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地球へ・・・ 第17話

お口にチャックして大人しく見ていよう・・・と、思ったんだけど、ダメだ、やっぱり黙ってられない。

予想どおり、ブルーが最後の力を振り絞ってミュウたちを守るという展開でしたが・・・
なぁんにも、感動しなかったよ。

ブルーが立派に戦えるのは、別にいいの。
仮にも「ソルジャー」と呼ばれた人なんだから、戦闘能力はあってしかるべきだと思うし。
長いこと眠っていたから、戦う力も、まだ少しは残っていたんだと考えられるし。
ブルーにあのような死に様を用意したのも、100歩譲って受け入れてもいい。
(個人的には、みんなに見守られて静かに眠りについて欲しかったけど。原作どおりに、ジョミーに補聴器を外してもらってね・・・)

でもさ、なんで、みんな、あんなに軽くスルーしてるの?

300年もミュウを率いて来た長が死んじゃったんだよ?
ソルジャーは、ミュウの精神的な支柱なんだよ。
いくら新しいソルジャーが居るとはいえ、その柱が折れちゃったのに、どちらかと言うとナスカが崩壊したことの方を嘆いてない?
せめて長老くらいは・・・と、思ったのに、トマト齧って泣いてるし。

違うダローーーっ!!!

ひどい。あんまりだ。
ブルーが可哀想すぎる。
あんなにボロボロになっても、ミュウのために頑張ったのに。

長生きさせてあげればいいってもんじゃないの。
劇的で壮絶な死に場所を用意してあげればいいってもんじゃないの。

あまりにも軽く扱われたブルーの死に、「実は、死んでないんじゃねぇの?」との疑惑まで抱いてしまったわよ。

それにさ、「眠れる獅子」ってブルーのことなの?

私は、ずっと、ジョミーのことだと信じていたよ。
だけど、あの描き方だと、どう考えてもブルーを指してるよね?
確かに、ブルーの想いはジョミーと一緒に地球ヘ行く。
行くけど・・・そういう意味じゃないでしょ。
 
 
ジョミーは感覚を失わないまま、このままで押し通すみたいですね。
原作では、ナスカの惨状を目の当たりにしたジョミーは、そのショックで視覚、聴力を失ってしまうんですけど。
こっちのジョミーは、仲間を救えなかった自分を責めたりもしないし。
ずいぶんと、しっかりしていなさる。

そういば、ナスカを巡る若いミュウと長老たちの対立に苦しんで、ジョミーが心を閉ざしてしまうエピソードも、スポンと抜けてたね。

そういう痛々しいジョミーの姿をほとんど描けてないんだな、このアニメでは。
見た目は少年のままなのに、つらい経験をいくつも乗り越えて、真のソルジャー(戦士)に成長を遂げるジョミー。
そんなジョミーだからこそ、見ていると切なくなって、愛おしいと思えるのに。
 
 
もうひとつ、どーしても許せないっていうか、この先どうやって矛盾しないように話しを進めて行く気なんだろうって、すっごく不安になったのが、あのイヤミなメガネ男(いい加減、名前覚えてやれよ)の発言。

キースの命令を無視して、ミュウの残党狩りを「これは虐殺だ。キースは化け物だ」と言って実行しない。
まるで、この男が良識あるマトモな人だったみたいだけど・・・

違うダローーーっ!!!

逆だ、逆っっっ!

完全にマザーに洗脳されてる一般ピープルなら、たとえ直接命令を下したのが自分の嫌いな上官だったとしても、それが元を辿ればマザーの意思であれば、「はい、そうですか」と、何も考えずにミュウ撲滅に向かうはずだよ。
それくらい、マザーの支配は徹底してるんだよ。

でもって、キースはマザーの申し子とか言われて表向きは従っているように見えるけれど、(自分でも認識してないかもしれないくらいの)心の奥底ではシステムに疑問を感じていて、完全にマザーに支配されている人間たちを見下してる。
だから、キースが「これは虐殺だ」とつぶやくのなら、分かる。
そう、つぶやきつつ、サクッと虐殺を実行するのなら、分かる。
自分の感情は封印して、マザーの命令を忠実に実行する。
それでこそ、キースだ。

あれは、あのメガネ男には絶対に言えるはずが無い、絶対に言わせちゃいけないセリフだった。

マザーの支配は、そんなにヌルいもんじゃない。
マザーの命令であれば機械的にしたがってしまう。
人間たちは、思考も行動も何もかも、全てマザーに管理されている。
そのシステムをぶっ壊しに、これからジョミーたちが殴り込みをかけるんじゃないか。
ミュウの敵は人間じゃなくて、SD体制というシステムそのもの。
ミュウの戦いは、ミュウの存在を認めさせるだけでなく、人間をマザーの支配から解放するための戦いでもあるんだよ。

でも、それが、マザーの命令に従わなくても許されちゃうような、こんなヌルいシステムだったら、決死の覚悟で壊しに行く意味ないじゃん。

キースを徹底的に「悪」の立場に置きたいんだろうか。
それで、こんなことをメガネ男に言わせたんだろうか。
それによって、思いっきりストーリーを破綻させてるのに?

この先、キースの扱いはどうなってしまうんだろう?
自分の意思や感情とマザーの支配との狭間に生じる、彼の苦しみはどこへ行ってしまうんだろう?
マザーを否定すれば、自分の存在意義さえ揺らいでしまいかねない彼の苦しみはどうなるの?

この物語は、ジョミーたちの戦いの物語であるのと同時に、キースの苦悩の物語でもあるのに。

確かに、キースを「血も涙も無い極悪非道なミュウの敵」にしておいた方が、子供には分かりやすいだろうけどさ。

キースの苦しみをちゃんと描いておかなければ、あの結末には辿り着けないと思う。
辿り着いたとしても、ぜんぜん違う意味合いのものになってしまうと思う。

このままでは、なんだか結末も大きく歪められそうな気がして、ものすごく不安になってきた。
大勘違いな結末を持って来たら、大暴れしてやるぞっ!
 
 
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