフォロー入れてあげる薬売りさんは、意外と気配り上手なのカモシレナイ。
でも、おいしいところは、もちろん自分が持ってく。
幻殃斉に時間稼ぎさせておいて、ゴリゴリゴリと、何を調合しているのかと思えば・・・
なんと、閃光弾を作っちゃいました。(しかも、無駄にキレイ)
モノノ怪が日の光を遮って優位に立とうとするのなら・・・と、こちらは人工的な光を使って、追い払ってしまったというわけね。
ひとまず、怪異は治まったけれど、船はいまだにあやかしの海に在る。
モノノ怪は現れたけれど、退魔の剣はカチーンと鳴らず。
つまり、モノノ怪はまだ本当の姿を見せていない、と。
時々、薬売りの視界にチョロチョロと小物のあやかし(しかも死に体)の姿が入って来るんですが、他の客には見えていないのか、誰も騒がないし、薬売りも黙認。
これも、伏線なんでしょうかねぇ。
今回は、いつにも増して怪しい薬売りの怪しさが炸裂。
意味深発言もチラホラありました。
たとえば、「モノノ怪は八百万も居る」と言って、加世ちゃんに「それは神さまの数ですよぉ」と突っ込まれ、「同じようなものだ」と答えてます。
モノノ怪を生むのは人。
人の心の悪しき部分がモノノ怪を生み出すのだとしたら、人の心の数だけモノノ怪は生まれる可能性があるわけで、下手すりゃぁ、神さまの数を軽く超える。
薬売りがモノノ怪を斬ってるそばから、何処かでまた別のモノノ怪が生まれているかもしれない。
薬売りの仕事は、いつまでたっても終わらない。
キリが無い・・・
薬売りのつぶやきが虚しく響く・・・のかと思いきや、ばかでかいモノノ怪の出現に不敵な笑みを浮かべてみせる。
そりゃぁ、もう、ゾッとするような妖しさで。
まるで、モノノ怪と相対するのを楽しんでいるかのように。
「座敷童子」では慈悲深い一面をかいま見せ、今回は悪魔的な顔をちらりと覗かせる。
ったく、この男は油断ならねぇナ。
今回の話しは、ミステリー仕立てになってますね。
海上にある船の中という密室状態。
1人残らず怪しい乗客たち。
その中で、危険な海域に船を迷い込ませた犯人はいったい誰なのか?
いわゆる「推理もの」の定番的要素をキッチリ押さえてます。
薬売りは探偵役なのか、それとも犯人なのか?
(どっちもあり得るから、この男の場合)
そこにモノノ怪がどう絡んで来るのか。
真と理どころか、モノノ怪の形すら見えて来ない状態でスターーーンと襖を閉められて・・・
次回がすっごく楽しみで、また眠れないゾ。
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