BLACK BLOOD BROTHERS 3 「特区震撼」
そういえば、BBBがどういう話しかって大まかなところ、何も書いてませんでしたね。
これではBBB未体験の人にはサッパリ分からんでしょうから、遅ればせながら、少し書きます。
主人公(?)の望月ジローさんは、見た目20歳前半(実はだいたい100年生きてるらしい)の吸血鬼。
「銀刀」とか「同族殺し」とか、いろいろ言われていますが、そのへんの通り名は10年前の香港で起きた大事件の際の、彼の活躍ぶりに由来するようです。この大事件に関しては、今のところ本編でもあまり詳しく語られていないので私は想像するしかありません。
ジローさんには、まったく似ていないコタロウという名の弟が居ます。(もちろん吸血鬼)
こっちは、見た目どおりの10歳。
この兄弟、えらくヘビーな宿命を背負っておるのですが、そんなものをつゆとも感じさせない能天気兄弟で・・・
コタロウは明らかに天然ですが、ジローさんの方はワザとボケているんだか、それともやっぱりこっちも天然なのか、今のところ私には見極めがつきません。
で、この能天気吸血鬼兄弟が、ロシアの奥地からはるばる海を越えて日本は横浜の『特区』と呼ばれる場所に来たところから大騒動が始まってしまうわけで、その騒ぎにまんまと巻き込まれてしまったのが葛城ミミコというアヒル口の17歳の乙女(りっぱな社会人)。
この3人を中心に、人間(レッドブラッド)と吸血鬼(ブラックブラッド)入り乱れての、涙あり笑いあり、バイオレンスありラブロマンス(?)ありの、スッタモンダの物語り・・・です、たぶん。
それではBBB3巻の感想。
*ここから先は、多少ネタバレの危険がありますんで、原作もアニメも未見でこれから見ようと思っている人は読まない方がよいかもです。
ヤフリー君参上から、ジローとカーサの一騎打ちまで。
ということで、アニメでは8話から最終話に相当。
前の2巻がわりと地味だったのを取り返すかのように、皆さん、派手に暴れまくっておりますね。
(基本的に、暴れてるのは吸血鬼。ケインさんとか、ゼルマンさんとか、ヤフリー君とか)
やっぱり、この長さを全12話にまとめるのは相当厳しかったと思われ、アニメではよく分からなかった部分がいくつも明らかになりました。
その1 ザザ
アニメではザザの存在そのものが、かなり軽く扱われていた気がしますが、原作ではかなり重要な役割を担ってらっしゃる。
ザザが憑依能力を持ってるってこと、アニメではよく分かりませんでした。
だから、顔と名前が一致しなくて(次々と乗り移ってるから一致しなくて当たり前)、けっきょくザザというキャラそのものがかすんでしまっていたという感じ。
『ザザ』という名前さえ、ちゃんと出てきたことがあったかどうか???
そのアニメでは影の薄かったザザが、実は九龍の血統の中でも2番めのお兄ちゃんだったのね。
実際はカーサより年上だと思うんだけど、九龍の血統に染まったのがカーサの方が早かったから『弟』の地位に甘んじているってことかな。
まぁ、力関係から言っても、どう頑張ってもザザはカーサに勝てっこなさそうだけど。
ザザとヤフリー君の兄弟らしい会話が、なんか、良かったです。
九龍の血統って、やたらと悪者扱いされているけれど、彼らは彼らでちゃんと絆を結んでる部分もあるんだなって感じることができました。(カーサはどうだか分からんけど)
その2 ミミちゃん
アニメの最終話で、陣内さんがジローに「ミミコを守れ」って言っていて、「えーっ、なんでミミちゃんを守るの?ミミちゃんって、何者?」って思った私ですが・・・
ふむ、ミミちゃんは陣内さんが(色んな意味で)仕込んだわけね。
本人には知らされていないけれど、ミミちゃんは大きな役目を背負わされているわけだ。
人間と吸血鬼にとって理想的な共存社会を作り上げるという大仕事かな?と、勝手に想像していますが、どうなんでしょう?
この3巻の見どころは、
やっぱり、コタロウと並んでラーメン食ってるゼルマンさん
・・・じゃないだろ。
数ある見どころの中でも一押しは、やっぱり『頭の固いジローさんに説教たれるミミちゃん』でしょう。
ここで、「いつか、それは、母なる海へ」とミミコが口走ります。
この言葉、私が当初考えていたのと違う意味にも取れることに気が付いて、ゾワーッと怖くなっちゃいました。
私は「ジローさんが海になる」という意味だと思ってたんですけど、聞きようによっちゃ、「母なる海に注がれる」とも受け取れる・・・
母なる海。すなわちアリスちゃん。
「いつか、ぼくに返してよねー」って言ってる?違うよね?ね???
もし、そっちの意味だったら、怖過ぎるんですけどー!
あのコタロウが、その時が来たら、兄者を食えるんだろうか?という疑問も抱いていたけれど、むしろ、あのコタロウだったら「兄者、今までありがとー!」とか言って、サックリ食っちゃいそうな気もして来て・・・だぁーっ、それでは、ジローさんがあまりに気の毒ですよぅ。
私の思い違いであって欲しいと、切に願ってやみません・・・
ジローとコタロウが特区に住み着くことが決定し、この巻で、いちおう、お話は一段落。
が、既に続編は続々と刊行されております。
次は短編集でも読んでみますかねー。
っていうか、アニメ化された部分の1〜3巻を読了してみてつくづく思ったんですが、あのアニメは原作を売る絶好のプロモーションになったんじゃないか、と・・・
アニメ見て、面白そうだけどよく分かんないから原作読んでみよーって、本屋さんに買いに走った私みたいな人、けっこう居ると思います。
いや、アニメだけでは、ほんと、ワケ分かんなかったもんよ。
原作を先に読んでた人には、至福の時だってでしょうが。
「BLACK BLOOD BROTHERS」関連記事の一覧
その他の読書感想文の一覧
« 風来のシレンDS またたび日記 :試練 その8 | トップページ | DEATH NOTE 第16話「決断」 »
「読書感想文」カテゴリの記事
- 「四日間の奇蹟」 浅倉卓弥 (2004.12.20)
- 「うつくしい子ども」 石田衣良 著(2005.01.19)
- 「月の裏側」 恩田 陸(2005.03.01)
- 「サイレントリー」 鈴木光司 著(2005.03.16)
- 「流星ワゴン」 重松 清(2005.04.15)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント