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BLACK BLOOD BROTHERS 2 「特区鳴動」

無事・・・かどうかは疑問だが、とにかく特区入りを果たしたジロー&コタロウのワケあり兄弟。
入ったら入ったで大騒動に巻き込まれてるし・・・の巻(前編)

兄弟の特区入りから、ヤフリー君が華々しく名乗りを上げるところまで。
アニメでは5話から7話に相当。
 
 
冒頭は、香港聖戦の時のお話。
どうも、これはミミちゃんが見た『夢』ってことになっているらしい。
ジローさんに血を吸われたことで起こった『共鳴』現象の余波で、ジローさんの記憶の一部を『夢』というカタチで感じ取っていると理解すればよろしい?

この香港聖戦に関しては、じっくり描かれることは無いんでしょうか。
今のところ、断片的には語られているけれど、未だ全貌がつかめず。
転生前のセイなんか、興味津々なんですけどね。

興味津々と言えば、

ジローさんに無闇にみっちり「八艘飛び」を伝授したクロウさんにも、

大いに心惹かれました。

良いな、クロウさん。
もっと出番があったらいいのに。
それにしても、クロウさんを現代の鎌倉に連れて行ったら、どんな顔するんだろうねぇ。
あぁ、楽しそうだ。
 
 
メインストーリーの方は、ミミちゃんが兄弟を連れて受け入れ先を回ってる場面が中心で、わりと地味。
コタロウは言わずもがなだけど、ジローさんはおろか、案内する方のミミちゃんまでどことなく観光気分な感じで、旧友に受け入れ拒否されたわりには比較的のんきな空気が漂う・・・
公園でピクニックなんてしてるしねー。
会話の内容は、「和やか」なんてモンじゃないが。

一部、ちょっかいだしてくる曲者(オーギュスト)が居るんだけど、しょせん小物だから、あんまり盛り上がらない。

がっ!
ヤフリー君の登場で、そんな観光気分も吹っ飛んだわさ。
 
 
さて、アニメを見ていてとっても疑問に思っていたことの1つが、ミミちゃんの涙の理由。

セイやケインに特区への受け入れを拒まれて、その都度ミミちゃんは怒ったり泣いたりして、「なんで、この子はこんなに必死になってんだろう?」と、私は首を傾げておったですよ。
つい先日知り合ったばかりの吸血鬼兄弟が、特区で暮らせるかどうかってハナシだけで、なんでこんなに一生懸命になってんだ?ずいぶん仕事熱心な、責任感の強い子だなぁ・・・くらいにしか、思ってなかったとですよ。

でも、原作を読んだら、その疑問は一挙氷解。

原作のミミちゃんは、既に兄弟の背負った宿命を知ってるんですね。
アニメではその事実を最後までひた隠しにしていたけど、原作では特区入りする直前にジローさんから知らされてる。

『自分に残されたわずかな時間を弟と一緒に静かに楽しく暮らしたい』というジローさんの想いを知っているから、どうにかしてそれを叶えてあげたかったのね。
それだったら、泣きたくなっちゃうのも納得。

アニメ見ていて、どうもあのミミちゃんの涙に違和感を持っていたんだけど、それは事実をさらす順序を原作と変えてしまったせいだったのね。
まぁ、確かに衝撃の事実だから、最後まで伏せておきたかった気持ちは分かるけど、そのせいでミミちゃんの涙が浮いちゃったのはなぁ、ちょっと残念。
 
 
もうひとつ、ジローさんがミミちゃんとあえて距離を置こうとしたのも、アニメではその真意が分かりづらかった。

その理不尽ともいえる言動の裏に、心底ミミちゃんに感謝し、気遣っているジローさんの優しさが隠れていることが、原作を読んで確認できました。
アニメ見ただけだと、『たぶん、そうなんだろうなぁ』と推測は出来ても、表面的には『なんとなく意地はってる』ようにしか感じられなかったのね。
 
 
それから、100年生きているにしちゃ、やたらと青二才なジローさんのその理由も納得。

限りなく不死に近い長命な吸血鬼と目一杯頑張っても100年弱の寿命しか無い人間とでは、時間の感じ方が違うのね。
時間は相対的ってことだ。
だから同じように10年が経過しても、リンスケや陣内さんはキッチリ10年分トシくったのに、ジローさんは見た目も中味もあんまり変わってない。
ジローさんにとったら、10年前の出来事なんて、ついこの間のことのように感じるんでしょう。
だとしたら、ウジウジ、グズグズ、引きずっててもムリは無いや。

やっぱり、原作読んで良かったわー。
アニメではよく分からなかったところが、理解できるようになりました。
 
 
この巻は主要人物が続々と顔を出し、過去話を含めて色んな伏線が張り巡らされ、動きが地味なわりには脳内で情報を整理するのに忙しいという、実は読むのに一番苦痛を感じるタイプの内容かと。
(まぁ、吸血鬼兄弟とミミちゃんの漫才(?)が可笑しいから、ついつい引き込まれちゃいますけど)

作者本人もあとがきでお書きになっているように、次巻以降はハデハデな大立ち回りが展開されそうで楽しみです。
動きの激しいシーンを文章で表現するのって、すっごく難しいと思うんですけど、この人の書く戦闘シーンは勢いがあって良いですね。
 
 
 
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