SAMURAI7 鑑賞之記録 其の21
第二十一話 たわけ!
さて、今まさにカンベエさんの首めがけて斧が振り下ろされようとしてるところで、前回は終わったわけですが・・・・
カンベエさんの気迫にビビリまくってる執行人はカンベエさんの右手の動きなんぞ、まるで見ちゃおりませんで。
ミズキの髪から抜き取ったかんざしを使い、枷を止める鍵を外したカンベエさんは、実に鮮やかな立ち回りで周囲を圧倒し、執行人から奪った斧を手にウキョウの元へ。
カンベエ君、お見事さぁん!
最初からこうなることを予測していたのかどうかは知らないが、ウキョウは落ち着きはらって次の手を打つ。
悪いのは全部先代の天主ってことにして、カンベエ君は無罪放免。女たちも解放する。
・・・だってさ。
これだと、ウキョウは「温情ある良い天主」ってことになりますよねぇ。
刑の執行を見ようとたくさんの人たちが集まってたわけだから、アピール効果は絶大。
頭、良いよねー。
「カンナ村にはもう行かなーい」
なぁんて言ってますが、カンベエさんはぜんぜん信じてないでしょ?
恐ーい顔して、テッサイとにらみ合ってます。
ひとりで納得してさっさと奥に下がろうとするウキョウの前に飛び出してきたのは、カツシロウ。
ホントに間の悪いことで。
ほら、怒ってるよ。先生、怒ってるよー!
一方、女たちの救出に向かったキクチヨとキララ。
アヤマロを脱出の際の盾にするつもりみたいですけど、ぜんぜん人質の役に立ってませんから。
キクチヨが一目で正体バレバレなもので、槍を突きつけられてひと悶着か?と思われたところに、テッサイとカンベエ(とカツの字)がやって来る。
(「なんでバレたぁ?」じゃないよ、キクチヨ)
ところで、最近、キララの「カンベエ様っ!」の後ろにピンクのハートマークがくっついているように聞こえるから不思議です。
突然ですが、かつての主君であるアヤマロを、都から逃がそうとするテッサイが好きです。
アヤマロに対する義も忘れていないけれど、今の主君であるウキョウの元を離れることもできない。
この人も立派にサムライですね。
で、ようやくサナエさんの元に辿り着いたんだけど、先代天主への想いを断ち切れずに居るサナエさんは、村へは帰れない、と。
私は、サナエさんがそう言うのも無理ないと思うんですけどね。
キララには分かんないのかなぁ?
「私はあなたを村に連れて帰ります」
・・・なんて毅然と言い切ってます。
こんな状態のサナエさんを村に連れて帰るなんて、ちょっと酷でしょ。
かといって、ここに置いておくワケにもいかないけどさ。
公式ファンブックによると、サナエさんのこの心情はストックホルム症候群によるものなのだそうです。
人質として監禁状態に置かれている被害者は、犯人に生き死にを握られていて、いわば相手に自分のすべてをゆだねてしまっている状態にあります。この感覚を恋愛感情と錯覚してしまう・・・というあれですね。
サナエさんの置かれている状況は、微妙に違う気もするんですけど・・・
いっそのこと、もっと、女のドロドロした部分で先代天主を好きだと思い込んでいるとか言われた方が、納得いきます。女の目線でサナエさんを見ると。
でも、まぁ、若い娘っ子や殿方には理解不能だわな、きっと。
「カンナ村にはもう行かなーい」などと言っていたウキョウですが、やっぱり、それは嘘だったようで。
各農村をまわって都の姿を見せつけ、最後にカンナ村を訪れる所存。
戦う術を持った農民は、都にとって災いの元になりかねません。都への不満がつのった時、反旗を翻すことも考えられるわけですからね。
禍根は断っておこうと考えるのは、為政者としては当然の流れ。
あやうし、カンナ村。
未熟者のカツシロウでさえ、これで終わったとは思っていない様子。
そんなカツシロウに向かって難しく考え過ぎだとのたまうキクチヨですが、
アンタは考えなさ過ぎですっ!
そして・・・キューゾー復活!
これまで何処で何をしていたのかはサッパリ不明ですが、とにかく、キュウゾウが帰ってきました。
ばんざーい!
アヤマロに向けてウキョウが放った刺客をバッサバッサと斬り捨て、相変わらずの暴れん坊ぶり。
やっぱり、この男が出て来ないと物語が締まらないわね。
「温情を謳いながら、全て消すつもりか?」
と、刺客を問いつめているあたり、キュウゾウもウキョウの腹黒さは分かってるんですね。
まぁ、ちょっと前まですぐ側にいたわけだから。
しかしながら、ウキョウがどうしてアヤマロを消したいんだか、よく分かりません。放っておいても実害無さそうだけどな、このおっさん。
もっとも、キュウゾウがアヤマロを助けたのは成り行きというか、ついでというか・・・いずれウキョウがカンベエさんも消しにかかると予見しての行動だったみたいです。
ったく、キュウゾウの頭の中にはカンベエさんしか無いらしいわ。
カンベエ一行は、無事に蛍屋に到着。
(なんで、マサムネのじっちゃんが一緒にくっついて来たのかは分からないですケドぉ)
にこやかに一行を迎えるユキノさんの視線が、チラチラと定まらない。
シチロージを探してるんだねぇ。可愛いねぇ。
大人の女の色っぽさと、少女の可愛らしさを併せ持ってる。
理想だねっ。
そして、まだ気持ちが不安定なサナエさん。
助け出したとはいえ、心配は尽きません。
「刀では斬れぬものがあったのだ」
とは、カンベエさんのお言葉。
この人は、これまでは全部、刀で活路を切り開いて生きてきたんだろうね。
でも、人の心は刀では断ち切れなかった。
そのことに気付いた時、カンベエさんに隙が生じ、無様に捕らえられる結果となってしまったわけだ。
それでも天主を斬ってサナエを連れ出さなかったところが、カンベエさんの優しさで、そこがこのおっさまの良いところなのだけれどね。
で、みんなでサナエさんのことを話していたら、いきなりカツシロウがキレる。
サナエさんのことに関しても投げやりな言い方して、キララに怒られるし。
あぁ、でも、「できることは何も無い」ってのはカツシロウの方が正しいと思うよ。
キララがキレてカツシロウに食って掛かってるけど、この娘も見当違いな方向に行っちゃってます。
今、アンタの後悔話しは、関係ないから。
そうやって、なんでもかんでも自分の責任だと思い込んで悲壮感漂いまくりの顔してると、アタシの「ムシが好かないメーター」がレッドゾーン振り切っちゃうぞ。
この場面で一番まともなこと言ってるのは、マサムネのじっちゃんですよ。
さすが、ダテにトシは喰ってないです。
せっかくマサムネのじっちゃんがこの場をおさめようとしたのに、カンベエのおっさまったら・・・
不肖の弟子2人にガツンと峰打ち。
懐深いカンベエ様を、これほど怒らせるとはね・・・
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