DEATH NOTE 第37話「新世界」
(最終回なので、長いっすよ〜)
運命の瞬間は訪れた。
僕の勝ちだ!
そう宣言するライトだけど・・・誰も死なない。
でも、何故?
ニアがノートに細工をして来ると読み、万全の手は打ってあるはず。
目の前の事態を受け止めきれず、冷静さを失っていくライト。
それに対し、落ち着き払ったニアが状況を説明する。
魅上の尾行を続けていたジェバンニは、几帳面な魅上がいつもとは違う行動をとったことに注目した。
毎月決まって25日に銀行へ行く魅上(きっと25日が給料日なのね・・・)が、翌日も銀行へ足を運んだのだ。
しかも、その日だけは人目を気にするようにして貸金庫の方に向かった。
不審に思ったジェバンニが貸金庫を調べる(何故か簡単に開いてしまう貸金庫が謎)と、そこにはもう1冊のデスノートが保管されていた。
ジェバンニがこれまで見て来たノートとそっくり同じもの。
これにより、ニセモノのノートの存在を確信したニアは、隠されていた本物のノートの方もニセモノとすり替えた。
ジェバンニ大活躍。しかも美形(それはどうでも良い)
全ては、メロのおかげだった。
メロは、恐らく全てを承知した上で高田を拉致し、魅上に本物のノートを使わせるよう仕向けたのでしょう。
高田をメロが拉致すれば、「キラ」はメロを消すために高田を利用し、用済みとなった高田を消すだろう。
そして、「キラ」と同じ思考パターンの魅上は、神の手を煩わせまいとして、「キラ」が取るであろう行為を予測して自分が代行する。
魅上が高田の死の時刻として書き込んだのは、ライトが自ら書いた時刻の1分後。
そのため、ライトは魅上のノートがニセモノにすり替えられていることに気付けなかった。
1人ではエルには及ばない。
でも、ニアとメロ。2人が手を組めば・・・
良いところ無いままの退場かと思っていたメロが、実は大きな鍵を握っていたのね。
それも、命がけで。
「キラ」との勝負に勝つために。
見くびっていてゴメンナサイ。
そうだ、僕がキラだ。
言い逃れのできない状況に、ライトはついに告白する。
新世界の神となれるのは自分しか居ない。
人殺しが罪であることなど分かっている。
それでも、誰かがやらなければ世界は変わらない。
だから、自分がやっただけのこと。
自分以外の誰に、ここまで上手くやれただろうか?
「キラ」によって世界は変わりつつある。
戦争は無くなり、犯罪も減少している。
今や、「キラ」が正義なのだ。
そう訴えるライトに向かって、ニアは冷たく言い放つ。
あなたは、ただの大量殺人犯です。
その場に居る者すべてが、無言でニアの言葉を肯定する。
追いつめられたライトは、腕時計に仕込んだノートの切れ端にニアの名前を書き込もうとする。
その腕を打ち抜いたのは、松田だった。
総一郎を侮辱するような言葉を吐き、この期に及んで悪あがきしようとするライトに向かって、松田は容赦なく銃弾を撃ち込む。
今まで、ただの一度もライトを疑ったことの無かった松田。
何よりも、ライトの父・総一郎を敬愛していた彼には、ライトに裏切られたショックはあまりにも大きかったのでしょう。
純粋に信じていたからこそ、その反動は・・・
この後、松田は立ち直れるんだろうか?
ちょっと心配。
醜く足掻き、取り乱すライトは、もう神ではない。
自分が神と信じて来た者の本当の姿を目の当たりにした魅上は、自ら命を絶つ。
その隙に、傷だらけのライトは倉庫を抜け出す。
「追う必要は無い」と言うニアに対し、「アナタの指図は受けない」と相沢がぴしゃり。
エルの仇であり、100%敵だったニアと違って、長い間ライトのそばに居た捜査チームの面々の想いは複雑。
ライトがキラだと分かっても、やっぱりこのまま放っておくわけにはいかないでしょう。
夕焼けの倉庫街を、よろめきながら進むライト。
脳裏にはデスノートを拾う以前の自分の姿がよぎる・・・
ノートを拾う前のライトは、やっぱり、あんなに可愛かったのね。
世の中に不満を持ってる、正義感が強くて、ちょっと優秀な男の子。
そんな少年は、ごく普通にそのへんにゴロゴロいるだろう。
たまたまデスノートなんて物を拾ってしまったばっかりに、運命は大きく変わってしまった。
犯罪の無い世界を作りたい。
そのためにノートを使って犯罪者を裁くはずだった。
それが・・・
他人は利用するためだけにあり、自分の都合の悪い者は削除する。
ライトは、いつの間にか傲慢な怪物になってしまっていたね。
瀕死のライトはエルの幻を見る。
いつだったか、エルは「自分たちはとても良く似ている」と言っていたっけ。
もしかしたら、ライトの一番そばに居て、ライトを一番良く理解していたのがエルだったんじゃないだろうか。
エルはライトのことを「友達」だとも言っていた。
あれも、きっと本心だったんだろう。
エルは「キラ」を追いつめるのと同時に、ライトを救いたかったのかもしれない。
あの時のライトの心に、その想いは届かなかったけれど、最期にはライトにも伝わっていたら良いと思う。
オマエの負けだ、ライト。
そう言いながら、自分のノートにライトの名前を書き込むリューク。
「オレもオマエも、退屈はしなかったよな」と言うリュークには、もう、リンゴをかじって喜んでいた呑気な表情は見られない。
その瞬間、ライトの表情から苦しみが消える。
デスノートの魔力に取り憑かれるという地獄から、ライトは解放されたのでしょう。
そして、後に残るのは「無」
空にかかる月が悲しい・・・
長きに渡って見続けて来たデスノートも、ついに最終回。
納得の行く結末でした。
ライトにハッピーエンドはあり得ないもんね。
全般的に良くできたアニメだったと思います。
誰かの死を暗示する荘厳な演出も
時々挟み込まれる、笑っちゃうようなオーバーな演出も
どれも、これも、ステキでした!
終盤のライトや魅上の壊れっぷりも見事だったし。
原作を未読ゆえに、毎回次の展開が楽しみでしたし、何気に突っ込みどころも満載で、感想を書くのも楽しかったです。
終わってしまって、ちょっと寂しいかも。
最後に、これまで読みに来て下さった皆様、どうもありがとうございました。
いつかまた、同じアニメを見ることがあったら、お会いしましょう。
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