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「新耳袋コレクション」 恩田 陸 編

恐がりなくせに、このテの話しは大好きである。
大好きなくせに、自分自身は不思議な体験をしたことはまったく無い。
よっぽど鈍感にできているのか、さぞかし強力な守護霊様がお守り下さっているのかのどちらかだと思っている。

そんなふうに書くと、このテの話しを全面的に信じているかのように誤解されそうだが、そういうわけでもない。
少なくとも、妖怪譚とか都市伝説の類いはまるっきり信じてない。

でも、幽霊話しになると・・・
うーん、半分くらい信じてもいいかなって気がする。

理屈や科学では説明できないような不思議なことが、ちょっとくらいあっても良いと思う。
できれば、自分は体験したくないが。

いい気なもんである。

そういうわけで、他人の身に起こった不可思議な出来事について書かれたこういう本を読むのだ。
どうせ他人事だから、「ヒャ〜、怖いねぇ」などと思いながら、「アタシには何も見えなくてよかった」と、安心している。

この本には、「現代百物語 新耳袋」という全十巻(各巻99話収録)に及ぶ怪異譚集から、恩田陸さんが選び抜いた99編が収められている。
(第1弾と銘打っているからには、第2弾、第3弾があるのかもしれない)
そんなに、ぞぞーっと怖い話しは入ってない。
怖いというより、なんだかノスタルジックな感じがするものが多いような気がする。

とはいうものの、まったく怖くないわけじゃない。

さっき、洗面所で顔を洗っていて、サッと顔を上げて鏡を見たら背後に誰かの姿が映り込んでいたらどうしよう?なんて考えていた。

やっぱり、こういう話しは他人事で済んでいる方がいい。
  
 
 
 
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