« いぬのえいが | トップページ | SAMURAI7 鑑賞之記録 其の3 »

シャドウハーツ レビュー

*独特の世界観
まず驚いたのは、「第一次世界大戦直前」という時代背景。
RPGってのは、どことは分からない架空の世界の、いつとは知れない時代の話しと相場が決まっている・・・と、思っていました。
それが、なんとも中途半端な舞台を、このゲームは選んでいます。

この地球上を舞台にするにしても、うーんと過去に設定して歴史的事実という多少の縛りを加えるか、逆に遠い未来に向かうかのどっちかの方が、世界観を作りやすいと思うんです。
それなのに、あえてこの時代を選んだのは、勇気が要ることだったのでは。
だって、世界大戦前夜で混沌としている時代とはいえ、我々現代人にもおおよそ想像のつく時代の話しでしょう?そこに、化け物がウロウロしていて、そこで生活する人たちも「最近、化け物が多くてねー」みたいなことを喋っていたりして、かなり無茶なんですよね。

それでもあえてこの時代を選んだ理由は、ずーっと後になって「なるほどねー」と納得できるのですが。

それに、主人公ウルの時代を超越した言動が、良い意味でいつの時代の話しなんだか分からなくしています。

オドロオドロしくて、とにかくひたすら暗い(ゲームで描かれる場面は、ほとんど夜)にもかかわらず、陰々滅々に陥らないのは、このウル君のキャラのおかげ。
彼を取り巻く仲間たちも素敵なキャラ揃いで、普通に相手してますし。

オカルティックな発想とコミカルな演出が上手い具合に同居して、微妙な時代背景とともに独特の世界観を作り上げるのに成功しているといえます。
 
 
*特異なバトルシステム
このゲームを特徴づける要素は、なんといっても「ジャッジメントリング」(ルーレットのようなもの)の存在。
バトルで攻撃がヒットするか否かは、このリング入力の成否に掛かっています。
物理攻撃は3連打が基本なのですが、「1発めでミスるとそのターンは何も行動しない」、特殊技能も回復行動も「1回でもミスれば発動しない」というシビアさ。
無意識に丸ボタン連打したり、コマンド入力したらちょっと一息、なんて悠長なことやってられません。ホント、気を抜く暇無いです。
ボサーッとしていてリング外しまくったら、ゲームオーバーしかねないんですから。
睡眠たっぷりとって、体調整えてやらないと

若干、ストーリーが短い気もするのですが、この緊張感を保つにはこのぐらいの長さでちょうど良いのかもしれません。
 
 
*ストーリー
じゃぁ、そのストーリーはどうなの?って言いますと・・・かなり、無茶、だと思います。
「いったい、コイツら何語で喋ってんのよ?」なんて疑問は、持たないように。
この物語には、理屈は無用ですから。
何百年も生きている人間がいようと、世にも稀な能力を授かった人間がゴロゴロしていようと、「それはそういうものなのだ!」と、ドーンと広い心で受け止めましょう。
まちがっても、「何故?」と問うてはいけません。
そういうスタンスで進めていけば、きっと、それなりに感動的な結末が待っているはずです、たぶん。
 
 
*グラフィックは、ちょっとね・・・
背景は割とキレイだと思います。
が、人物のモデリングがいびつだったり、敵モンスターのテクスチャーが妙に汚かったり、少々気になると言えばなります。
モンスターは不気味な雰囲気をだそうとして、やりすぎちゃったって感じです。

ただ、私個人としては、ゲームの評価の中でグラフィックってのはそれほど大きな比重を占めていないので、よほど酷くない限り良しとしています。
この程度は、十分に許容範囲です。個人的には。
 
 
総合的な評価は・・・

5点満点中4点ぐらいかな。けっこう、高評価です。
隠しダンジョンがもう少し手強いのが用意されていたら、0.5ポイントくらいアップしてたかも。

けっこう苦労して最強装備や隠しフュージョンモンスターを手に入れても、あんまり使い道が無くってね。
ラスボスを遥かにしのぐ隠しボスが居るようなゲームがあたりまえになってしまっている昨今(ってか、私がやってるのがそういうゲームばっかりなのか?)、これだけだと、ちょいと物足りないです。

まぁ、隠しボスを倒すのに躍起になって、本編の印象がかすんでしまっては本末転倒もいいところなので、これはこれで良いのでしょう。
 
 
オープニングこそグロな映像が入っていましたけど、それ以降はたいしたことなく、敵モンスターが妙に不気味チックなのと全編オカルティックな雰囲気なのが大丈夫なひとにはオススメできると思います。
繰り返しますが、演出がコミカルなので暗さはあまり気になりませんし。

なんでこんな面白いゲームを、今まで素通りしていたんだろ?っていうのが、私の素直な感想です。
続編の「2」や「フロム〜」も、いずれプレイしたいと思っております。
よーするに、続編もプレイしたい!と思えるだけの魅力に満ちたタイトルだってことかな。  
 
 
 その他のゲームレビューはこちらからどうぞ
 
 

« いぬのえいが | トップページ | SAMURAI7 鑑賞之記録 其の3 »

ゲームレビュー」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

その他のハード

ちょっと気になる