「サイレントリー」 鈴木光司 著
鈴木光司さんと言えば「リング」・・・
というわけで、この人をホラー作家とみなしていらっしゃる方は非常に多いと思われます。
かくいう私も、最初に読んだのは「リング」でした。
でも、その後で「楽園」と「光射す海」を読んで、「こっちの方が、ずっとイイじゃん!」と思い、好きな作家に仲間入りすることになったのでした。
今回読んだ「サイレントリー」も、ホラーではなく癒し系の短編集。
いずれも、「身近な人の死」や「崩壊寸前の家族」といった、人生の危機的(かつ悲劇的)局面に立たされた人たちの癒しと再生の物語です。
「枝の折れた小さな樹」は、幼くして死んだ妹のその後の人生をCGを駆使して映像化し、悲しみに暮れる父親に見せる、というストーリー。
この映像を作ったお兄ちゃんの気持ちはよく分かるし、作者の言わんとするところも(たぶん)分かります。
でも、私は亡くなった人の映像は、あまり見たくないです。
もしも私がこんな映像を見せられたら、激怒するか、ショックで再起不能になるかどちらかだと思います。
よって、この作品に対する私の評価は微妙です。
私が好きだな、と思ったのは、「サイレントリー」と「一輪車」の2編。
どちらも、親子の強い絆を感じさせる作品で、泣けて、泣けて、どうしようもありませんでした。
未読の方に・・・
この本は、電車の中や病院の待ち合い室などでは、決して読まないで下さい。
1人でこっそり読んで、思いっきり泣きましょう。
読み終わった後に、なんだか優しい気持ちになれる・・・そんな一冊です。
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