ヴィレッジ
ホントに、まったく、感想書くのに苦労するわね、こういう映画は。
ネタばれしないように気を使うったら。
注意しながら、ザッと紹介しておきます。
時代は19世紀末。
場所は周囲を深い森に囲まれた、小さな村。
人々は共同で作業をし、自給自足の生活を送っている。
極めて平和的なコロニーといった雰囲気。
ここには「年長者」と呼ばれる人々がいて、彼らが村のすべてを仕切っているらしい。
そして、犯してはならない掟があった。
決して森に足を踏み入れてはならない。
森には赤い衣をまとう獣が棲んでいて、その獣らと村人は協定を結んでいる。
人が森に入らなければ、獣も村には近寄らない。
その禁を破らなければ、彼らは幸福にその村の中で暮らして行ける。
ところが、1人の青年が村を出たいと申し出る。
村には無い薬を手に入れるため、街へ行こうというのだ。
それは、村の人々を思うからこそ。
その一途な思いがあれば、森の獣も通してくれるだろうと彼は主張するが・・・
均衡は崩れる。
村のあちこちで小動物の惨殺死体がみつかり、ついには赤い衣の獣が村に姿を現し・・・
巧みすぎる伏線が、あまりに巧みすぎていささか出来過ぎって気もするけれど、そんなことはどーでもよくなるほど、面白かったデス。
あっと驚くタネ明かしのくだりでは、本気で驚きました。
大ドンデンがあるだろうとは予測していました。
それでも、「えぇーーーッ、そうだったのぉ?」ってなぐあいで。
これは、何の先入観も待たずに見た方がいいですね。
ホントに。
怖い映画というよりも、私はなんだか悲しい話しだな・・・と思いました。ハイ。
テーマは「愛」なんだそうですが、私には悲しさと空しさが残りましたデス。
ここから先はネタバレしています。ネタバレOKな方のみ、お読みください。
アイヴィーって、森の中で出会った「獣」の正体を知っていたんでしょうか?
彼女は盲目ゆえに、視覚ではなく「色」で人を見分けてていたんですよね?
だとしたら、どんな姿をしていようとも、あれが誰だか分かったんじゃないかと思うんですけど。
「獣」が年長者たちのでっち上げであることも、知っていたわけだし。
正体を知っていたかどうかで、その後のアイヴィーの心情に大きな違いが出ますよねぇ。
すごく大事なポイントだと思うんですけど、映画を見た限りでは判断がつかなくって。
知らない方が幸せですよね。どう考えても。
もし、知っていたのだとしたら・・・キツ過ぎるわ。